セレンディピティ日記

読んでいる本、見たドラマなどからちょっと脱線して思いついたことを記録します。

勧めるわけでないけど議会改革の確実な方法

2010-08-07 15:45:16 | 名古屋
名古屋の河村市長が市議会解散の住民直接請求の署名活動を今月末から始めるそうだ。住民直接請求が成功したら、河村市長も市長を辞職して来年2月の愛知県知事選挙日に知事・市長・市議会議員のトリプル選挙を行うとのことである。河村市長が辞職して同時に市長選を行うのは議会との対決雰囲気を高揚させ反市議会の勢力の多数当選を目指すためと思われる。

しかしインターネットの「名古屋市政ウオッチ」をみたら、市議の周りでは市民は選挙に飽きているから直接請求は成功しないとの見通しらしい。僕は直接請求が成功して市議選後の新議会で市議定数の大幅な削減と市議のボランティア化が実現してほしいと思っているが、やはり直接請求が成功するかは疑問だ。しかし僕のような市職員だった人間は、河村市長に賛成だろうが反対だろうが市民の雰囲気とは別の世界にいたので市民の心底を見誤る傾向があるので実のところはわからない。ただ署名活動家の熱意と作戦が大きな要素になると思う。

もし直接請求が成功しても、市長選では反市長派は肩透かしをして対立候補を出さず、まあ共産党は律義(?)に候補を立てるので無投票にはならないがほぼ無風選挙化する。市議会選挙も多くの区では定数が多いので、市長派がいくつか議席を取っても、過半数は旧来の議員が占めることになって、以前とかわらないのではないか。そうなると議会改革ができなくて、そうこうするうちに市長派で当選した議員も報酬と好待遇に安住し既得権擁護の職業議員化するものも出てくるのではないか。

そこで河村市長はどうすればよかったかの思考実験。「よかったか」といっても、直接請求が成立しなかったらこの方法をとるという選択肢もでてくるかもしれない。ただしこれは正しい道ではないのでお勧めするわけではない。

鹿児島県阿久根市の竹原市長が市議会を招集せずに、市長の専決処分により市議の報酬の日当化条例を公布した。専決処分というのは本来議会の議決を要する事案を、何らかの事情により議会にかけることができない場合、市長が独自に決めて、のちに議会の承認を得るというもの。ここの眼目は、専決処分は市長が決めたときから効力が発生して有効であるということ。もちろん市議の報酬というものが専決処分に適さないが、それで無効ということにはならない。

さて、市議会は、直接請求による解散とか市議会の自主解散の他は、任期切れによる解散がある。まあこれが一般的。衆議院解散みたいに議会開会中でなければ臨時国会を召集するという必要はない。さて任期満了による市議選の場合2011年4月の第1日曜日になると思われる。選挙の告示は3月末か4月初め。市議会は3月18日(金)が2月定例会の最後。そこでだ、もし河村市長が専決処分で3月21日(月)ごろに、議員定数半分の市議会定数条例を公布したらどうする。それは有効で次の選挙、つまり4月の市議会選挙から実施される。市長派はその新定数と区割りにあわせて候補者を立てることができる。これなら市長派は過半数を取ることが可能だ。1人区が多くなるうえに1人をめぐって既成政党は分裂するのだから。かくて4月の新議会で河村市長の専決処分は承認されて、めでたしめでたしとなる。