薗防災フェスのちらし
近い将来に高い確率で発生するとされる南海トラフ地震に備えて御坊市薗地区で23日、地域住民主導の防災訓練「薗防災フェス」が行われる。薗自治連合会自主防災会の主催で警察や消防、陸上自衛隊など多くの関係機関が協力し、大地震、津波発生を想定した津波避難タワーへの避難訓練をはじめ、各種体験や研修会など実施。スタンプラリーで楽しみながら防災意識を高め、「共助」を深めて命を守る充実した訓練内容とした。地区の防災テーマ「一人の犠牲者も出さない」の実現へ住民が一体となってさらなる防災強化を図る。
地区では2006年の自主防災組織発足と、11年3月の東日本大震災をきっかけに「一人の犠牲者も出さない」をテーマに防災への取り組みを強化。避難タワーの建設や、地域全体で訓練を行うなどソフトハード両面で努めている。特にソフト面では、14年に震度5強の強い揺れに襲われ40棟以上の家屋が全半壊しながら住民の迅速な安否確認と救助活動によって死者ゼロに抑えた長野県白馬村の「白馬の奇跡」をモデルに共助に重点。大災害に備えて共助の力を高めるため、遠足など各種催しを多数実施し住民が交流と親睦を深める機会を提供、住民間のコミュニケーションと連携を強めている。昨年3月にはタワーを活用した大規模な避難訓練を実施し、住民300人が防災意識を高めた。
今回はより多くの人に参加してもらおうと「フェス」というネーミングで実施。市役所や御坊警察署、陸上自衛隊和歌山駐屯所、市消防本部、市消防団、県危機管理局などが協力する。避難訓練は地震・津波発生による最悪の事態を想定し、午前8時30分の放送で住民が一斉に各家庭から高さ11メートルのタワーに避難。現地では災害対策本部を設置し情報、避難誘導、救出・救護、消火、給食・給水の5班が本番さながらに活動し、住民の避難をサポートする。住民はスタンプラリーの用紙にタワー到着までの要した時間を記することで避難時間を確認する。
薗会館周辺での体験コーナーは消火器使用や心肺蘇生法、バケツリレーによる消火訓練、炊き出し訓練、起震車を使っての地震体験など盛りだくさんの内容。炊き出しは無料で振る舞い、自身の健康状態や運動神経を把握してもらうための健康ブースも設ける。避難訓練と体験コーナー両方の参加者にはスタンプラリーで先着200人に非常食「携帯おにぎり」をプレゼント。防災ヘルメットも無償配布する。
防災研修会は地震・津波について学ぶことができ、展示・体験コーナーでは防災・減災の知識を高められる。防災会の酒本和彦本部長は「地区では〝一人の犠牲者も出さない〟を合言葉に防災に取り組んでいる。いざというときのために、地区内外問わず多くの皆さんに参加してもらえれば」と話している。
犠牲者ゼロ実現の訓練に
薗自治連合会自主防災会では、このほど薗防災フェスに向けての準備委員会を薗会館で開いた。
主催の防災会をはじめ、消防、警察、県、市、自衛隊など協力機関から約20人が参加。酒本本部長は「多くの住民の皆さんが、訓練に親しめるようフェスという形で開催します。必ず起こる南海トラフ地震に備えて、住民の皆さん一人ひとりが自助、共助の準備をして、防災意識を高めてもらうための意義のある訓練。多くの皆さんに参加していただく訓練にしよう」とあいさつ。このあとタワーへの避難訓練をはじめ、消火器や炊き出しの訓練、減災教室、健康コーナーなど各種体験コーナーの準備や役割、スケジュールなどについて協議、確認した。
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