静かな場所

音楽を聴きつつ自分のため家族のために「今、できることをする」日々を重ねていきたいと願っています。

アーノンクールのベートーヴェン

2009年12月18日 18時46分15秒 | ベートーヴェン
これは数年前にネット中古ショップで買った初期盤。


ベートーヴェン/交響曲全9曲



シャルロッテ・マルジオノー(S)
ビルギット・レンメルト(A)
ルドルフ・シャシング(T)
ロベルト・ホル(B)
アルノルト・シェーンベルク合唱団
 
 
管弦楽:ヨーロッパ室内管弦楽団


指揮:ニコラウス・アーノンクール


録音:1990-91年 グラーツ、ステファニエンザール(ライヴ)




「ピリオド・アプローチ」とか「古楽器系」などと言う言葉がほとんど聞かれなかった1971年か72年頃にアーノンクールの名を初めて知りました。当時のレコード芸術には折り込みのポートレートが付録として付いていて、それはけっこうな楽しみであったのですが、ある号のそれは、見慣れぬ浅黒い顔の男でした。髪は縮れ(てたように記憶していますが???)眼は鋭く、なぜかクラシックのアーティストじゃないように思えました。それがアーンクールの名をインプットされた最初でした。
 私は彼の振る管弦楽組曲第3番(バッハ)のエアチェック・テープ(モノラル・ラジカセで録ったもの)を、それこそ擦り切れるくらいまで繰り返し聴いていました。そして数年後、その中古LPを入手したのでした。当時、管弦楽組曲第3番と言えば、ミュンヒンガーの旧録(モノ盤)しか知らなかった私は、彼の振るウィーン・コンツェントゥス・ムジクスが奏でる組曲3番の魅惑に溢れた響きに耳は釘付けでした。ミュンヒンガーとは全然違うテンポとキレ味。ソロ・ヴァイオリンとトゥッティの使い分けの鮮やかさなどなど・・・。

 さて、90年代の初めにいろいろと話題になり、FMでも何曲か聴いていたアーノンクールのベートーヴェンですが、実は9曲まとめて聴いたのは今回が初めてです。
 良かったです。
 2番、4番の見事な演奏が特に印象深いです。7番、9番も、意外なほど表面は「大人し目」でしたが、細かくいろいろなことを凝らしていて、その真摯な姿勢がまた聴き手の心を引き締めるかとも思いました。「田園」は、テンポも遅くカラヤンの上を行くテヌート攻勢が、また面白い。「ピリオド系」と言っても、私はそれほどたくさん聴いているわけではなく(某ノリン○ンなどによって変な先入観も植えつけられてしまっているようなのですが)アーノンクールのアプローチはまずは楽曲ありきという感じがして非常に好感が持てます。

 まあ、発売時にはけっこう話題にもなり、吉田秀和氏の評を読んだのも、もう17年ほど前。相も変わらず時流とは全くかけ離れた鑑賞の旅をしている私です。


HMVサイト↓
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2 コメント

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時流とは全くかけ離れた鑑賞? (林 侘助。)
2009-12-19 09:48:41
 そこが古典的音楽の息の長い、保ちのよろしい、ECOなところじゃないですか。アーノンクールの全集なんて、ワタシ的体感では新録音ですよ。

 数日前のお子様の涙の件、読んでいるだけでこちらも(恥ずかしながら)”もらい涙”。あかんなぁ、年齢(とし)いくって・・・時節柄、体調にお気を付けて、病状の平癒を祈ります。
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>林 侘助さん (親父りゅう)
2009-12-19 12:23:03
ご無沙汰しております。コメント、ありがとうございます。

同様で、ワタシ的にもほとんど「新録音」みたいなものです。
人様にどれだけ繰り返し聴かれ、手垢にまみれたようなものであっても、私にとって初めての出会いであれば、新鮮なんですよね。


子どもの方は、お蔭様でほぼ「元」に戻ったみたいです。
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