この人生、なかなか大変だぁ

日々の人生雑感をつれづれに綴り、時に、人生を哲学していきます。

あなたはお墓ありますか?

2010-08-05 16:11:05 | つれづれ記
7月中旬の琉球新報に「16市町村墓地制限へ」という一面大きく記事が出ていた。本来「墓地埋葬法」では墓地を取得し管理する「墓地経営」について都道府県知事の許可が必要としており、その際公益性や永続性が求められ、同法の施行細則のなかでは経営主体を原則として地方公共団体や宗教法人、公益法人に認めているという。
ところが独特の葬送文化をもつ沖縄では、家族墓や門中墓などの個人墓地が認められてきた。2010年3月末現在、県内の許可墓地8,540件のうち8,430件(98%)を個人墓地が占めているとのことである。

この結果、個人墓地が無秩序に散在し、継承者不在や無縁故の墓地や墓が増加して、区画整理や道路整備などの土地利用計画に支障が出ているとこれまで指摘されてきた。
平成12年に策定された「県墓地公園整備基本指針」により、県知事にあった許認可権が市町村へ委譲が進められ、09年から本年度にかけて17市町村に委譲されたという。
これにより、「墓地禁止区域」等が設けられ、今後まちづくりの妨げになる墓地の乱立を規制する動きが進んでくるだろうと記事は伝えていた。

この記事で沖縄独特の問題なのだとわかった。
確かに沖縄では国際通りのすぐ裏にいくつも墓が立っているし、那覇大橋を渡れば泊の方の高台の斜面一面にお墓が連なっている。北部に行くと道路脇に大きな墓が続いていたりする。本土のように特定の墓地に囲い込まれていないから人目につくのである。
これまでのような無秩序ではあちこちお墓だらけになってしまうから、今後かなり制限されてくることは予想される。

先祖をみんなで供養するという沖縄の風習はいい感じだし、お墓に親戚郎党が集まって先祖を肴に親睦を深めるというのも悪くないが、今、少子化や嫡男が生まれないことからトートーメー(仏壇)の跡継ぎ問題は深刻化しているのだ。女性でも仏壇を持てるようにしようという意見も出てきている。
仏壇やお墓を子々孫々に強制するのも心苦しい気がするのだ。まだ先祖様にはなっていないが「いいよ、無理しないで」と偉そうなことを言ってしまいそうになる。

じつは、母方の伯母夫婦が六年ほど前に相次いで亡くなった。ふたりには娘三人がいてそれぞれ嫁ぎ先で仏壇を持っていた。そのため伯母夫婦はふたりで相談したのだろう亡くなる前にキリスト教の洗礼を受けていたのである。教会に葬られたらそこでずっと面倒見てもらえるから娘たちを煩わすことがないと考えたのである。
最近では散骨葬や特定の墓を持たない合葬というものがあるようだ。お寺が経営するものだったと思うが、それほど高くないお金を払って、みんなのお骨、赤の他人も一切合財一緒にして、定期的に供養してもらうシステムのようである。
だいたいは身寄りのない者、子どもたちと縁が切れた人であり、わたしの伯母夫婦のようなケースもあるが、なかには息子嫁に遠慮している者もいるようだ。

何か寂しい気はするが新しい文化・風俗の発現と考えれば、それも仕方ないことなのかもしれないし、ちょっと乱暴な言い方かもしれないが、立派なお墓を建てようというのは、今生に対する未練ではないかと思う。人生を全うさせた自信があれば墓なんか無くたっていいのではないか。合同墓でも全然構わないし、散骨して世界中がお墓だと考えるのもいい、河原のわずかな石積みが墓でもいいと言ったら、「ええかっこしい」と言われてしまうかな。
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