「こんにゃく問答」という落語がある。
久しく無人となっていた寺に、
ある流れ者が住み込むことになった。
寺に住むということは当然、住職をつとめる、と
いうことなのだが、
この男は道楽者の成れの果て、お経のひとつも
読むことができない、インチキ坊主である。
なぜこんな男が住職を勤められるのかというと、
誰も住むものがいないのでは寺は荒れるばかり、
これではいけない、体面上、住職は . . . 本文を読む
京都龍安寺の庭は、日本が誇るべき、日本の精神文化の
象徴として世界に広く知られているが、
これはかつて、彫刻家イサム・ノグチが、
「無を表現するにはこれだけの石が必要なのです」
という、ある仏教哲学者の言葉に感銘を受け、
この庭を外国(特にアメリカ)に広く紹介したためである。
実は、この仏教哲学者は、
西洋哲学に非常に大きな影響を受けていた。
西洋の思想を「有」の思想、東洋の思想を「無」 . . . 本文を読む