先日(9月27日)、機会があって福島第一原発近くの震災と原発事故の被災地を視ることができました。
地元で事故以前から原発をなくす活動をされている方、原発で働いている労働者の支援をしている方からお話をうかがって、いわき市から広野町、楢葉町、富岡町まで行きました。
避難指示解除準備区域の楢葉町に入ると、除染作業の車両と労働者ばかりが行きかい、住民の姿はありません。除染作業で出た膨大な放射能の汚染土壌や枝葉などが黒いビニール袋に入れられて、耕作できない田畑に野積みされています。この放射能汚染ごみの保管場所も処理の仕方も、いまだ何も決まっていません。
さらに居住制限区域の富岡町に入ると、地震直後から人が立ち入ることができなかったために、2年半前の津波の爪痕がそのまま残されています。流された軽トラックが座敷に乗り上げたままの家も、手つかずのままです。
JR常磐線の富岡駅近くでは、線路の除染作業が行われていました。砂利を全部はがして入れ替えるそうですが、はがした砂利は、やはりビニール袋にいれて、とりあえず田畑に置くだけで、その先どうするかは未定です。
除染作業や原発内で働く労働者は、全国から集められてきた派遣の非正規労働者で、東電が支払う日当は1人5~10万円で積算されているそうですが、それが元請、一次、二次下請け…派遣一次、二次下請け…となるにつれてピンハネされ、労働者に渡るのは6000~1万円程度、環境省が別途支払う危険手当(1万円)は、半分の人が受け取っていないといわれています。
こうした現状を見れば、原発事故は収束もコントロールもされていないというのがよくわかります。将来に向かって取り返しのつかない被害を出し、有効な対処の手段も方法もなく、いまだに多くの人が犠牲になり続けているわけです。
再稼働とか外国への輸出とか、とんでもないことです。