story・・小さな物語              那覇新一

小説・散文・詩などです。
那覇新一として故東淵修師主宰、近藤摩耶氏発行の「銀河詩手帖」に投稿することもあります。

奇跡おこしてや

2010年12月26日 00時11分11秒 | 詩・散文

腹減ったんや
そやな・・パンが食いたい

人はパンだけで生きるものではない
神の口から出る一つ一つの言葉で生きる

わかっとるわ
そやけど、腹減った今、食うパンがなかったら生きられへんやんけ

パンやのうても、ご飯でもええけどな
魚でもええで

五個のパンと二匹の魚を五千人に分け与えて
みんなが腹いっぱいになって、それでもかごの中にはパンと魚が増えとったちゅうって
そんな奇跡を起こしてくれへんやろか
イエスはん・・

カネないさかい、パンも魚も食えんがな
わし、なんも悪いことしてへんで
わし、なんも間違えたこと、してへんで

水は公園で飲めるけどな
水が酒になったらええのにな

土がご馳走になったらええのにな
「あなたは奇跡を信じますか?」
信じるさかい、なんか食わせてや・・頼むわ神さん

ちょっとの奇跡でええのんやけど
わしに起こしてくれへんか・・神さん、イエスさん、お釈迦さん・・

な、な、腹いっぱいになったらお話でも何でも聞くさかいに
たのむわ・・な・・な・・
神の口から出る言葉はあとでええさかいに
な・・な・・頼むわ

コメント
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