古森病院@福岡市博多区です。
今日は動物による咬傷の話です。
「飼い犬に手を咬まれる」(味方と思っていた人に裏切られること)という諺がありますが、
諺でなく、現実に動物に身体を咬まれたら 皆さんどうされますか?
動物(ヒトを含む)に身体を咬まれたらどうするかって?
舐めた後にアロエでも貼っておけば・・・
いやいや、動物の口腔内は大変に汚いです。
ですので、至急 医療機関に向かってください。
蛇なんかもそうですが、口で毒とか唾液を吸い出すのはやめましょう。
おしっこを傷口にかけたらいいとかいう人もいますが、間違いです。
諸説あるものの、傷口をぶすぶす刺したり、切開するのもやめましょう。
野原などで釘を踏んでしまったりしたときもそうですが
動物咬傷の場合、破傷風という疾患が発症する可能性があります。
破傷風はいったん発症すると8割がたが死亡するという恐ろしい病気です。
破傷風とは
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/466-tetanis-info.html
破傷風は 動物咬傷後、破傷風トキソイドという予防接種というか治療接種にて
発症を予防します。
ちなみに破傷風はDTP(ジフテリア、破傷風トキソイド、百日咳)ワクチン、DT(ジフテリア、破傷風トキソイド)ワクチンとして、
乳幼児および小児の定期接種にすでに組み込まれています。
不活化ワクチンのため、5回打ちです。
このワクチンは保護者が適切に打っていれば、小学校6年生が最終接種です。
母子手帳を確認しましょう。
小学校6年生で打っていれば、その後10年はワクチン効果が持続するといわれています。
しかし、それ以降(すなわち22歳以上)であれば、動物咬傷をはじめ、野外で深い傷を負った場合は
破傷風トキソイドワクチン接種が必要です。
受傷時に破傷風トキソイドワクチンに加え、免疫グロブリン製剤を破傷風発症前に
投与するかどうかは諸説あるものの、現在は以下のガイドラインに沿って行うようにということに
一応なっており、トキソイドワクチンは治療とみなされ、保険適用となっております。
免疫グロブリン製剤の保険適応は 各都道府県レセプト審査委員の胸三寸のようです。
http://idsc.nih.go.jp/iasr/23/263/dj2632.html
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/83/a41b92fa5bbe601d54133342e33fb34e.png)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/ff/89ad381d395aa29085d2234dc32c782b.png)
横に裂けた傷はそのまま洗浄すればよいのですが
咬まれた傷が小さいものの、深く歯が刺さった場合は
ナイロン糸ドレナージという方法が近年 流行っているようです。(夏井睦先生)
http://www.wound-treatment.jp/next/case/440.htm
https://www.m3.com/clinical/sanpiryoron/127087
ちなみに昔は 構わずメスや針などでぶすぶす刺しておりました。
今では推奨されていません。
傷の処置後は
感染に備え、嫌気性菌をカバーするペニシリン系抗生剤投与も行います。
このように結構な大掛かりなことになりますので
たかが咬み傷と馬鹿にせず、受診をお願いします。
事例あり、最近の治療法について改めて勉強しました。
動物咬傷時の手当をはじめ、日本ではいわゆる応急処置教育は
医療界でも長らく軽視されていたのですが(日赤や消防で簡単な講習はありますが、あまり実用的ではありません)
近年ファーストエイド講習として、民間団体主催であちこちで有料講習が行われています。
http://aha-ecc.jp/hs_fa.php(医療従事者向け)
http://www.jsmmed.org/firstaid/fa_index.html(一般市民向け)
管理人は、以前 県の教育委員会に
非常勤技師で勤務していた際に、ファーストエイドは
結構勉強し その時の知識は
一次救急を担う現在も非常に役に立っています。
http://komori-hp.cloud-line.com/
今日は動物による咬傷の話です。
「飼い犬に手を咬まれる」(味方と思っていた人に裏切られること)という諺がありますが、
諺でなく、現実に動物に身体を咬まれたら 皆さんどうされますか?
動物(ヒトを含む)に身体を咬まれたらどうするかって?
舐めた後にアロエでも貼っておけば・・・
いやいや、動物の口腔内は大変に汚いです。
ですので、至急 医療機関に向かってください。
蛇なんかもそうですが、口で毒とか唾液を吸い出すのはやめましょう。
おしっこを傷口にかけたらいいとかいう人もいますが、間違いです。
諸説あるものの、傷口をぶすぶす刺したり、切開するのもやめましょう。
野原などで釘を踏んでしまったりしたときもそうですが
動物咬傷の場合、破傷風という疾患が発症する可能性があります。
破傷風はいったん発症すると8割がたが死亡するという恐ろしい病気です。
破傷風とは
http://www.nih.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/466-tetanis-info.html
破傷風は 動物咬傷後、破傷風トキソイドという予防接種というか治療接種にて
発症を予防します。
ちなみに破傷風はDTP(ジフテリア、破傷風トキソイド、百日咳)ワクチン、DT(ジフテリア、破傷風トキソイド)ワクチンとして、
乳幼児および小児の定期接種にすでに組み込まれています。
不活化ワクチンのため、5回打ちです。
このワクチンは保護者が適切に打っていれば、小学校6年生が最終接種です。
母子手帳を確認しましょう。
小学校6年生で打っていれば、その後10年はワクチン効果が持続するといわれています。
しかし、それ以降(すなわち22歳以上)であれば、動物咬傷をはじめ、野外で深い傷を負った場合は
破傷風トキソイドワクチン接種が必要です。
受傷時に破傷風トキソイドワクチンに加え、免疫グロブリン製剤を破傷風発症前に
投与するかどうかは諸説あるものの、現在は以下のガイドラインに沿って行うようにということに
一応なっており、トキソイドワクチンは治療とみなされ、保険適用となっております。
免疫グロブリン製剤の保険適応は 各都道府県レセプト審査委員の胸三寸のようです。
http://idsc.nih.go.jp/iasr/23/263/dj2632.html
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/29/83/a41b92fa5bbe601d54133342e33fb34e.png)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/ff/89ad381d395aa29085d2234dc32c782b.png)
横に裂けた傷はそのまま洗浄すればよいのですが
咬まれた傷が小さいものの、深く歯が刺さった場合は
ナイロン糸ドレナージという方法が近年 流行っているようです。(夏井睦先生)
http://www.wound-treatment.jp/next/case/440.htm
https://www.m3.com/clinical/sanpiryoron/127087
ちなみに昔は 構わずメスや針などでぶすぶす刺しておりました。
今では推奨されていません。
傷の処置後は
感染に備え、嫌気性菌をカバーするペニシリン系抗生剤投与も行います。
このように結構な大掛かりなことになりますので
たかが咬み傷と馬鹿にせず、受診をお願いします。
事例あり、最近の治療法について改めて勉強しました。
動物咬傷時の手当をはじめ、日本ではいわゆる応急処置教育は
医療界でも長らく軽視されていたのですが(日赤や消防で簡単な講習はありますが、あまり実用的ではありません)
近年ファーストエイド講習として、民間団体主催であちこちで有料講習が行われています。
http://aha-ecc.jp/hs_fa.php(医療従事者向け)
http://www.jsmmed.org/firstaid/fa_index.html(一般市民向け)
管理人は、以前 県の教育委員会に
非常勤技師で勤務していた際に、ファーストエイドは
結構勉強し その時の知識は
一次救急を担う現在も非常に役に立っています。
http://komori-hp.cloud-line.com/