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紀州新聞 THE KISYU SHIMBUN ONLINE

和歌山県の御坊市と日高郡をカバーする地方紙「紀州新聞」のウェブサイトです。主要記事、バックナンバーなどを紹介。

御坊市が津波避難タワー建設で設計・建設一括のプロポーザル方式採用 〈2017年12月10日〉

2017年12月11日 08時30分00秒 | 記事

名屋地区は名屋公園(写真)に建設


 御坊市は、平成28年度に着手した名屋、新町両地区の津波避難タワー建設事業について設計と建設工事を一括発注し、入札方法は業者側が企画提案するプロポーザル方式を採用することを決めた。専門業者による見積額が最大約4億円の大きな開きが生じたことから、入札中止、再設計で完成が丸1年遅れた薗地区津波避難タワーの教訓も踏まえて対応。名屋は30年度完成に向けて12月定例議会に事業費の債務負担行為を上程中。新町は31年度完成をめざす。
 
 名屋、新町両地区は県の南海トラフ巨大地震避難困難地域に指定され、それを解消するため、名屋は名屋公園(980平方メートル、市有地)、新町は小竹八幡神社近くの民間所有地(677平方メートル、購入済み)にそれぞれ建設する。タワー最上部の避難ステージ面積は名屋が避難困難者約370人収容可能な約190平方メートル、新町が約690人収容可能な約350平方メートル。高さは県が公表した南海トラフ巨大地震浸水深予測の名屋7・8メートルより高い10メートル、新町5・6メートルより高い8・5メートルにする。
 これに基づき▽階段は1カ所以上、幅員は1・5メートル▽車いすなど要援護者対策でスロープか、それに代わるものを提案▽周辺の景観に配慮(特に新町は寺内町景観に配慮)▽雨天、夜間対策▽目隠しなど近隣住民への配慮▽港湾の津波避難施設設計ガイドラインに基づく構造計算▽南海トラフ巨大地震の揺れ、津波に耐えうる施設▽津波による漂流物対策-などの条件を示して市外の設計、建設専門業者に見積もりを出してもらった。
 その結果、高さ10メートルの名屋は1億数千万~5億数千万円と、最大約4億円の大きな開きがあった。新町でも1億円以上の開きがあり、設計と建設工事を分離発注した場合、設計業者と建設業者で資材調達の見積もりに開きが生じる可能性がある。実際に平成27年に完成した薗地区津波避難タワーは、資材高騰等で設計と建設工事の見積もりに数千万円の開きが生じ、入札中止、再設計、2500万円の予算追加と異例の事態が続き、完成が丸1年遅れた経緯がある。
 このため、設計と建設工事を一括発注し、入札方法は業者側が企画提案するプロポーザル方式を採用することにした。市当局は「一括発注することで工期短縮にもつながる。地元業者もJV(共同企業体)方式で参加してほしい」としている。名屋は見積額の間をとった2億7400万円を上限とした債務負担行為を12月定例議会に提案している。議会で承認後、年内に全国を対象に事業者を公募し、1月末に1次審査、2月末に2次審査を行い、3月議会で承認を経た上で30年度建設、完成をめざす。新町は30年度~31年度で実施する。


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日高附属中学校総合学習総括「日高の魅力を伝え隊」いよいよ最終、対面販売へ 〈2017年12月9日〉

2017年12月09日 08時30分00秒 | 記事

小澤さん(右)の野菜を前に、そろいのハッピ姿の生徒ら

生徒らが手作りした日高紹介冊子
「日高ぶらり旅」


 中学3年間の総合学習の総括として、和歌山とその特産品をPRする企画「日本初中学生が観光大使をやってみた~日高地方の魅力を伝え隊~」に取り組む日高附属中学校3年生は、最終目的の特産品対面販売を翌日に控えた7日、これまで関わりを深めてきた産品提供者らの生産現場をまた訪れ、対面販売で扱う商品の準備を手伝った。

 4人1組に分かれて訪問したのは、レストランあんちん=日高川町鐘巻=や金山寺味噌やまだ=御坊市薗=、野菜や花、ミカンなどの生産農家など10カ所。生徒らはこれまでも各所へ出向いて、産品のできる工程を学んだり、生産者の思いをインタビューしたりしており、訪問は今回で3回目。
 美浜町吉原の小澤勇さん(74)が営む農園を訪れた村田実咲さん、中野吉陽君、湯峯光亮君、中ひよりさんは、対面販売用にこの日収穫したばかりの新鮮な大根や白ねぎ、サニーレタス、小松菜、さつまいも、白菜を小分けし袋詰めして、値札シールを貼るお手伝い。「安心、安全、安くて愛情たっぷり」をうたう小澤さんのそれら野菜をPRする手描きポップも用意してきて小澤さんに見せ、最終確認した。
 生徒らは「できるだけいろんな人に買ってもらい、和歌山のことを知ってもらえれば」。生徒らに販売のおもしろさを知ってもらいたいと、より売れるよう市価の3割安で値段設定した小澤さんは「PRしてくれるのはありがたい。何よりこの子たちが(クラウドファンディングで)広く賛同をもらって資金をつくって、現場を手伝ったりインタビューしたりして農業を理解して、多岐に渡って勉強できた。後継者のいないときに、こうして農業を知ってもらってうれしい」と話した。
 生徒らは8日午前10時から午後3時まで、イオンモール四條津畷店で、10提供者から集めた産品を交代で対面販売。県PRキャラクター・きいちゃんの手描きイラストを背にプリントしたオレンジ色のハッピを着て、大阪の買いもの客に和歌山と特産品を広くPRした。
 対面販売にかかる交通費やハッピなど販促ツールの製作費用は、今夏2カ月間にクラウドファンティングで集めた53万6000円から賄った。目標額60万円に届かなかった部分は、販促用の幟使用を止めたり、クラウドファンディングの支援者へのリターン(返礼品)として制作した手作りの日高紹介冊子のページ数を削るなどして調整した。
 日高紹介冊子は「日高ぶらり旅」をタイトルに、みかんやキュウリ、スターチスの農産品ほか、紀州鉄道、クエ、祭りなど地元の見どころを手描きしたイラストが表紙を飾る。生徒らが特産品生産者や神社仏閣、商店、飲食店など各所を訪ね歩いてインタビューした内容を、写真を添えて盛り込んでいる。


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日高川町の住民基本台帳人口、来年に1万人割れへ 〈2017年12月8日〉

2017年12月08日 08時30分00秒 | 記事

はやそ学園団地は完売見込みになるなど川辺地区では
若者の定住も多い


 町村合併後、日高川町は管内で御坊市に次ぐ人口規模にあるが、合併から13年目を迎える来年中に初めて住民基本台帳人口が1万人の大台を割り込むのが確実な状況だ。合併時は1万1663人だったが、11月末現在で1万46人にまで減少している。8日に開会する12月議会でも原孝文、山本啓司両議員が人口維持に関する質問を予定しており、最重要課題として新たな若者定住施策などへの取り組みに期待がかかる。

 川辺、中津、美山の旧3町村が合併し、新町誕生時は1万1663人だった住民基本台帳人口は、11月末現在で1万46人に減少。年間に100人以上の減少が続いており、来年半ばには大台の1万人を割ることになる。県の人口調査による県下30市町村別の昨年10月から1年間の増減を見ると、日高川町は人口増減数は65人だけの減少で6位にとどまり、自然増減数では15位だが、社会増減数では24人増加の3位と、他の自治体に比べれば、移住施策などが功を奏して人口減に歯止めがかかっている。
 人口の減少とともに危ぐされるのは旧3町村別の格差の拡大。川辺地区は合併時の6996人が6491人への減少だが、2465人だった中津地区は初めて二千人台を割り込む1944人に、美山地区は2202人が1611人まで大幅に減少。いずれも500人程度の減だが、人口割合で見れば中津、美山地区の減少が著しく、町全体の約65%が川辺地区に集中している。65歳以上が人口に占める高齢化率も、新町誕生時は29%だったが、34・4%に悪化。人口減少が大きい中津、美山などの山間部では高齢化も進み、中津は40%を超えて40・5%、美山は48・2%になり、ほぼ半数が65歳以上となるまで高齢化が進んでいる。
 今年5月に町長に就任した久留米啓史町長も5つの公約の1つに「若者定住と人口維持」を挙げ、幅広い分野の企業誘致を積極的に模索し、町内で雇用の場を確保するとともに若者が町に住み続け、Iターン者の移住希望者の支援施策などで人口維持を目指すとしている。就任後、10月からは新規事業で、39歳以下や中学生以下の家族と同居し扶養する人などを対象に、新築住宅取得に最大で130万円を補助する支援事業を導入。来年度以降、さらなる若者定住施策の実施などに期待が寄せられている。


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印南町真妻地区で特産物、千両の切り出し作業続く 〈2017年12月7日〉

2017年12月07日 08時30分00秒 | 記事

赤い実をつけた千両を切り出す中畑さん


 印南町の特産物の一つで、縁起物として正月の飾り物などに使われる千両の荷受けが6日からJA紀州真妻事業所で始まり、栽培農家では切り出しや箱詰めなど出荷作業に追われている。

 約30アールの畑で千両を栽培する同町崎ノ原、中畑隆一さん(65)方では11月26日から切り出し作業を始め、出荷に備え房数や実の粒などで選別する作業に取り組んでいる。荷受け開始に向けて等級別に箱詰めなどを行い、初日の6日に初出荷した。真妻千両部会長の中畑さんは「個人的に見ると今年は夏の気温が高かったことなどから昨年より(収穫量は)2割程度少ないが、色つきは良く観賞を楽しんでもらえると思います」と真妻の千両をPRしている。荷受けは13日まで行い、切り出し作業は前日まで続けられる。
 千両は冬でも葉が青々して、赤い実が温かみを感じさせ縁起物として正月の生け花や寄せ植えなどに用いられる。


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御坊市議会一般質問、伊藤博文(初代総理)書額の文化財指定検討 〈2017年12月6日〉

2017年12月06日 08時30分00秒 | 記事

御坊小校長室に掲げる伊藤博文の書額


 御坊市12月定例議会は5日に再開し、一般質問を行った。トップバッターの松本隆史議員は御坊小学校校長室に掲げられている初代内閣総理大臣の伊藤博文の書額(市所有)の市指定文化財への指定や保存、活用を質問したのに対し、市教育委員会は詳しく調査し、市文化財保護審議会に指定を諮問する考えを明らかにするとともに、市歴史民俗資料館での保存や複製品を作製して御坊寺内町会館等で展示することも検討している、とした。

 伊藤博文の書額は黒塗枠に金箔地和額表装で、当時、和紙より高価だった絹本に墨書され、朱印も押されている。「御坊黌」の文字を右書きし、御坊小学校のための揮毫とみられる。大正期の校長、薗和四郎の孫が存命しており、古くから伊藤博文の書であることが広く知られていたという証言もある。
 平成27年5月に京都美術倶楽部会員の紹介を経て京都市の関係者から「落款と絹本の生地質の調査、書の筆致、他の作品との書風の比較から博文の中年期に書かれた作品であることを断定」との鑑定結果報告があり、真筆であることが判明した。
 幕末の鳥羽伏見の戦いで敗れ、紀州に落ち延びて小松原村の中吉旅館で命を救われた会津藩士で東京高等師範学校(現・筑波大)校長等を務めた山川浩が明治21年に学事巡視で御坊に来ており、この時期に親交のある伊藤博文に依頼して揮毫された可能性が高いとされている。
 松本議員は「大変貴重で立派なもの。市指定文化財として登録するのにふさわしい」と提案したのに対し、森田誠・生涯学習課長は「書の中に御坊の文字があり、御坊にとって貴重なもの。校長室に掲げられることになった経緯等をもう少し詳しく調査した上で、市文化財保護審議会に諮問していきたい」と文化財指定に取り組む考えを示した。また、複製品を作製し「御坊寺内町会館等で複製品を展示することを検討している」と答えた。
 書額の保存については「校長室に掲げられているが、防犯上や書自体の劣化の問題があり、適切な保存方法を検討している。保存場所は市歴史民俗資料館が最も適している」と答弁。松本議員は「歴民館に保存するにしても、本物を見る機会をぜひつくってほしい」との要望には「期間を定めて歴民館で展示することも検討している」と答えた。


山川浩の縁で交流促進期待
来年1月に会津若松市訪問

 中吉旅館で命を救われた山川浩は、明治15年に旅館主人の中野吉右衛門に感謝の手紙と大皿(九谷焼)を贈り、21年に学事巡視で和歌山を訪れた際に中吉旅館を訪問し、会津塗りのわんを贈ったほか、22年に県下一円で発生した大水害の見舞い状、見舞金を贈るなど交流を続けた。
 この品物が、戊辰150周年を記念して来年1月に「中吉旅館子孫一同」から会津若松市に寄贈される予定で、松本議員は「150年前のご縁を生かし、会津若松市との交流につなげてほしい」と求め、柏木征夫市長は「御坊、日高の人情の厚さをつくづく感じる話。会津若松市に寄贈する際は、本市も同行したい。それなりの人を派遣する。交流については今後、会津若松市とのお話になってくる」と答えた。


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日高医師会創立70周年記念式典「良質な医療提供へ精進」 〈2017年12月5日〉

2017年12月05日 08時30分00秒 | 記事

70周年の節目を祝いさらなる活躍へ乾杯


 日高医師会(髙辻幹雄会長)の創立70周年記念式典は2日、みなべ町の紀州南部ロイヤルホテルで開かれた。会員をはじめ、県内医療関係者や日高郡市首長ら約60人が出席した。髙辻会長は「脈々と伝わる伝統の〝和〟の精神を受け継ぎ、一致団結して地域住民の皆さまに良質な医療を提供できるよう精進する」と地域医療の維持・発展、地域住民の生命と健康を守る使命に決意を新たにした。

 祝賀会で髙辻会長は「戦後の復興期から現在に至るまで、地域医療活動の拠点として、地域住民の健康を守るという使命を全うしてきた。会員一丸となり地域医療の向上にまい進してきた。そこにはいかなる厳しい環境の中でも粉骨砕身の努力を惜しまなかった先輩方の足跡がある」と70年の歩み振り返った。直面している少子高齢社会に対し、地域包括ケアシステム、地域医療構想といった新たな医療提供体制が進められるなか、「かかりつけ医を中心とした切れ目のない医療・介護体制作りが求められている」といい、「これからの激動の時代に向けて臨機応変に柔軟に対応しながら足元を見据えて一歩一歩確実に歩みを進めることが重要と考えている。一致団結して良質な医療を提供できるよう精進する」と述べた。県医師会の丸笹雄一郎監事が県医師会寺下浩彰会長の祝辞を代読。柏木征夫御坊市長は「御坊市は全国で病院数も医師数も極めて多く、住民にとって医療への心配がない地域。この体制を維持してほしい」、郡町村会長の森下誠史美浜町長は「地域住民の健康をさまざまな形で背負っていただいていることに感謝する。さらなる活躍と発展を」、野尻孝子県福祉保健部健康局長は「地域での役割は多大。住んでよかったと実感できる郷土日高にしたいので今後ともさらなる協力を」と感謝と期待の言葉を贈った。日高歯科医師会の柏木健生会長の発声で乾杯し祝宴がスタート。和気あいあいと節目を祝った。
 祝賀会に先立ち、宗教学者で国際日本文化研究センター名誉教授、山折哲雄さんによる特別記念講演が行われ、「日本人の死生観~高齢社会を迎えて~」をテーマに聴いた。


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御坊市実施計画、消防司令センター整備に3億円 〈2017年12月3日〉

2017年12月04日 08時30分00秒 | 記事

策定委員会で実施計画を採択


 御坊市総合計画実施計画策定委員会(会長・柏木征夫市長)が、総合計画後期事業計画(2016年度~20年度)に基づき、18年度から20年度までの3年間で着手、実施する88事業を採択した。新規事業は市消防本部高機能消防司令センター総合整備事業や市立給食センター改修事業、食育推進事業、産前・産後サポート事業、市道改修事業の5件。前年度までに採択されたものの未着手の事業は5件あり、財源確保や内容を検討している。

 新規事業のうち、市消防本部高機能消防司令センター総合整備事業は、現在の消防緊急通信指令システムは02年度に整備し、15年が経過。11年度に情報系装置の部分改修で運用しているが、コンピューターの老朽化や性能低下などで今後、緊急通報受信、出動指令、無線通信等に支障を来すことが懸念されるため全面更新し、市民からの緊急通報、現場活動に万全を期す。事業費2億9800万円、19年度実施予定。
 市立給食センター改修事業は、03年度稼働後14年が経過し、施設や設備の経年劣化が進み、故障も増えており、18年度から3カ年計画で厨房機器設備更新、外装改修工事を予定。事業費は1億7197万円。厨房機器設備は食缶洗浄機、食器洗浄機、コンテナ消毒保管機、コンテナ洗浄機で計1億3770万円。外装改修は3427万円。
 食育推進事業は、18年度に食育推進協議会を設置して食育推進基本計画を策定する。教育現場における食育活動として小中学生に食に関する講義や実習、啓発等を行う。
 産前・産後サポート事業は、妊婦や生後6カ月ごろまでの子どもをもつ母親が週1回集まれる集団参加型の妊産婦サロンを開設。18年度から市福祉センターで開き、専門スタッフ(保健師か助産婦)が相談にのり、短時間の講話や骨盤ケア、ヨガなどを行いながら仲間づくり、交流の場に活用する。
 市道改修事業は採択したが、財源確保が課題のため実施時期は再検討とした。


屋内練習場や防災拠点整備
採択済みも着手時期は未定

 前年度までに採択された御坊総合運動公園市民野球場屋内練習場整備、防災拠点施設建設、市庁舎改築など5件は、財源確保や内容の検討が必要で着手時期等は決まっていない。
 屋内練習場は他地域の例では面積約1600平方メートル、事業費約3億円。場所は運動公園内で確保できる見通しで、財源確保も含めて整備計画を慎重に検討。
 防災拠点施設は市消防本部が津波対策で海抜約20メートルの高台にある藤田町の北吉田住宅団地用地に通信指令機能やヘリポートなどを備えた非常時の代替え施設建設を建設。総事業費は約4億円を予定。
 庁舎改築は市民懇話会や議会特別委員会の意見を聞き、着手時期等を決める。
 市営住宅マスタープラン作成は紀小竹、庚申町、富安各団地の建て替えプランを作成。すべて建て替えとなると数十億円が必要のため、着手時期等は未定。
 勤労青少年ホーム改修は実施時期を調整中。


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御坊市新庁舎懇話会「現在地」「移転」の両論併記へ 〈2017年12月2日〉

2017年12月02日 08時30分00秒 | 記事

浸水予想高3・5メートルは議会棟下(写真右側)の
天井部分とほぼ同じ


 御坊市新庁舎建設市民懇話会(会長・塩路泰弘御坊商工会議所専務理事)は30日、市役所で3回目の会議を開いた。焦点の建設場所については前回の委員会で「現在地での建て替え」を前提に議論を進める意思統一を図ったが、この日は浸水区域外や高台への移転を強く求める意見が出されたため、前提は崩れ、意見は交錯状態。懇話会は意志決定する場ではないため、柏木市長に提出する報告書は「現在地」と「移転」の両論併記の方向となった。

 前回の委員会で複数の委員から「建設場所を決めないと議論が進まない」との意見が出され、市当局が提示した「現在地での建て替え」以外に、有力な候補地がないことから現在地を前提に「どのような防災対策が必要か、最低限必要な庁舎機能は何か」などを議論することで意思統一を図ったが、この日は南海トラフ巨大地震の津波浸水区域外や高台への移転を強く求める意見が出され、議論は振り出しに戻った格好。
 南海トラフ巨大地震の浸水予想高は3・5メートルと予想されており、現在地で建て替え時は3・5メートル以上の地盤かさ上げやピロティ形式などの津波対策が必要になるため、複数の委員から「がれきによる津波火災の心配はないのか」「現在地で安全が担保されるのか。市民にきちんと説明できるようにしないといけない」と安全性に疑問の声が出され、津波浸水区域外のJR御坊駅周辺、あるいは北塩屋地区の高台にある青踏女子短期大学跡地を候補地に移転すべきと主張した。
 大津波警報時の防災対策拠点は湯川中学校を想定し、浸水区域外の北吉田住宅団地用地に市消防本部の通信指令機能やヘリポートなどを備えた非常時の代替え施設を建設する計画があることから現在地派の委員から「庁舎は避難拠点にしたらいい。市民の命をいかに守るかが大事」「現在地に庁舎があれば助かったのにということにならないかが一番怖い」との意見に、移転派の委員から「庁舎を移転させ、現在地に避難タワーを建設すればいい」「防災機能を備えた庁舎がベストだ」との反論があった。
 また、東海・東南海・南海3連動地震では浸水しない想定を念頭に「過去に旧御坊町内が津波で大きな被害を受けた記録はない」。市役所周辺には福祉センター、御坊商工会館、中央公民館(図書館)市民文化会館、商店街などがあり「平常時の利便性を重視すべき」との意見に対しては「東日本大震災を教訓にすべき。万が一のことを考えるのが行政の役割だ」と主張。建設場所をひとつに集約するのは困難で、報告書は「現在地」「移転」の両論を併記する方向となった。
 かさ上げについて執行部は「3・5メートル程度なら工法的に可能」と報告。津波火災では専門家から「階段状にかさ上げし、がれき対策を行えば防げる」との意見があったほか、現在地に建て替える際は「庁舎周辺には電柱を建てないようにすべき」「熊本地震では同じ震度でも地盤の状況によって揺れが異なった。最新の知識、技術を取り入れた対策を講じてほしい」との要望もあった。次回は新庁舎に求める機能や設備を中心に議論を行う。


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御坊市本町商店街で紀州鉄道「キハ車両」16日オープン 〈2017年12月1日〉

2017年12月01日 08時30分00秒 | 記事

16日にオープンする「キハ車両」


 御坊市の本町商店街振興組合(坂井和夫代表理事)が、紀州鉄道紀伊御坊駅近くの踏切そばにある本町3丁目商店街の空き地(元ガソリンスタンドほか約240平方メートル)で、同鉄道から譲り受けた廃車両「キハ603」を保存活用する整備工事は順調に進み、16日オープンが決まった。商店街の活性化、まちおこしのシンボルとして持ち帰り(テイクアウト)の2店が出店し、子ども文庫を設置するほか、各種展示やイベントなどを行い、世代を超えた地域交流の場に活用する。
 
 本町商店街の活性化シンボル、世代を超えた地域交流の場にしようと、空き地にレールや砕石を敷き「キハ603」を置いて車両を保存。車両内は改装し、半分を持ち帰りの店(たこ焼き店、丼物店)が出店し、残りの半分は地域住民が交流できるコミュニティースペースとして本棚を置いて絵本やマンガ、単行本などを揃え、絵本の読みきかせや各種作品展なども行う。
 キハ車両は塗装や内装作業を行い、前面2枚窓の金太郎塗り(カーブの付いたVの字の塗装)、緑色とクリーム色の往年の姿が復活し、11月4日に移設し、現在はスロープ設置などを進めている。5台分程度の駐車スペース、トイレもある。キハ市などイベントやクリスマスなどで車両をイルミネーションで飾ったり、商店街で特典が受けられるサービスも考えている。
 16日午前10時からオープニングセレモニーを行い、坂井理事長があいさつ、来賓が祝辞を述べ、施工の(株)サンクリエーション=角幸彦代表取締役、薗=に感謝状を贈呈したあと、テープカットでオープンを祝い、餅まき(90キロ分の餅、お菓子)を行う。丼物店は牛すじ丼(通常価格390円)を100円、たこ焼き店はソースマヨ8個入り(通常価格300円)を100円で、それぞれ先着100食販売するほか、市内外の6店・事業者が物産販売を行う。商店街で使えるクーポン券(1枚100円)も配布する。
 事業費は1830万円(うち国補助1201万円、市補助295万円)。キハ603は昭和35年製のディーゼル車両で長さ20メートル、幅2・7メートル、高さ3・6メートルで定員120人(座席数76席)。昭和50年に紀州鉄道が大分交通耶馬渓線より購入し、延べ走行距離76万キロ、延べ約331万人が利用したが、老朽化等で平成24年に廃車になった。


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