古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

東京医大入試の報道を受けて・・

2018-10-24 09:17:00 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

少し前の話ですが
東京医大入試における多浪生および女子受験者の
合格率の調整操作が
マスコミでかなり大々的に報道されました。

以下引用
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東京医大、女子受験者を一律減点 男女数を操作か
2018/8/2 10:51 日本経済新聞

 東京医科大(東京・新宿)が医学部医学科の一般入試で、女子受験者の得点を一律に減点し、合格者数を抑えていたことが2日、関係者への取材で分かった。
一部の男子学生に加点をしたこともあったという。受験者への説明がないまま、遅くとも2010年ごろに入学者の男女数に恣意的な操作が始まっていたとみられる。


女子受験者の一律減点が明らかになった東京医科大学(2日午前、東京都新宿区)

 東京医大を巡っては、文部科学省の私立大支援事業を巡る汚職事件で、東京地検特捜部が捜査。大学側が同省前局長の息子を不正に入学させたとされている。

 東京医大などによると、医学部の一般入試はマークシート式で機械採点する1次試験(英語、数学、理科)に合格した受験者が、
2次試験(面接、小論文、適性検査など)に進む。その後、学長や教授らでつくる入試委員会が合否を判定する仕組みだ。

 東京医大はマークシート方式の1次試験後に、女子の得点を一律に減点するなどしていた。過去には1次試験を通った現役の男子学生に、
自動的に2次試験の小論文の点数を加点したこともあるという。大学関係者はこうした操作を認めた上で「10年ごろには既に暗黙の了解でやっていた」と話した。

 背景には、大学病院の医師を確保したいという大学側の意思があるとみられる。この関係者は「テストの点数通りにやると女子の合格者が多くなるが、
女子は離職率が高い。どういう学生がいいかという大学としての判断で、(加点は)大学の裁量の範囲内なのではないか」と話した。

 18年度の一般入試では、医学部医学科に男子1596人、女子1018人が受験。1次試験の合格率は男子が18.9%、女子が14.5%となった。
2次試験を経て最終的に合格したのは男子が8.8%、女子が2.9%だった。

 文科省は毎年、国公私立大に入学者選抜について通知を出し、中立・公平に実施することを求めている。何が不正かは具体的に規定されていないが、
同省は「選抜方法を募集要項に記入し、その通りに実施してほしい」としている。大学側には既に、過去6年分の入試が適切に行われたかを調査、報告するよう求めており、
報告内容次第では指導や補助金減額などを検討する。

 東京地検特捜部は7月24日、文科省の前科学技術・学術政策局長、佐野太被告(59)を同省事業の対象校選定で、東京医大に便宜を図った見返りに、
息子を不正合格させたとして受託収賄の罪で起訴。東京医大の臼井正彦前理事長(77)と鈴木衛前学長(69)=いずれも辞職=も贈賄罪で在宅起訴した。

 東京医大の広報・社会連携推進課は取材に「内部調査を行っている状況下であり、適宜結果を公表する」とコメント。
点数操作についても調べており、結果は近く公表されるとみられる。

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東京医大ホームページから

文部科学省大学支援事業と入学試験における不正問題に関する内部調査報告書の受領と本学の今後の対応について
http://www.tokyo-med.ac.jp/news/2018/0807_191427001856.html

内部調査報告書
http://www.tokyo-med.ac.jp/news/media/docs/20180806houkokusyo.pdf


管理人は女性ですが、報道を聞いて「噂レベルだった話に(一部)裏付けが付いた」という印象でした。
しかし管理人が学生だった当時、九州の国立単科大学だった佐賀医大や宮崎医大では入試に面接や小論文があったと思いますが
女子の比率がかなり高い(30~50%)と聞いていましたので、国立大学では入試操作はもしかしたらあまり関係ない話ではないかとも思います。
自分の見てきた範囲で、(自分を含め(笑))女性医師が男性医師に比して格段に能力が高いあるいは低いという印象はありません。能力は性差というよりも
個人的な要因が強いと思います。

今回報道された東京医大は私立大学で、収益をあげるために傘下に関連病院である大学病院分院を複数抱えています。
(国立大学で傘下に大学病院を抱えているところなどありません。国立大学病院はあくまでも研究機関、教育機関としての位置づけで
収支も私立ほどやかましく言われません。)
東京医大の卒業生しか東京医大病院に就職できないというわけではないと思いますし、また東京医大の卒業生は必ず東京医大病院に就職しないと
いけないというわけでもないのに、(東京女子医科大学という大学がありますが、東京女子医大病院はきちんと機能していますし、男性医師もたくさんいます。)
どうして点数操作をするのかは 上層部の好み(理由は不明ですが、男性を取りたいだけ)の問題のような気がします。

今回のことではっきりしたのは東京医大卒業生に限って言えば、少なくともここ10年くらいはペーパー試験上は
男性よりも女性医師のほうがかなり優秀であるということでしょうか。

今から文科省指示で 全国調査が始まるようですが、
報道を見ていると「なんか違和感あるなあ・・・」と思うことが多く、女性医師の端くれとして(笑)記事にしてみました。

追記 何の違和感かというと 出産した女性医師が
フルタイムで働けないのは、男性が育児をほぼ女性に
押し付ける事から派生する問題なのにも拘わらず、
当事者である男性(選考委員)が「オンナは働けないから」と自分達にも責任の一端があることに一切触れずに
女性ばかりに責任を押し付け、またメディアで発言する一部の女性医師も何故か選考委員の肩を持つ構造に違和感を覚えます。

追記終わり


ただ今回の操作は受験生に予め告知されていたわけではないので、該当者が少なくとも損害賠償請求の権利を有することは間違いありません。
弁護団も結成されているようですので、不幸にして該当した可能性がある方は今後のためにも弁護団に相談したほうがいいと思います。

弁護団関連記事
https://www.buzzfeed.com/jp/saoriibuki/tokyomed-sabetsu?utm_term=.bm2VXpEw8r#.gfoNLd42wk


http://komori-hp.cloud-line.com/

追記2

JAMA(米国医師会雑誌、Journal of the American Medical Association)に心筋梗塞の女性患者を女性医師が持った場合に(限って)
死亡率も再入院率も低い。という論文が載ったそうですが、これだけでは医師の性差で能力に差がつくか 何ともコメントできません。

https://healthpolicyhealthecon.com/2016/12/19/physician-gender-and-patient-mortality/

論文全文
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/article-abstract/2593255

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