花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

湯ノ丸高原の池ノ平湿原を歩く

2010年08月02日 | 登山

コースは、コマクサ峠の池ノ平駐車場→村界の丘→雷の丘→雲上の丘→見晴岳→
三方ヶ峰→鏡池→分岐→湿原内の木道を通って出発点に戻った。

コマクサは、三方ヶ峰と見晴岳の尾根に自生する。
但し保護のため鉄製の柵に囲まれている。(一時期、盗掘の被害にあったらしい)

北軽井沢のN先輩のセカンドハウスに泊めてもらい、7月19日には本白根山に
行き、二日目の7月20日には、湯ノ丸・高峰高原に二人で行った。

池の平に行ったのは、私に見たい花があったからだが、残念ながら花が終わった後で
見る事が出来なかった。

湯ノ丸高原の地蔵峠から、池ノ平湿原に行く林道は、土日・祝日はシャトルバス
が運行して、マイカー規制が有るので、夏休み期間は注意が必要。
平日も、時間制限が有るので東御市のHP等で調べると良い。

林道のゲートが開くのが7時半と言うことで、ゆっくり出発。
池ノ平の駐車場に着いたのは、8時半を過ぎていた。
まだ車は7~8台しか駐まっておらず、料金を徴収する係員が、「どこでも好きな所に
駐めて良いよ。」と言うので、上に上がる階段の近くに駐めた。


階段を上がると観察指導員の詰め所があり、その前の東屋が登山口である。
そこから村界の丘を目指して、緩やかな登山道を登っていく。


貴重な野草が、伸びきった草むらに埋もれるようにして咲いているから、先輩のNさんも
注意深く辺りを見ながら登っています。


あまりにも普通に咲いているので、見逃してしまいそうなシロバナハナニガナ
天気が良すぎて白飛びしてしまったが。


雑草の中でも目立つ黄色は、マルバダケブキ(丸葉岳蕗)漢字で書いた名前のように
葉が丸くて蕗に似ているが、標高の高い山に咲くので岳蕗と呼ばれる花。
キク科メタカラコウ属


最初、何の花か判らなかったが、クワガタソウに似た花は何ですかとお会いした
観察指導員の方に聞いたら、「グンバイズル」だろうとの事だった。
後で「浅間・軽井沢自然観察ガイド」を見たら、長野と群馬県等のごく限られた
地域に分布する絶滅危惧種と判った。

グンバイズルの名前は、実が軍配の様な形で、茎が蔓のように地上を這うので
名付けられたという。


こちらの花も、実は地域限定の花で、北海道の一部と、宮城県。群馬県、長野県にのみ
隔離分布する「シャジクソウ(車軸草)」
名前は、細長い葉っぱが、車軸のように放射状に付くことに寄る。
と言っても、若い人には判らないだろうが、昔、公家などの身分の高い人が乗った
牛車の車軸に似ていると言われている。
マメ科シャジクソウ属


見晴岳に通じるこのコースは、見晴歩道と呼ばれているが、この時期に来ると圧倒的に
多いのがアヤメ。
アヤメは水辺に咲く花と誤解されているが、実は多湿な場所が嫌いで、乾燥した草原に
咲く花である。
内側には、内花被と呼ばれる花びらが3枚立っている。
外側には、外花被と呼ばれる花びらが3枚下に垂れ下がるように開く。
この外花被の基部にある模様が網目模様で、黄色い斑が入る。
アヤメ=文目とは模様を差す言葉なので、それが名前の元になったのかも。

この外花被に覆い被さるように突き出ているのが3枚の花柱で、すなわち雌しべの
一部である。


アヤメがワレモコウと草原で咲き競っている。


もうピークを過ぎたテガタチドリが、草原の中に数多く咲いている。

やがて尾根のピークに達すると、そこが「村界の丘」で、村界の丘のピークは
やや右に登った上に有る。
しかしコースはそこで行き止まりで、見晴歩道は左向かって尾根を歩く。

いかにも夏場には恐そうな「雷の丘」を越えて、このコースの最高峰である
雲上の丘を目指して行く。
そこは、右も左もアヤメの大群落で、思わず見入ってしまう光景である。


池の平方向を見ても、アヤメの大群落があり、遙かに池ノ平の開口部に霧が
立ち登っているのが見えた。


シュロソウや


グンナイフウロを眺めながら上り詰めると


そこはこのコースの最高峰「雲上の丘」2110メートルである。
石の多い、やや平坦な場所で、廻りに遮る物がない絶好の展望地である。
条件が良ければ、北アルプスや富士山も一望のもとに見渡せるお薦めの場所である。


静岡から来たと言うグループの撮影を頼まれて、奮闘するN先輩。
ブログに載せても良いよと言われたのだが、全員の許可を確認していないので
サムネイル画像として掲載します。

地元の山の紹介ありがとうこざいました。
ブログを介してお礼申し上げます。

続く