この人生、なかなか大変だぁ

日々の人生雑感をつれづれに綴り、時に、人生を哲学していきます。

「アヒラートゥーエー(アヒル取り合い)」は動物虐待か?

2023-07-21 14:20:00 | 意見がありますけど
旧暦5月4日(ユッカヌヒー)に糸満ハーレーが行われる。毎年夏至に当たり、ハーレー鉦(かね)が鳴ると梅雨が明けると昔から言われている。今年は6月21日だった。
豊漁と航海の安全を祈願する祭りで、爬龍船(はりゅうせん)で競漕をする。
その時にアヒル取り競争というのが行われるらしい。(わたしは初耳だったが)
港内にアヒルを放ち、そのアヒルを泳いで取り合うというものである。今年は二人の若者が参加していたらしい。

1970年代に沖縄で調査を行った国立民族学博物館の君島久子名誉教授によると、14世紀以前、600年以上にわたる歴史的行事とのことである。
おそらく水かきがついて泳ぐのが得意なアヒルにあやかって航海の安全と豊漁を祈念する行事だったのだろう。海の神様への感謝をこめたいけにえである。
中国の文献にあるということから中国から沖縄に伝わった風習だろう。

その行事について、動物愛護を謳うNPO法人から刑事告発を受けていると、昨日(7月20日)の羽鳥慎一モーニングショーで放送していた。
告発をしたのは東京にあるNPO法人「アニマルライツセンター」で、糸満ハーレーの行事委員会の委員長のほか、「アヒラートゥーエー(アヒル取り合い)」に参加した2人を、動物愛護法に違反するとして沖縄県警察本部に刑事告発したというのである。

沖縄県庁における会見(7月10日)で代表理事らは、港に放ったアヒルを捕まえる行為でアヒルがけがをする可能性がある。さらに、アヒルに恐怖を与えていてるなど、動物の虐待にあたると主張しているようである。
これに対し糸満ハーレー行事委員会の東恩納博委員長は、「参加者には、水中で首をつかまないなど、丁寧に扱うよう呼びかけているほか、捕まえたアヒルがけがをしないよう、柔らかい素材のかごを配布するなど、虐待にならないよう心がけている」と話しているようだ。

ところが最後に委員長は、「その後、みんなでおいしく頂いている」と明かしたのである。
そう、沖縄ではアヒル汁を食べるのだ。
風邪などひいたときにアヒル汁を食べる習慣がある。(わたしはまだ食べたことはないが)喘息や貧血にも効果があると言われている。
梅雨明けから夏に向かって、土用ウナギのように滋養にあふれた栄養源として行事化したのではないだろうか?
無理やり捕まえているだけでなく、食べていると知ったらNPO法人の面々は怒り狂うかもしれないね。

このような動物愛護団体や言葉狩りの主張に偽善的な匂いがして仕方ないのは、わたしだけだろう?
彼らは蚊に刺されたらどうするのだろう?叩き殺さないで、そのまま吸わせているのだろうか?
ゴキブリはアースジェットで殺さないのだろうか?虫は「無視」とは言わないで欲しい。
ちょうど今(8時45分)、ZIPのワゴンの旅で明石の干しダコを紹介していた。
タコのアタマを裏返しにして広げ、U字型の枠にかけて干している。
残酷だからやめろと言うのか?
「みだりに動物を虐待することのないように」というのが動物愛護法の基本原則らしいが、「みだり」というのはどこで線引きできるのだろうか。
かようにこの問題は難しい。

7月10日の朝までに行事委員会のもとに、中止を求めるはがきやメール、それに電話などが合わせて986件寄せられていたらしいが、そのほとんどが県外からのものだったという。
東恩納委員長は、「地元の人やハーレー行事委員会でやめてくれという意見がほとんどを占めるんだったら、当然、やりません。しかし、地元の人たちがこれだけ楽しみに待っている行事ですので、大切に受け継いでいって、後世にバトンタッチできるようにやっていくというのが大きな使命だと感じています。その方向で一生懸命取り組んでいきたいなと考えています」と決然と答えているから、行事委員会に迷いはないようだ。

無責任な外野の声には軽々に応じてはならないと思うよ。

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