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最近、京都の歴史というか、
京都という街の奥深さといったもの
を痛感する書物に出会った。
それは、瀬田勝哉さんという
日本中世史の研究者の書かれた、
「洛中洛外の群像~失われた中世京都へ~」、という本。
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増補 洛中洛外の群像―失われた中世京都へ (平凡社ライブラリー) 価格:¥ 1,785(税込) 発売日:2009-01 |
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洛中洛外図そのものを対象としているというより、
洛中洛外図に描かれているものに触発されて、
ある特殊なテーマに沿って
当時の京都の街の様子を説き起こす
(内容自体は洛中洛外図とは、あまり関係がない)
といった小論が多い。
洛中洛外図が描かれた時代の京都に関する
さまざまな論考を集めた論文集、とでも云えようか。
本書には、そうした論文が13収められているのだが、
いずれも、現在の京都とかかわりなどで
興味の尽きない内容のものばかり。
たとえば、
- かつて、五条橋の下にあったという中島について書かれた、「失われた五条橋中島」
- 今も三条通りにある弁慶石があの場所に鎮座するまでの経緯を探った、「弁慶石の入洛」
- 以前、本ブログでもとりあげた、今谷明さんの、「京都・1547年~描かれた中世都市~」の結論に関する、反証を試みた、「公方の構想~上杉本・洛中洛外図の政治秩序~」
- オモテ(ハレの世界)を描いたものが多い洛中洛外図の中で、珍しく京都の街のウラ(ケの世界)を描いたと云われる、町田本・洛中洛外図について考察した、「ウラにそそぐ眼~町田本・洛中洛外図の都市感~」
- 亀屋陸奥の松風という京菓子の歴史について考察した、「飢饉と京菓子~失われた創業伝説~」
などなど。
学術論文なのだろうが
当時の京都の街がイキイキと描写されていて、
読者を中世の京都にタイムスリップしたような気分にさせる
歴史小説のような不思議な本だ。
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そこで 吉田神社近くの菅神社では節分の折に懸想文のお札が 昔の格好で2日間売られるそうですので 京都に移住されたらお出かけ下さい。
それを年頃のお嬢様がおいでの方に差し上げると喜ばれるそうです。
今日はその様子が描かれた軸を見せていただきました。
茶会の待合の掛け物になるそうです。
古美術のお勉強もなさっているのですか。ひいらぎ様の行動力には、いつも圧倒されますね(しばらくお便りなかったものですから、お風邪でも召されたのか、と案じておりました。お元気そうでなによりです)。
須賀神社で懸想文お守りを授与する様子を描いた古い絵というのは、面白そうですね。あの行事は随分古くからあるらしく、今でも、水干烏帽子姿で授与されるらしいですが、ひいらぎ様がご覧になられた絵は、いつ頃の作なのでしょう ?
とてもいいかたですから 売れていなければ見せていただけると思います。
ひいらぎは茶会を催したり 客として伺ったり大忙しでした~!おまけに母校の同窓会誌の編集もありました。ようやく終了です。
マンションでの自治会新年交流会での茶会では 私は「吉兆のささやき女将」をいたしました。おかげで点前をされた皆様はお客様から「点前をされたのは皆さん先生ですか?」と言われたくらい 皆さん落ち着いて点前をされました。
友達の茶会は祇園の古い旅館の茶室であり 江戸時代からの茶杓を拝見できました。その旅館の前は何度も通っていましたが中に入ったのは初めてです。
京都ってこうやって ちょっとした旅館にもすばらしい茶室があるのですね。
まだまだ知らないことばかりです。
ワクワクしますねえ。
私たちが今眼の前にしているのは、2009年の京都ですが、その現在の京都には、須賀神社の懸想文のお守りのように、平安時代からの古式を伝える行事や、骨董、茶室、寺社などのかたちで、時間の記憶が何層にも重なっており、本当に興味の尽きない街、まさに大人のワンダーランドですね。
それにしても、ひいらぎ様、八面六臂の大活躍ですね。
まだまだ寒い日が続きます。御身体には、十分ご留意くださいませ。
(追伸)
「吉兆のささやき女将」、最初は意味がわからなかったのですが、何度も読むうちに、情景がマザマザと浮かびあがりました。随分面白い表現ですね。