野付半島の周辺の海域には冬季、ウミスズメの仲間が多数生息しています。
ただ、カモたちのように海岸近くまではやってきません。沖の方でばらばら
で浮かんでいることが多く、しっかり観察するのが困難な鳥たちです。
おばんです。小太郎でごじゃります。
★ 冬季のケイマフリ(Spectacled Guillemot) ★
ケイマフリは冬季、野付半島の周りではよく見かけるウミスズメの仲間です。
夏季は知床半島や太平洋側の霧多布岬、根室に至る海岸線、国後島、択捉島
などの崖下の岩場の隙間で繁殖しています。
私が霧多布岬で調査をしていた40年前には数百羽のケイマフリが生息して
いました。全身が黒く、飛んで岩場に帰ってくると赤い脚がとても目立って
いました。指の間の膜を広げると光に透け真っ赤になるのが印象的でした。
ケマフレというアイヌ語に由来。「脚が赤い」からつけられた名前です。漁師に
教わった名前にすぐ納得しました。
ハトより少し大きな海鳥ですが、岩場に止まるとペンギンみたいに立つので
大きいとい印象が強かった思いが残っています。
そのせいで冬の海で見るケイマフリは違った鳥に見えます。泳ぐ姿が水平で、
体がぽっちゃりして見えます。夏羽が全身黒く、目の周りから目尻にかけ白い
のが印象ですが、冬は目の周りだけが白く、アイリングになっています。
他のウミスズメと見分けが付きにくく識別しづらくなっています。
運よく岸辺に寄ってきてたケイマフリを見つけました。初めはほんと、なに
ウミスズメか分かりませんでした。じっと動かず見ていると岸辺に寄ってきて
砂浜に上がってくれました。
脚が赤い。他のウミスズメはどれも赤くありません。イメージしたより小さく
見えましたが間違いなくケイマフリの冬羽。
近くで見ることが全くなかったので、しばらく見惚れました。2度とない
チャンスでした。