日日の幻燈

歴史・音楽・過ぎゆく日常のこと

【note】「三成出陣式」に馳せ参じ候こと

2016-03-05 | 三成に寄す



「近江の将 石田三成出陣式」に参陣してきました。

戦国・安土桃山時代の武将・石田三成をもっとよく知ってもらおうじゃないか…という趣旨のイベントで、大河ドラマ「真田丸」放映に合わせて、三成のご当地・滋賀県が強力なバックアップをしています。

場所は東京駅のお隣、KITTE。
12時から1時間ほどは、大河ドラマ「真田丸」で三成を演じる山本耕史さんの出演イベントとのことなので、きっと混雑するに違いないと読んで、時間をずらしての参陣でした。いわゆる遅参ってやつ。
ちょうど、三成に関するクイズが始まったところでしたが、けっこう難問でした。



三成に関するパネル展示はちょっと少なかったでしょうか。まぁ、いろいろとこれからでしょう。
会場では滋賀県の物産の販売も行われていて、ちょうど醤油を切らしていたので、醤油とお茶を購入。



遅参した私にも殿は寛大で、それどころか一緒に写真を撮っていただいたのでした。ピースなんかしている場合じゃないだろう…。



会場は吹き抜けになっていて、2階、3階、4階…にもけっこうな人だかりでした。
誰だ?お目当てはひこにゃんだろ?なんて、無礼なことを言うやつは!

…って、ひこにゃん、いたんだ?

あれ、ひこにゃんって、冷静に考えると敵方じゃない?



会場では、クリアファイルやちょっと手の込んだパンフレットが無料で配布されていました。



そうそう、この飴も無料配布です。なんか、もったいなくて食べられないなぁ…。



今後、滋賀県を中心にさらにイベントを開催していくようです。
今こそ、いわれなき汚名を雪ぐ絶好の機会。やはり大河ドラマの影響は大きいということでしょうか。



でも、さすがに滋賀県まで参陣するのは、ちと蓄えが足りぬようでござる…。


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【note】「石田三成×滋賀県」ポータルサイト開設!

2016-02-15 | 三成に寄す



「真田丸」で山本耕史さんが演じる石田三成。三成の出身地、滋賀県が「石田三成×滋賀県」のサイトを立ち上げました。恐るべし、大河ドラマの威力。
ここ数年、三成の再評価(というか美化もしくはイケメン化)の機運が高まってきているのは感じているのですが、三成悪人論が当たり前のポジションだったことに慣れてしまっている私としては、なんだかこそばゆいというか、居心地があまりよくないというか。

それはそれとして。

つい先日も、三成悪人論は徳川幕府が作りあげたといったテレビ番組が放映されていましたが、家康はじめ、徳川幕府上層部は、それほど三成に対して悪感情は持っていなかったのではないかと思うのです。
家康は、三成の遺児たちを助命していますし、水戸黄門は、「三成が徳川家に刃向ったのは、主君である豊臣家に忠義を尽くしたからであって、けして悪人というわけではない」と言っているようです。

むしろ、徳川様の天下を謳歌した江戸の庶民たちが、天下泰平を乱そうとした三成は悪い奴だったに違いない…といった風潮を醸成したのではないかなぁ…なんて。草莽の歴史家たちもそんなところだったかと。

三成の再評価が始まっている。

私が密かに注目しているのは、

千利休が主人公の小説や映画において、三成が敵役を免除される日が来るのか?

ということ。
これが叶うようだと、本当の意味で三成再評価の流れが出てきているんだなぁ…と実感できるのですけどね。まだまだ、ごく一部の小さな波といった感じがぬぐえないのでした。
ガンダムのシャアのように、かっこいい敵役ならいいのですが、三成の場合は、水戸黄門の悪代官なみの描かれ方ですからねぇ。


頑張れ、三成!
行け行け、滋賀県!


ところで、今回の三成と滋賀県のコラボ。
「真田丸」で三成は、幸村に親しい立場、善玉として登場することが大前提になっているようですけど…大丈夫?


「石田三成×滋賀県」 ポータルサイト


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【三成論】「妖怪ウォッチ」に三成参上!

2015-03-08 | 三成に寄す

お子様たちに大人気の「妖怪ウォッチ」。
ゲームから始まり、アニメでも大いに人気を博しているようです。
昔、鬼太郎、今、ジバニャン。

そんなアニメ・妖怪ウォッチの第47話「軍師ウィスベェ」(2014年12月12日放映)。
なんと我が三成が登場していたそうです。
私は妖怪ウォッチを見ているわけではないので、たまたまネットで知ったわけでして。
ウィスパーという妖怪が、実はその昔、ウィスベェと名乗り(?)石田三成に憑りついていたという話なのですが、もともとがギャグアニメなので、暗~い怨念みたいなそんな感じではなかったようです。
というか、子供向けのアニメなのに、この回は「大人の妖怪ウォッチ」として、とくに関ヶ原でウィスベェと三成が別れる場面は泣けるとか。ただし、子供が見て面白かったのかは微妙らしい。
ということで、「大人の妖怪ウォッチ」だったようです。

以上、ネットより。
検索してみるとなかなかイケメンの三成画像に会えます。
オープニングに大一大万大吉がドーン!って感じで出てきました(らしい)。

よしよし。

妖怪ウォッチにまで登場した三成。
子供から洗脳していけば、のちのちの三成評も変わってくるかな。
もちろんいい方向へ。

しかし意外なコラボでした。

見たかったなぁ…。


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【三成本】「黄金の日日」(城山三郎)

2015-02-22 | 三成に寄す


■黄金の日日
■城山三郎
■1978年
■新潮社

戦国・安土桃山時代の堺の商人・呂宋助左衛門が主人公。

「戦国の争乱期、南蛮貿易によって栄える堺は、今井宗久。千利休ら不羈奔放な人材によって自治が守られ、信長や秀吉たちもその豊かな富に手を出すことができなかった。今井家の小僧、助左衛門は危ない仕事を何でも引きうけることで戦国武将たちの知遇を得、大船を仕立てて幾度か呂宋(ルソン=フィリピン)に渡り巨利をなす。-財力をもって為政者と対峙し、海外に雄飛していった男の気概と夢」(背表紙解説より)


大河ドラマ「黄金の日日」の原作。この大河で三成に出会った私にとって原点ともいうべき1冊です。
今回、久しぶりに読み返してみましたが、大河版と城山版で随分と人物設定に違いがあるのに驚きました。前に読んだときは気にならなかったのかどうか…そこまでは覚えていないのですが。
主人公助左衛門はまぁ良いとして、その脇を固める登場人物。

いつも助左衛門とつるんでいた鉄砲の名手・善住坊。
大河では、気が弱くて、お人好しで、愛嬌たっぷりで、癒し系って感じ。騙されて信長を狙撃し鋸引きの刑に処せられますが、その最期の場面の助左衛門とのやりとりは、涙を誘う物語前半のクライマックスのひとつでした。
ところが城山版では、無口な狙撃手。ハリウッド映画に出てきそうな大物を狙うスナイパー。そんな描かれ方。しかもとくに活躍の場が描かれるでもなく、序盤に早々に退場。助左衛門も人伝に善住坊の処刑を聞いたにすぎないのでした。

助左衛門と行動を共にするもうひとり、石川五右衛門。
大河では、ダンディで、ニヒルで、冷酷で、でも心の奥には自ら殺めた恋人モニカのことなど、苦悩を背負って生きている。伏見城に押し入り釜茹での刑に処せられる最期の場面。モニカに導かれるように青い空に解放される五右衛門の表情には、幼いながらもぞくぞくしたのを覚えています。
そんな五右衛門が城山版では…戦場へ金目のものを略奪に行っては腰を抜かして動けなくなり、その都度助左衛門に助けられるというていたらく。人を信じないというのは大河と同じですが、城山版では威勢のいいことを言う割には肝心な時に役に立たない、どこか愛嬌のある町のチンピラ風な描かれ方。ああ、五右衛門のイメージが…。

大河と城山版で最も人物設定が違うのが今井兼久(宗薫)。
大河では、ことあるごとに助左衛門と対立し、邪魔立てをし、ネチネチと虐め抜く、陰険な憎まれ役。偉大な父・今井宗久の子としての重荷と反抗心からグレてしまう人間ぽさもあったものの、物語の中では完全な敵役。
そんな彼なのですが、城山版では助左衛門の旧主としていろいろと相談に乗ってやりアドバイスしてやるという、仲間うちといった設定。これはあまりにもギャップが大きすぎる。
きっと大河では秀吉以外にも敵役を探す必要があったのでしょうね。しかも、秀吉は前半は好人物で、天下人になるにつれてイヤ~なじいさんになっていくという設定から、物語前半の敵役が他に必要だったのかと。そして白羽の矢が立ったのが兼久。損な役割を与えられてしまったわけですね。あくまで想像ですけど。

さて我が三成。
大河での颯爽とした三成と、ほぼ同じような描かれ方をしています。主人公の暴走ぶりをあえて見逃してやり、ピンチになると密かにバックアップして救ってやるという、物語には欠かせない保護者的な存在。大河もほぼこの設定に沿いつつも、ガラシャとの叶わぬ淡い恋などオリジナルを加えて、さらに三成の人間ぽさを出しています。どちらかというと無感情的な描かれ方をすることが多い三成なので、こういう色恋沙汰の味付けも新鮮だったりします。


原作とドラマと、そのギャップからどっちが好きだとか嫌いだとか、よく論争になっていたりしますが、この「黄金の日日」に関しては人物設定に違いがあっても、両方ともOK!的な私なのでした。


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