窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

冬季のケイマフリ(Spectacled Guillemot)

2020-03-04 11:45:56 | 海鳥

野付半島の周辺の海域には冬季、ウミスズメの仲間が多数生息しています。

ただ、カモたちのように海岸近くまではやってきません。沖の方でばらばら

で浮かんでいることが多く、しっかり観察するのが困難な鳥たちです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

       ★ 冬季のケイマフリ(Spectacled Guillemot) ★

ケイマフリは冬季、野付半島の周りではよく見かけるウミスズメの仲間です。

夏季は知床半島や太平洋側の霧多布岬、根室に至る海岸線、国後島、択捉島

などの崖下の岩場の隙間で繁殖しています。

私が霧多布岬で調査をしていた40年前には数百羽のケイマフリが生息して

いました。全身が黒く、飛んで岩場に帰ってくると赤い脚がとても目立って

いました。指の間の膜を広げると光に透け真っ赤になるのが印象的でした。

ケマフレというアイヌ語に由来。「脚が赤い」からつけられた名前です。漁師に

教わった名前にすぐ納得しました。

ハトより少し大きな海鳥ですが、岩場に止まるとペンギンみたいに立つので

大きいとい印象が強かった思いが残っています。

そのせいで冬の海で見るケイマフリは違った鳥に見えます。泳ぐ姿が水平で、

体がぽっちゃりして見えます。夏羽が全身黒く、目の周りから目尻にかけ白い

のが印象ですが、冬は目の周りだけが白く、アイリングになっています。

他のウミスズメと見分けが付きにくく識別しづらくなっています。

運よく岸辺に寄ってきてたケイマフリを見つけました。初めはほんと、なに

ウミスズメか分かりませんでした。じっと動かず見ていると岸辺に寄ってきて

砂浜に上がってくれました。

脚が赤い。他のウミスズメはどれも赤くありません。イメージしたより小さく

見えましたが間違いなくケイマフリの冬羽。

近くで見ることが全くなかったので、しばらく見惚れました。2度とない

チャンスでした。