国家秘密保護法が11月26日、衆議院で自民・公明・みんなの党の賛成で可決されました。みんなや維新との修正合意後の審議は2時間ですから、審議がつくされたとはとても言えません。数の力で議論を押しつぶして強行採決したものとして、この3党、特に公明とみんなの名は覚えておかなければなりません。
法案に対する疑問は、すでに多くの人が指摘しています。さすがに取材と報道の自由が関わることから、大マスコミもよく報道しています。
▼そもそも秘密の範囲があいまいで、何が秘密かも秘密
▼共謀や未遂を罰する規定で、いくらでも「犯罪」の範囲を広げられる
▼秘密の期間はなんと60年、生きているうちには検証できない
▼取り締まる側(権力者)の恣意で拡大解釈され、乱用される
▼国民の言論、報道の自由を奪い、思想統制に活用されてしまう
など、など、書ききれないくらい問題が多い法律です。国民弾圧法です。
福島での公聴会で浪江町の町長が指摘したように、原発事故の際、放射性物質の拡散を予測するSPEEDIのシュミレーション結果は公表されず、より危険な方向に避難してしまう人が出ました。また、莫大な国家予算がつぎ込まれている軍事衛星が写した当時の原発の(おそらくは精細に事故を記録している)写真はいまだに公開されないままです。混乱を招くから…、軍事秘密だから…という理由で秘密にされているわけです。権力はそういう運用をすでにしているのです。
秘密保護法ができれば、たとえばSPEEDIのシュミレーション結果があるということを指摘すること、軍事衛星写真があるのではと調べたり、聞いたりすること自体が処罰の対象になります。
戦前の日本では地図も天気予報も秘密。港を見下ろす場所でスケッチをしていていた小学生までもスパイだとして逮捕され、反戦・平和の思想に少しでも関われば、逮捕され、拷問され、「転向」させられました。再び、そのような暗黒社会を招いてはいけません。
まだ参議院があります。ここで採決させなければ止められます。参議院でも自民党は多数を制していますが、衆議院の採決で、みんなの党に造反者が出て、修正には合意した維新の会が棄権したのは、反対世論の高まりにおびえている証拠です。国民の声がもっと高まれば、自民党の中でもビビる議員が出るでしょう。公明党の議員は宗教上の理由で造反者が出るとは思えませんが、党としてのスタンスが問われれば採決まで強引に突き進むのを躊躇する可能性があります。
カギは世論です。反対を広げるために、ひとりひとりが少しでできることをしたいですね。
秋が深まり、安曇野の里山の木々も色づき始めました。
この牧草地は見晴らしがよくて、好きな場所です。
森のカラマツの黄葉がきれいです。
柿も赤くなっています。遠く鹿島槍はもう真っ白です。
畑では「牧大根」を収穫していましたが、野沢菜もそろそろ収穫時です。