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生命の泉 九話

2012年01月30日 01時09分50秒 | 僕が書いた小説
見た夢をもとに短編小説なるものに挑戦している。
これはその続きである。

2000年ほど前、ケイタとヒミコの間に生まれたコウトクは陰と光の能力を使いこなせずにいた。
悪魔の化身となったケイタからコウトクは引き離され、ヒミコに育てられた。

ケイタは自らの王国を築くため、命を削り、悪魔の釣り針を生み出した。
人の魂さえも奪えるその釣り針を悩めるものに渡せばどうなるか?
人の欲望は際限がない。数人の魂を奪った人間は欲望の塊と化し、悪魔となる。
そもそも陰を操る神であったケイタは人の心の弱さや悩みといったものに敏感であった。
人間の中で悪のエリートとなりうる二人を見つけたのはケイタにとって大きかった。
タクマとタクミである。彼らは悪魔になると、ケイタの両腕となって働き、次々に悪魔の勢力を増やしていった。

五人の神はケイタを封じ、悪魔を殲滅する方法を話しあったが、犠牲を払わずに済むやり方はなかった。

五人が最も恐れていたのはケイタの血が流れているコウトクが悪の心に支配されることだった。
ヒミコの力をも備えているコウトクが悪魔と化してしまえば、他の神でも太刀打ちできないのは明白だった。

そしてAD200年、悪魔と神逹との全面戦争が幕を開けた。
善き心をもった人々は五人の神と共に戦った。
コウトクは成人になっていたが、ケイタとの接触を恐れ、ヒミコによって牢に監禁された。
それが裏目に出た。母から信じられていないことや牢に入れられてしまったことで心が荒み始めた。
コウトクが悪魔の化身となるのは時間の問題だった。

戦いは7年続いた。もうひとつの世界が生まれ、それぞれの世界に同じ人物が存在し、異なった生活を営むことになったのはこの戦いの産物である。
そして…
五人の神とコウトク、ケイタはどうなったのだろう。
それはまた後に語ることにして、とりあえず現在の話に戻ることにする。

湖に魂が溶け始め、光を発しながら湖は生命の泉となった。
そして、今から信じられない光景を僕は目にすることになる。

リョウの肌の色が緑になり、向こうの世界の神様である龍神へと姿を変えた。

ヤスが騒ぐ。「リ…リョウが化け物になった。」

CHIKARAが言う。
「これで、二つの世界の神がそろったのう。」

湖の向けうから地鳴りがしている。すごい数の敵が近づいてきてるのは誰にでも明白だった。

龍神様が静かに言った。「ヤス、ダイキ、お前達にも実は力を授けてある。力を貸してくれ。そしてもう1人すごい助っ人が来るぞ。」

その時、雷が光った。同時に人影が現れた。
僕は目を疑った。「オーナー…。」

龍神が笑いながら言った。「生命の泉でぼろもうけしたやつが助っ人だよ。すっかり人間になりきってたね。ハハハ。」

CHIKARAが手を振った。「久々じゃの。雷神さん。名前で呼んだほうがいいかな?シマルさん。」

続く…