花と山を友として

何よりも山の花が好き、山の景色が好き、山で出逢う動物が好き、そして山に登る人が好き。
写真と紀行文で綴る山親父日記

日光月山に雪が舞う・その2

2011年05月02日 | 登山

栗山ダムサイトの駐車場


ガソリンスタンドから元来た道を引き返し、自在寺のところで左折して
日陰牧場を通り栗山ダムを目指す。
舗装されているが、風や雨で木の枝や葉っぱが堆積している細い道を
曲がりくねって登る。
あちらこちらに、落石が散乱している。
林道では、これが一番怖いが、自分ではどうしようもないから
当たらない事を祈るしか無い。

途中に「ここは大笹牧場では有りません」と言うような、注意書きが出ている
大笹牧場と間違って来る人がいるんだろうか。思わず苦笑してしまう。

日陰牧場の第一ゲートが閉まっていたので、開けて車を入れ、また閉めて
通る。(放牧した家畜が逃げないように必ず閉めるのがマナー)

夫婦山(めおとやま)の登山口をすぎると、700メートルのトンネルがあり
登山者も通るので、ライトを点けて慎重に通過する。


夫婦トンネルは人も通るので要注意

トンネルを抜けるとまもなく栗山ダムサイトの駐車場に着く(最初の写真参照)
一般車は、ここから先には入れない。ここから歩いて月山に行く。

ロックヒルダムと呼ばれる石積みのダムで、トイレや東屋もある。

トイレには「月山の香和家(かわやと読むのだろう)」と書いてある。

「かわや」というトイレを差す言葉を、若い人は知らないかもしれない。
「かわや」という呼び名の語源には、二つの説があるそうだ。
一つは、水の流れる溝の上に、板を渡して屋根をかけ、そこを便所と
して利用した「川屋」に由来するという説。いわば天然の水洗トイレである。

もう一つは、母屋のそばに、便所を建てるのが一般的だったので「側屋(かわや)」
と呼ばれたのが始まりとする説である。(語源由来辞典サイトから引用加筆)

筆者の田舎でも、古い家では母屋の外に便所が有ったから「側屋」の
説に近いかもしれない。
久しぶりに懐かしい言葉に出会った。


栗山ダムサイトから眺める女峰山、良く見ると中腹の左端に、六方沢橋が見える

ダムサイトから舗装された林道を歩くと、途中で二つに分かれるが
左はダムの湖岸を通って行くルートで、道はあまり良くない。
ここは右の道を通って「バーベキュー広場」と呼ばれる登山口に向かう。


道路の脇では、唐松の新芽が風に揺れていた。
盛り上がったおむすびのような形が可愛い。
コーナーをいくつか曲がって、やがてバーベキュー広場に着く


バーベキュー広場、バーベキューの催しが有るときは草が刈られる

目の前の山が月山の尾根で、鎖場コースはここに降りてくる。
満開時期は、アカヤシオで赤く染まる。
だが、スタンドで聞いたように、花はほとんど咲いていなかった。

鶯がしきりにさえずっていたが、空はどんどん灰色の雲に覆われていく


広場の入口のすぐ左手が登山口で、ロープが張ってある笹の急登で
滑りやすい。

笹道を登る「西尾根登山口」・ここを登ると頂上まで60分の表示がある。


ツツジの多い笹原の尾根を登ってゆくと、ちらほらとアカヤシオが咲いているが
数は少ない。


根っこが絡み合う登山道・互いに支え合っているのだろうか。


やがて左の開けた小ピークから、栗山ダムの全景を眺める


栗山ダムの左後ろには夫婦山(めおとやま)がそびえている。


登山道の所々に、霜柱が残っていた。
が私は寝不足がたたって、汗だくであった。


尾根の小ピークを越すと、ダムの湖岸に抜けるコースの分岐がある。


頂上直前のピークの一角に、高原山がよく見える場所がある。
だが残念ながら、曇り空に覆われてかすんでいた。


やがて月山の頂上に着いた。
そこは狭い山頂で、三角点と石の祠がまつられている。


山頂の石の祠


とりあえず山頂で記念撮影していたら、いきなりぱらぱらと雪が降り始めた
そういえば、先ほどから野鳥の声が聞こえなくなっていた。
(じじいの顔を見たくないでしょうから多少ぼかしを入れました(笑))

とりあえずカメラにレインカバーをかぶせ、レインウェアの上着だけを
すぐ着れるようにザックの一番上に入れ直した。

見渡すと女峰山の山頂から、右の奥鬼怒にかけて濃い雪雲が広がっていた。
しかし寒さはそれほどでもないし、雪も強くならないので、昼食を摂ることにした。
シートを広げてゆっくり、雪の中の昼食を楽しむ。


頂上付近のアカヤシオの蕾、咲くのが楽しみなくらい沢山の蕾がついていた。
そういえば、ガソリンスタンドのご主人が「八潮つつじは、霜にやられるとだめだ」
と言っていたから、霜が降りないこと祈りたい。


西尾根鎖場コースの下山口

ちょうど150度の方向に、筑波山が見えるのだが、今日は生憎の天候で
影も形も見えない。
やがて、下の方から女性の登山者の声が聞こえてきた。
数名のグループらしい。
狭い頂上を明け渡すため、手早く支度して、西尾根鎖場コースを
下山することにした。


左下に今市ダムが見える尾根を歩く。ここも両側にアカヤシオの花が咲き
花のトンネル歩きが楽しめる場所だ。


岩をよじ登ったり


つららの下がる崖下を迂回したりして、スリルに飛んだコースを楽しめる。


やがてコース上に枯れ木を横たえた通行止めになったら
左にテープの目印がある迂回コースに入る。


迂回路は急な下りで滑るので注意が必要、慌てずに降りよう。

やがてこのコースの展望台ともいえる岩場がある。

ただし、ご覧のように狭いし、つかまる木も無い、風が強いときは
登らない事、下は断崖絶壁で非常に危険です。


押し合いをしているような木を眺めたりして進むと


今市ダムのよく見える場所に出る。


ふと今市ダムの右前方の山を見たら、アカヤシオが咲いている。
見とれていたら、後方から女性グループの声が聞こえてきた。


その先のバーベキュウ広場への下山路を下っていると
ショウジョウバカマが咲いていた。

(この下山路に降りる分岐には、何も表示が無いので注意が必要)


途中に、鎖場もあるが、注意すればそれほど厳しいコースではない。


ハーベキュー広場に無事下山したら、そのまま右に回り込む
直進するとコンクリートの水路があり、水が流れていると渡れないからだ。
回り込んだらキクザキイチゲが咲いていた。


このトンネルの様な場所に出たら、水路を渡れるので、ここから
駐車場に戻る。

駐車場に戻ると、数台の車が駐まっていた。
東屋の近くで、食事を楽しんでいるグループも有った。
皮肉なことに、薄日も差し、雪がやんだ。

私はこの後、高原山の尚仁沢湧水に行き、シロバナエンレイソウの
写真を撮ってきた。
尚仁沢入口では、アカヤシオが散っていた。

終わり。