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栗山ダムサイトの駐車場
ガソリンスタンドから元来た道を引き返し、自在寺のところで左折して
日陰牧場を通り栗山ダムを目指す。
舗装されているが、風や雨で木の枝や葉っぱが堆積している細い道を
曲がりくねって登る。
あちらこちらに、落石が散乱している。
林道では、これが一番怖いが、自分ではどうしようもないから
当たらない事を祈るしか無い。
途中に「ここは大笹牧場では有りません」と言うような、注意書きが出ている
大笹牧場と間違って来る人がいるんだろうか。思わず苦笑してしまう。
日陰牧場の第一ゲートが閉まっていたので、開けて車を入れ、また閉めて
通る。(放牧した家畜が逃げないように必ず閉めるのがマナー)
夫婦山(めおとやま)の登山口をすぎると、700メートルのトンネルがあり
登山者も通るので、ライトを点けて慎重に通過する。
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夫婦トンネルは人も通るので要注意
トンネルを抜けるとまもなく栗山ダムサイトの駐車場に着く(最初の写真参照)
一般車は、ここから先には入れない。ここから歩いて月山に行く。
ロックヒルダムと呼ばれる石積みのダムで、トイレや東屋もある。
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トイレには「月山の香和家(かわやと読むのだろう)」と書いてある。
「かわや」というトイレを差す言葉を、若い人は知らないかもしれない。
「かわや」という呼び名の語源には、二つの説があるそうだ。
一つは、水の流れる溝の上に、板を渡して屋根をかけ、そこを便所と
して利用した「川屋」に由来するという説。いわば天然の水洗トイレである。
もう一つは、母屋のそばに、便所を建てるのが一般的だったので「側屋(かわや)」
と呼ばれたのが始まりとする説である。(語源由来辞典サイトから引用加筆)
筆者の田舎でも、古い家では母屋の外に便所が有ったから「側屋」の
説に近いかもしれない。
久しぶりに懐かしい言葉に出会った。
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栗山ダムサイトから眺める女峰山、良く見ると中腹の左端に、六方沢橋が見える
ダムサイトから舗装された林道を歩くと、途中で二つに分かれるが
左はダムの湖岸を通って行くルートで、道はあまり良くない。
ここは右の道を通って「バーベキュー広場」と呼ばれる登山口に向かう。
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道路の脇では、唐松の新芽が風に揺れていた。
盛り上がったおむすびのような形が可愛い。
コーナーをいくつか曲がって、やがてバーベキュー広場に着く
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バーベキュー広場、バーベキューの催しが有るときは草が刈られる
目の前の山が月山の尾根で、鎖場コースはここに降りてくる。
満開時期は、アカヤシオで赤く染まる。
だが、スタンドで聞いたように、花はほとんど咲いていなかった。
鶯がしきりにさえずっていたが、空はどんどん灰色の雲に覆われていく
広場の入口のすぐ左手が登山口で、ロープが張ってある笹の急登で
滑りやすい。
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笹道を登る「西尾根登山口」・ここを登ると頂上まで60分の表示がある。
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ツツジの多い笹原の尾根を登ってゆくと、ちらほらとアカヤシオが咲いているが
数は少ない。
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根っこが絡み合う登山道・互いに支え合っているのだろうか。
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やがて左の開けた小ピークから、栗山ダムの全景を眺める
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栗山ダムの左後ろには夫婦山(めおとやま)がそびえている。
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登山道の所々に、霜柱が残っていた。
が私は寝不足がたたって、汗だくであった。
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尾根の小ピークを越すと、ダムの湖岸に抜けるコースの分岐がある。
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頂上直前のピークの一角に、高原山がよく見える場所がある。
だが残念ながら、曇り空に覆われてかすんでいた。
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やがて月山の頂上に着いた。
そこは狭い山頂で、三角点と石の祠がまつられている。
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山頂の石の祠
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とりあえず山頂で記念撮影していたら、いきなりぱらぱらと雪が降り始めた
そういえば、先ほどから野鳥の声が聞こえなくなっていた。
(じじいの顔を見たくないでしょうから多少ぼかしを入れました(笑))
とりあえずカメラにレインカバーをかぶせ、レインウェアの上着だけを
すぐ着れるようにザックの一番上に入れ直した。
見渡すと女峰山の山頂から、右の奥鬼怒にかけて濃い雪雲が広がっていた。
しかし寒さはそれほどでもないし、雪も強くならないので、昼食を摂ることにした。
シートを広げてゆっくり、雪の中の昼食を楽しむ。
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頂上付近のアカヤシオの蕾、咲くのが楽しみなくらい沢山の蕾がついていた。
そういえば、ガソリンスタンドのご主人が「八潮つつじは、霜にやられるとだめだ」
と言っていたから、霜が降りないこと祈りたい。
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西尾根鎖場コースの下山口
ちょうど150度の方向に、筑波山が見えるのだが、今日は生憎の天候で
影も形も見えない。
やがて、下の方から女性の登山者の声が聞こえてきた。
数名のグループらしい。
狭い頂上を明け渡すため、手早く支度して、西尾根鎖場コースを
下山することにした。
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左下に今市ダムが見える尾根を歩く。ここも両側にアカヤシオの花が咲き
花のトンネル歩きが楽しめる場所だ。
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岩をよじ登ったり
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つららの下がる崖下を迂回したりして、スリルに飛んだコースを楽しめる。
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やがてコース上に枯れ木を横たえた通行止めになったら
左にテープの目印がある迂回コースに入る。
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迂回路は急な下りで滑るので注意が必要、慌てずに降りよう。
やがてこのコースの展望台ともいえる岩場がある。
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ただし、ご覧のように狭いし、つかまる木も無い、風が強いときは
登らない事、下は断崖絶壁で非常に危険です。
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押し合いをしているような木を眺めたりして進むと
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今市ダムのよく見える場所に出る。
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ふと今市ダムの右前方の山を見たら、アカヤシオが咲いている。
見とれていたら、後方から女性グループの声が聞こえてきた。
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その先のバーベキュウ広場への下山路を下っていると
ショウジョウバカマが咲いていた。
(この下山路に降りる分岐には、何も表示が無いので注意が必要)
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途中に、鎖場もあるが、注意すればそれほど厳しいコースではない。
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ハーベキュー広場に無事下山したら、そのまま右に回り込む
直進するとコンクリートの水路があり、水が流れていると渡れないからだ。
回り込んだらキクザキイチゲが咲いていた。
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このトンネルの様な場所に出たら、水路を渡れるので、ここから
駐車場に戻る。
駐車場に戻ると、数台の車が駐まっていた。
東屋の近くで、食事を楽しんでいるグループも有った。
皮肉なことに、薄日も差し、雪がやんだ。
私はこの後、高原山の尚仁沢湧水に行き、シロバナエンレイソウの
写真を撮ってきた。
尚仁沢入口では、アカヤシオが散っていた。
終わり。