静かな場所

音楽を聴きつつ自分のため家族のために「今、できることをする」日々を重ねていきたいと願っています。

大阪からの帰りの電車内

2009年08月05日 23時55分53秒 | Dialy
ショックな、あまりにショックな事実を知った今朝の我が家でしたが、なんとも仕方のないことでした。
突然、さっきまでの「当たり前」が消えうせる、なんとも、その残酷なこと。

でも、それは今は置いといて・・・・先日の大阪からの帰りの電車でのことを。


夏休みに入ったということもあり、近鉄鶴橋駅は、ふだんよりもごった返していました。
松阪行きの最終特急のチケットは売り切れとの案内が出ていました。
ホールを出た後、すぐに携帯でチケット・レス購入を済ませておいてよかったです。
で、電車が来て乗車すると、小学生の男の兄弟二人と(たぶん)おじいちゃん、おばあちゃんとの4人連れも乗車してきました。
ギリギリで特急券が買えたのでしょう。
4人の座席はバラバラ。
通常、窓側から売れていきますから、4人は一人ずつ分かれて通路側に坐りました。
弟の方の子は、なんだか少し心細そうにも見えました。
私の隣には兄ちゃんの方が坐りました。
子ども達は阪神タイガースの応援グッズやポップコーンの容器を手にしていました。
甲子園での観戦からの帰りのようでした。
仕事でヒマが取れないご両親の代わりに祖父祖母のお二人が、一日子守り役を担ったのでしょうね。

発車して間もなく、私は隣の子に「どこまで帰るの?」と聞くと、その子はちょっとびっくりして、
「伊勢まで」
とボソッと答えてくれました。

私は一寸間を置いてから、斜め前の、おばあちゃんらしき人に「(席を)換わりましょうか?」と申し出ました。
おばあちゃんは、何度もお礼を言ってくれて、弟を私が坐ってた兄ちゃんの隣に移動させ、弟のいたところに移動しました。
私はおばあちゃんの坐っていた席に移りました。
私の後ろの席では兄弟が並んだことにより、俄然、元気づいてきた二人は時には騒がしく時には大人しく、なにやら会話を交わしたり、じゃれ合ったりケンカしたり・・・。
おばあちゃんに二、三回、注意されていました。

松阪が近づいた頃には、二人の子どもはすっかり寝入っていました。
もう時間も遅かったし観戦疲れもあったのでしょう。
チラリと覗くと、二人の子は薄目を開けたまま無邪気に寝入っていました。

おじいちゃん、おばあちゃんのお二人が、かなり強く起こしにかかっていましたが、二人はなかなか目覚めません。

この4人には、松阪で下車して、さらに各駅停車の宇治山田行き最終列車の旅が待っています。


・・・・ただこれだけのお話です。
その、ありきたりのなんでもない出来事と言うか、4人の姿から、私は、なんとも言えない「幸せ」というものを感じました。
たぶん、当人達は意識もしていないであろう「幸せ」を。

二人の子どもにとっては、野球観戦は、そりゃもう忘れられない「夏の思い出」として、いつまでも脳裏に残っていくことでしょう。
でも、この電車内での他愛もないひとときも、私にはかけがえのない夏の思い出と思えました。

駅の蒸し暑い空気とひといきれ、電車内での兄弟でのやりとり、電車の走行音、肌に心地良い冷房の空気、何度も孫たちの様子に目をやるおばあちゃんの顔・・・・それら、全てが、今しか味わえない季節感と幸福感に満ちていました。

私は、この人たちの様子に時々目をやりながら、自分の子ども時代や自分の子どもが小さかった頃を思い起こしていました。
「ウチの下の二人の子たちには、絶対に味わえない種類の『幸せ』だよなぁ・・・・」
・・・そうも思っていました。

毎日、笑い、怒り、悲しみ、喜び・・・私達は心を動かして生きています。
ウチの二人も、あの子達なりに「ああ、今日も楽しかった」「生きててよかった」「他人とかかわることはいいことだ」と生活の中で実感することが、いったいどれだけあるのでしょうか?
そして、そう思えるような状況に近づけようと、私達はできることをしているだろうか?
なんてことまで考えてしまいました。










最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ナニワ)
2009-08-07 11:45:17
私にも二人子供がいますが、一人は人と交わるのが苦手で、一人は、初めてあった人でも名前と顔を覚えてしまいます。

同じきょうだいでもこれだけ違うものかと思ってしまいます。
それぞれに自分の利点欠点抱えつつ人生を歩んでいます。

親父りゅうさんや、奥さんも、三人のお子さんを温かく見守っているお父さん、お母さんであられる事は、ブログを読んでいて十分伝わってきています。

お子さんの様子をずっとブログで記録されているのを読んで来て、大変だけどいつも前向きの姿勢でいらっしゃるなあ、と思っています。

子供の主観は本人でないと分かりません。けれど前向きなお二人の姿勢に、このブログを読む度に私は元気を貰っています。
返信する
>ナニワさん (親父りゅう)
2009-08-07 20:15:19
ありがとうございます。


>前向きな二人の姿勢

いえいえ、後ろもよく向いています。
後ろを振り返ってばかりなので、たまに前向いたときに,これ見よがしに書いたりしてるのかも知れませんよ。
まあ、「あるがまま」です。

私たちも、共に歩いてくれる人、話を聴いてくれる人のおかげで元気が出たり、なんとか凹みきらずにやっていけるのですよ。
プログを読んで頂けることも、もちろん力になっています。
ナニワさん、ありがとうございます!


返信する
阪神ファンとして (jupiter)
2009-08-08 01:52:56
お礼を言わせて貰います!
この日タイガースは快勝したので、このご兄弟も嬉しかったはずです、しかも帰りには楽しい思い出がもう一つ。
子供は親が代表して育ててはいるものの、世界の宝ですから、親だけではなく皆で育てていけたらどんなにいいかと思います。
目の前にいる子供に注意を払ってやり、安全をはかり、助けてあげる、いけない行為は注意して(これは難しいことですけど)

>お子さんの様子をずっとブログで記録されているのを読んで来て、大変だけどいつも前向きの姿勢でいらっしゃるなあ、と思っています

同感です、もう親父りゅうさんが大きすぎて
私などにはコメントの言葉も見つかりません。
どんなコメントも陳腐で軽すぎる感じがしてしまうのです。

返信する
>jupiterさん (親父りゅう)
2009-08-08 07:08:29
>この日タイガースは快勝したので

はい!そうでしたね。鶴橋駅のホームには、他にもタイガースのハッピを着たおじさんとか、たくさんいましたし、皆さん、なんともいいお顔をしてましたから、すぐにわかりました。携帯で結果をチェックしたら8-0で快勝でしたね。


>もう親父りゅうさんが大きすぎて・・・

恐縮です。ありがとうございます。
元気が出ます。

ですが、私の場合、ブログでの言葉、文章が「等身大」の自分であるかどうか・・・・・・きっと、知らず知らずのうちに、かっこつけたり気取っていたりしていることでしょう。子どものことも音楽のことも、そんな自分の慢心を満たすための「材料」に転化させてしまっていないかと、たえず自分を振り返らなくっちゃいけないと思ってます。
でも、言いたいように書くのも大事とも思っているのですけどね。
これからもヨロシクです!
返信する
Unknown (kanreki)
2009-08-08 16:41:52
日常の何気ないしあわせ・・・
私もマゴがたくさんいますが、はたして、このような何気ない幸せをあげられているんだろうかと、考えてしまったひとときでした。
返信する
>kanrekiさん (親父りゅう)
2009-08-08 20:31:02
kanrekiさんの、たくさんのお孫さんは幸せですよ。
元気で素敵なおばあちゃんとの触れ合い語らいは何年、何十年後も、お孫さん達の記憶、潜在意識に極めて良質の肥料となって残っていると思いますよ。
もちろん、私の中にもね。
返信する

コメントを投稿