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日日の幻燈





八王子市の産千代稲荷神社で行われた長安祭にお邪魔してきました。
現在の八王子市の基礎をつくった大久保長安の命日(4月25日)にあわせて、例年4月に、長安の陣屋があった産千代稲荷神社で慰霊祭が催行されています。



ところで、大久保長安って誰?という人も多いでしょうから、簡単に解説を。
…と言っても、実は私もほとんど知らないので、手元の資料やネットの情報をまとめてみました。

猿楽師の家に生まれた大久保長安(1545-1613)は、最初は甲斐武田氏、武田氏の滅亡後に徳川家康に仕えました。家康にその才能を認められ、関東・奈良・岐阜などの幕府直轄領の代官として民政にあたり、「天下の総代官」とも称されました。かなりの権勢を誇ったようです。
また佐渡や石見などの金山・銀山の経営にも手腕を発揮しました。彼のもと、新技術の導入などにより金銀の産出量は激増し、幕府の財政を潤すことに大いに貢献しました。
戦場で華々しい活躍をみせる武将というより、優れた民政官・官僚といったイメージですね。

ただ、彼の死後、生前に不正疑惑ありとされ、彼の子供7名は死罪、その権勢と名声は地に堕ちました。この一件、真相は闇の中で、幕府内の権力闘争の結果などと言われていますが、いずれにしろ、長安のイメージと知名度がイマイチな大きな要因でもあります。

そんな長安が陣屋が構えたのが、産千代稲荷神社のある場所。秀吉の関東征伐で荒廃した八王子を再建し、甲州街道沿いに宿場を整備しました(八王子十五宿)。これが現在の八王子市の繁栄へと繋がっていきます。ということで八王子と長安は切っても切れない縁なのですね。



11時過ぎに着いたのですが、鳥居の横でのお囃子が祭りを盛り上げていました。そういえば、ここ2年程、各地でコロナの影響でお祭りは軒並み中止、あるいは縮小開催なので、この雰囲気に触れるのも久しぶりです。
まずは本殿にお参りして、それからグッズを買って、境内にある記念館を見学。地元の建築屋さんが収集した大工道具の墨壷がたくさん展示されていました。装飾にかなり凝ったものもあり、インテリアとしても飾ってもいいなぁ…思いました。

さて、何か長安に関しての展示があるかな?と期待していたのですが、残念ながらそれはありませんでした。気づかなかっただけ?ただ、記念館の壁には長安を題材にした大きな版画が掛けられていました。



神社内外には多数の地口行灯。夜には点灯されるそうです。手作り感がいいですね。明かりが灯ればそれは壮観でしょうね。来年は夕刻に来てみようかな。



購入した絵葉書。記念館に飾られている版画の5枚セットで、「長安公と産千代稲荷」と書かれた和紙に包まれています。



そしてクリアファイル。大久保長安のクリアファイルって、ここだけ?かなりのレア感が。通常のクリアファイルより大きめのサイズで、持ち手があり、ファイルっていうよりクリア袋?


そんな感じで、初めての長安祭でした。
これから大久保長安については、いろいろ勉強していきたいと思っています。なにしろ現在の八王子を築いた郷土の英雄。もっと注目されてもいいと思うのです。早速、彼に関する本を2冊買いました。なかなか難しそうな本ですが、彼の汚名を雪ぐためにも、頑張って読破するぞ!



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