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秋の叙勲、小川啓次郎氏(消防功労)に瑞宝単光章 〈2018年11月6日〉

2018年11月06日 08時30分00秒 | 記事

笑顔で人生を振り返る小川啓次郎氏


 平成30年秋の叙勲で県内から45人が受章した。日高地方からは瑞宝単光章に消防功労で、御坊市藤田町吉田759、元御坊市消防団分団長の小川啓次郎氏(80)が唯一1人選ばれた。約42年間の永きにわたり地域の消防、防災活動に尽力した功績が認められた。伝達、拝謁は11月に順次行われる。

 小川氏は、昭和34年7月、御坊市消防団藤田分団に入団。平成5年に班長、翌6年に部長、12年に副分団長になり、平成14年1月、64歳の時に分団長に就任した。約42年の永きにわたり、地域の消防活動に尽力した。
 42年を振り返り特に印象に残っているのは、昭和49年1月に発生した、スーパー「千寿堂」の大規模火災。正月早々の火災だったが、すぐに全分団が招集された。活動中、小川氏は、近くの店舗の裏に置いていた油の入ったドラム缶を発見。目に付いて確認、すぐに危険と判断し、重いドラム缶を夢中で転がし安全な場所に移動させた。消火にとても時間がかかる中、火が鎮圧状態になったころ、近所の人が労いの声をかけてくれ、餅をいただいたことが記憶に残っているという。
 サイレンが鳴ると仕事中でも現場に駆けつけなければならず、職場の人にはずいぶん迷惑をかけたという。現役時代は胸騒ぎのする夜があり、そんな時は案の定、火災が発生することもあったようだ。「今でもサイレンの音に敏感で気になるが、後継者がしっかりやってくれていると思うと安心できる」と話す。
 小川氏は退団後の平成19年4月、レジオネラ肺炎なり、意識が戻らなくなったことがある。多臓器不全で心臓だけが動いている状態で3カ月が経過したが、奇跡的に一命を取りとめたという。今はこれまでと変わらない生活ができるまで回復している。
 小川氏の話 消防本部から受章の知らせを受けて、夢の中にいるような気持ちだった。驚いて言葉も出なかった。妻をはじめ団員、職場、地域のみなさんに助けていただいた。1人ではなくみなさんの力添えがあったからこそ受章できたと思う。本当にありがたい。


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