名屋地区は名屋公園(写真)に建設
御坊市は、平成28年度に着手した名屋、新町両地区の津波避難タワー建設事業について設計と建設工事を一括発注し、入札方法は業者側が企画提案するプロポーザル方式を採用することを決めた。専門業者による見積額が最大約4億円の大きな開きが生じたことから、入札中止、再設計で完成が丸1年遅れた薗地区津波避難タワーの教訓も踏まえて対応。名屋は30年度完成に向けて12月定例議会に事業費の債務負担行為を上程中。新町は31年度完成をめざす。
名屋、新町両地区は県の南海トラフ巨大地震避難困難地域に指定され、それを解消するため、名屋は名屋公園(980平方メートル、市有地)、新町は小竹八幡神社近くの民間所有地(677平方メートル、購入済み)にそれぞれ建設する。タワー最上部の避難ステージ面積は名屋が避難困難者約370人収容可能な約190平方メートル、新町が約690人収容可能な約350平方メートル。高さは県が公表した南海トラフ巨大地震浸水深予測の名屋7・8メートルより高い10メートル、新町5・6メートルより高い8・5メートルにする。
これに基づき▽階段は1カ所以上、幅員は1・5メートル▽車いすなど要援護者対策でスロープか、それに代わるものを提案▽周辺の景観に配慮(特に新町は寺内町景観に配慮)▽雨天、夜間対策▽目隠しなど近隣住民への配慮▽港湾の津波避難施設設計ガイドラインに基づく構造計算▽南海トラフ巨大地震の揺れ、津波に耐えうる施設▽津波による漂流物対策-などの条件を示して市外の設計、建設専門業者に見積もりを出してもらった。
その結果、高さ10メートルの名屋は1億数千万~5億数千万円と、最大約4億円の大きな開きがあった。新町でも1億円以上の開きがあり、設計と建設工事を分離発注した場合、設計業者と建設業者で資材調達の見積もりに開きが生じる可能性がある。実際に平成27年に完成した薗地区津波避難タワーは、資材高騰等で設計と建設工事の見積もりに数千万円の開きが生じ、入札中止、再設計、2500万円の予算追加と異例の事態が続き、完成が丸1年遅れた経緯がある。
このため、設計と建設工事を一括発注し、入札方法は業者側が企画提案するプロポーザル方式を採用することにした。市当局は「一括発注することで工期短縮にもつながる。地元業者もJV(共同企業体)方式で参加してほしい」としている。名屋は見積額の間をとった2億7400万円を上限とした債務負担行為を12月定例議会に提案している。議会で承認後、年内に全国を対象に事業者を公募し、1月末に1次審査、2月末に2次審査を行い、3月議会で承認を経た上で30年度建設、完成をめざす。新町は30年度~31年度で実施する。
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