*********************************
http://xn--gmq27weklgmp.com/2016/11/26/post-5702/
日本の政治崩壊を見せつけた11月25日の衆院厚労委員会
2016年11月26日 天木 直人
安倍政権の破綻は、外交では、習近平の中国と、プーチンのロシアと、そして何よりも米国にトランプが登場した事によって、完全に露呈してしまった。
...しかし、安倍政権の破綻は、内政においてこそ、もっと明白で深刻だ。
きのう11月25日の衆院厚労委員会で年金制度を改革する関連法案が強行採決された。
この関連法案は、年金制度の改革と謳っているが、その実は年金抑制法案である。
読売、毎日、日経、産経はいずれも年金改革法案と垂れ流しているが、朝日、東京、共同(地方紙)は、はっきりと年金抑制法案と書いている。
その内容を見れば。もちろん年金抑制法案が正しい。
世代間の公平化を図ると言う、見え透いた大義名分を掲げて、国民の当然の権利である退職後の生活費支給を削るのだ。
こんなフザケタ、反国民的法案はない。
野党が反対するのは当然だ。
しかし、安倍首相は民進党議員の質問に一切答えず、それどころか、年金改革法案に反対しても民進党の支持率は上がらないぞ、と言い返したのだ。
私はこれを見て、安倍首相は終わったと思った。
暴言の中の暴言だ。
驕りの極みだ。
言うまでもなく、年金問題は安倍首相の鬼門だ。
◆
2007年就任した時、年金問題の対応の不評で選挙に敗れ、腹イタ辞任に追い込まれた。
今度こそ野党は安倍首相を、腹イタでなく、その失政、暴政で辞めさせる時だ。
ところが、いまの政治にそのような緊迫感はまったくない。
「反対しても民進党の支持率は上がらない」という安倍首相の暴言は、これまでの政治では、それだけでも内閣総辞職に値するが、残念ながらいまはそれは当たっている。
民進党が何を言っても、何をやっても、国民の支持が戻ることはない。
安倍首相が解散・総選挙に打って出れば、民進党に勝ち目はない。
◆
それどころか、野党共闘でさえも勝ち目がない。
なぜか。
それは野党が一つにならないからだ。
選挙協力とかオリーブの木とか、およそ国民に通じない、野党と野党政治家の私利私欲から抜け出せない事を言っているようでは、国民の支持が得られるはずがない。
おまけに、野党第一党の民進党と第二党の共産党の間に、イデオロギー対立があるからだ。
志位共産党委員長が「清水の舞台から飛び降りる」覚悟で唱えた国民連合政権にむけて結束するなら、安倍政権と十分に戦える。
しかし、それが無理な事はもはや明白だ。
その一義的責任は、共産党と国政の方針が相いれないと言って拒否する民進党側にある。
しかし、同時に、この期に及んでも共産主義を掲げ、日本共産党の看板を下ろそうとしない共産党の側にも間違いなく責任がある。
すなわち、志位委員長の共産党は、「清水の舞台から飛び降りる」と勇ましい事を言っておきながら、その実、飛び降りていないのだ。飛び降りる覚悟はないのだ。共産党の党勢拡大(劣勢防止)の本音があるのだ。
これでは、民共の共闘はうまくいくはずがない。
倒せるはずの安倍政権を倒せない。
◆
史上まれに見る暴言を繰り返す安倍首相にもかかわらず、いまの野党はそんな安倍首相の首を取れない。
しかし、野党には「年金」という安倍首相にとっての最悪のジンクスを握っている。
いまこそ野党は野党共闘などという中途半端な事にうつつを抜かすのではなく、憲法9条の下に一つの政党になるのだ。
その口火を切るのが新党憲法9条である。
いま世界は歴史的大転換期にさしかかっている。
どの国も、どの指導者も、正し解決を見いだせなまま世界は漂流している。
そんな中で、日本は憲法9条という世界に誇れる確固とした政治哲学を持っている。
そしてその政治哲学こそ、これからの世界が等しく渇望するものだ。
よりによって安倍暴政がそれを捨て去ろうとしている。
この間違いの深刻さを本当に理解する政治家なら、いまこそ憲法9条の下に一つになって安倍首相と立ち向かおうとしないはずはない。
捨て身の姿を見せれば国民分はついてくる。
安倍首相はひとたまりもないだろう。
今度こそ腹痛で逃がすのではなく、国民の怒りで追放し、逃がすことなく首相を辞めた後も責任を取らせるのだ。
それが民主政治というものである。
崩壊してしまった日本の政治を取り戻す唯一の方法である(了)
*********************************
<関連>
安倍政権がTPPに続き年金カット法案を強行採決! 国民の関心が朴槿恵と ...