瀬戸内は世界に誇る造船産業の集積地。大型のタンカーや自動車運搬船から観光船や警備船艇まで、ありとあらゆる船が生まれています。
島々にはドックをはじめ大小の関連工場、ドック専用の船着場、従業員寮などが点在。地域経済も造船を抜きに語れません。それだけに、世界経済の動向や為替相場、中国や韓国の造船企業との競争などによって、何度も好不況の波に浮き沈みさせられてもいます。
そんなことを考えながら光る海、漁港、レモン畑などを歩いて画題を取材するとともに、こんな風景も絵にしました。
ドックから出る廃品の一時保管場所でしょう。船をつなぐ太いロープ、船体を岸壁などとの接触から守ってきた大型タイヤ、塗料の空き缶、アンカー、暖を取るため使った古いドラム缶・・・。
一つひとつの果たしてきた役割を思い浮かべつつ描いた20号の作品です。
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