ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート

「神話探偵団~スサノオ・大国主を捜そう!」を、「ヒナフキンのスサノオ・大国主ノート」に変更します。雛元昌弘

倭語論3 「主語-目的語-動詞」言語族のルーツ

2020-01-25 12:32:57 | 倭語論
 「私はあなたを愛す」と「私は愛すあなたを」「愛す私はあなたを」の語順の違いから日本文化を考えてみたいと思います。日本語は「主語-目的語-動詞」ですが、中国語や英語は「主語-動詞-目的語」、スコットランド・ウェールズ・アイルランド語「動詞-主語-目的語」です。
日本人は倭語(倭音)と漢字・漢語(呉音、漢音)を併用しながら、「主・目・動(SOV)」の語順を変えていません。しかも、基礎言語(身体語や数詞など)が南方系であるにも関わらず中国と南アジア諸国の「主・動・目(SVO)」は継承していません。
 考えられるのは、アフリカの角(ソマリアやエチオピア)の「主・目・動」族が南インド~ミャンマーを経て、わが国に3~4万年前頃に竹筏で「海の道」をやってきた可能性と、アフリカの角から中央アジアに進み、マンモスなどの大型動物を追い、シベリアから北海道に「マンモスの道」を通ってやってきたケースです。
 さらに、3500年前に中央アジアで騎馬による放牧が行われるようになると、「草原の道」を通り、同じ「主・目・動」言語のウイグルやモンゴルなどの諸部族が東進し、満州の扶余族が南下して朝鮮半島に侵入したのは紀元前2世紀頃です。海人族の旧石器3万年・縄文1万年の文化に朝鮮半島の騎馬民族文化の影響はありえません。さらに、倭語と朝鮮語は基礎言語(数詞や身体語など)が大きく異なっており、漢語(呉音・漢音)のような影響は全くありません。朝鮮族がわが国に多く流入したとしても、ほとんどは集団単位ではなく、バラバラと絶え間なく男性が流入し、母系制社会に言語・文化的に同化していったものと見られます。中国系・朝鮮系の弥生人征服など、痕跡はどこにも見られません。
 中国・東南アジア諸国の「主・動・目」言語とは異なるわが国の「主・目・動」言語の文化はどのような特徴があるでしょうか? 自分の次に他者を思い浮かべ、動詞を選ぶという、相手をおもんばかった文化の可能性です。よく言えば他者の「尊重・配慮」、悪く言えば「迎合・忖度・付和雷同」でしょうか。
 今の日朝・日韓対立についていえば、「日鮮同祖論」や「騎馬民族征服説」などに惑わされることなく、互いに異なる歴史・文化を認めあい、「尊重・配慮」を基本に置いた友好関係を築くべきと考えます。同時に、騎馬民族に征服される前の朝鮮半島の海人(あま)族と倭国の海人(あま)族の歴史の解明が求められます。


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