コトバ ひとつ

パート先で、あとちょっとで上がる時間、という時に

ドンガラ　ガッシャーンッ　というすさまじい音が聞こえてきました。

何事　と思って、音がする方に駆けつけると、社員のＡさんが、棚に荷物を挙げたところ、
背中合わせの反対側に置いてあった、液体の商品が、はずみで床に落ちました。
ガラスのビンに入っていた液体の商品は、10本以上割れて、床は水浸し

店長含む社員3人とワタクシともう1人のパートさんと合計5人で、割れたガラスを拾い、
液体を新聞紙で吸い取り、水モップをかけ、空拭きをする、という、30分以上の大作業が始まりました。
もう1人のパートさんは、割れずに済んだ商品が濡れてしまったので、商品をキレイに洗う作業をしていました。

30分以上も、作業をしたんですよ。
その作業中、Ａさん、一言も口を聞きませんでした。
故意にやったことではないのは百も承知。でも、自分がやったことで他人に迷惑を掛けているのですから
「ごめんなさい。」の一言くらいはないのか　と思ったワタクシ。
元々、人付き合いがそんなに上手ではないＡさん。悪いと思いつつも、言葉で表現出来ないのかな、と
思いながら作業に取り掛かっていました。

ほとんど拭きとれて、パートさんの1人が下がって、ワタクシ、まだ空拭きしていました。

とその時、Ａさんの信じられないコトバがワタクシの耳に入ってきました。
「店長～。コレ、どうしたらいいんですか？
こんな置き方するから、商品が落ちるんですよ」
え　ナニ？？？　落ちた商品の置き方が悪いって
自分はこれっぽっちも悪いって思ってないんか～い

店長、「棚のアームが短いから、ここに荷物を挙げる時は気を付けろ、ってオレ言ったよな？」
「いや、これは、置き方が悪いんですって。ちゃんと置いてたら落ちませんよ」

プッチ～ン　ワタクシの頭の血管が切れる音がしました

掃除道具を片付けるフリをして、バックルームに入ったワタクシ。
そこには、一緒に後片付けをしたパートさんがいました。
「聞いてよ　Ａさん、ごめんの一言もないどころか、商品の置き方が悪いって言ってるわよ」
と言うと、パートさんたち、固まりました。
バックルームでパートさんたちで「なぜ、ごめんの一言が言えないのか」と
ちょうど話していたところだったらしい。

誰だって、ワザとやったことじゃないってことぐらい分かっています。
でも、「ごめんなさい。私の不注意で。」「お手数かけます」などのたった一言のコトバで
人は優しい気持ちになれるのです。
それを、「商品の置き方が悪い」だと～
一気に「アンタが悪いんやろ」と怒りを買うだけじゃないか
社会人7年目にして、まだそんなことも分からんのかい

仕事を上がる時に「上がります。お先で～す」と店長に挨拶をしたら
「今日は、大変な作業をしてもらってありがとうね。お疲れ様。」と言われました。
Ａさんに同じように言ったら、「お疲れさまで～す」と言って颯爽と去っていきました。

ワタクシたち、パートは、時間超過の働きをしたわよ　残業代もつかへんのにっ
（ちゃんと残業報告すれば残業代が付きますが、人が良い私たちは残業を付けませんでした）
とパートさんたちの怒りが一層増したのは言うまでもありません。

コトバ　ひとつ。
たった一つの言葉が人間関係を円滑にも困難にもするのであれば、円滑になるように使うべきです。
ま、コトバは気持ちの表れですからね。その人の性格が出てしまいますよね。

ワタクシも気を付けよぉ～っと








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