引き続きタンチョウの話。
なわばりを持つタンチョウは毎年、同じ場所に帰ってきて営巣をする場合が多
いです。昨年、1羽のヒナを育て上げた夫婦が今年も同じ場所に帰ってきました。
おばんです。小太郎でごじゃります。
★ タンチョウ親子、のんびり ★
原生林を切り開き、開墾して作られた牧草地は起伏に富んでいます。なだらかな
丘陵地は牧草地にし、谷部や川は周りに林を残してあります。
林の中は湿地が多く残され、タンチョウが営巣するのに適した場所になってい
ます。原生の森だったころはおそらくタンチョウはいなかったはずです。
明治からの急速な開発によりタンチョウの営巣地は消失して、一時は絶滅寸前
まで追い込まれました。懸命の保護活動とともに回復してきて、世界的に有名
なタンチョウの生息地域へと回復してきたことは誇らしいことです。
その間に、タンチョウが環境の変化に適応してきたことが急速な数の増加に寄与
しています。タンチョウたちは牧草地の中に残された谷部の谷地に目を付けた
のです。それまでは海岸線の湿地や河川流域の湿地で営巣してきたのが、原生林
が牧草地に変わったことで内陸にまで棲息地域が広がったのです。
適応放散とよく言われますが、数が増え棲む場所が少ないことから若いタンチョウ
が内陸に移り、牧草地の中の湿地を利用しだしたのです。
農薬が使われない牧草地はミミズやバッタなどが生息し、谷内にはカエルや魚が
います。この親子連れの夫婦はおそらく今年は繁殖をしません。するなら子を追い
払っている時期です。
交尾をする時期です。大地の凍れが強く、解けた雪が水たまりになっています。
のんびりと水を飲み、緩やかな時間を過ごしています。