ご報告が遅れましたが、12日(土曜日)に無事に退院しました。退院したのが土曜日でしたので、家に着くなり子ども達との「日常」が戻ってきて、「静養モード」なんて、とても無理でしたね。で、今日は平日ということで、やっとゆっくりできる心地になりました。
今日は朝から開腹部分のシールドを張り替えてもらいに外科外来に行ってました。
さて、手術後の病床では、なかなか音楽を聴く気にならず、最初の二日間ほどは、体内で起こっている細胞たちの修復作業の音にひたすら耳を傾けておりました。それだけで十分でした。その間は、何を聞いても心に届かず、すぐにスイッチを切っていました。手術後に初めて通して聴いた音楽(演奏)がこれでした。
ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱付き」
ソプラノ:ヘレン・ドーナト
メゾソプラノ:ドリス・ゾッフェル
テノール:ジークフリート・イェルサレム
バス:ペーター・ルカ
合唱:ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団
管弦楽:ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:セルジュ・チェリビダッケ
録音:1989年3月19日
記録が正しいとすれば、EMI盤の2日後の演奏。おなじみ(?)MEMORIESレーベルのプライヴェート録音です。なんか、「正規」のEMI録音よりもバランス、音像、響きともに自然な感じなんですが・・・・もちろん音の鮮明さではかなり劣りますけども・・・・。
チェリビダッケの「第9」、これはたぶん、かなり好き嫌いの分かれる演奏だと思います。オケの音の純度の高さ、響きの透明度は、それはもう素晴らしい!ソフト・タッチで強音部でも艶やかさを保つ管弦に、超巧いティンパニが割り込んでくる、その恐ろしいコントラストの痛快さ!たぶん、これは、あの名手ザードロでしょう。「巨匠風」でもない、オーソドックスでもない、もちろんピリオド系では全然ない、全く独特のチェリビダッケ風の「第9」。だけども、まぎれもない、偉大なベートーヴェンの「第9」として聴きました。
高貴でありながら時おり地獄の暗黒をちらつかせる第1楽章、巨大隕石が自ら踊り出したような第2楽章、しかし、トリオは快速通り抜け。そして始まった第3楽章の美しさは、これにはもう言葉が見つかりません。第4楽章の声楽登場までの暗夜航路は、さながら結腸を切り取られてぜん動が止まり前進を阻まれたウンコのうごめきのようでもあり、病室に横たわっていた私の心理にはぴったしでありました。その氷河の流れのような低弦をバッサリ切るのは、やはりザードロ(たぶん)のティンパニであります。彼は上手いですねぇ。合唱が入ってからも、管弦の雄弁なことは変わらず、かの二重フーガなどはまるで「オーケストラのための二重フーガ」か?と思えるほどの弦の絡みは美しかったです。
術後のベッド上で、しばらく音楽を聴く気持ちがなかなか高まらなかった私ですが、この演奏を二日間かけて聴いて、以降、またいろいろと聴き始めたのでした。
今日は朝から開腹部分のシールドを張り替えてもらいに外科外来に行ってました。
さて、手術後の病床では、なかなか音楽を聴く気にならず、最初の二日間ほどは、体内で起こっている細胞たちの修復作業の音にひたすら耳を傾けておりました。それだけで十分でした。その間は、何を聞いても心に届かず、すぐにスイッチを切っていました。手術後に初めて通して聴いた音楽(演奏)がこれでした。
ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱付き」
ソプラノ:ヘレン・ドーナト
メゾソプラノ:ドリス・ゾッフェル
テノール:ジークフリート・イェルサレム
バス:ペーター・ルカ
合唱:ミュンヘン・フィルハーモニー合唱団
管弦楽:ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:セルジュ・チェリビダッケ
録音:1989年3月19日
記録が正しいとすれば、EMI盤の2日後の演奏。おなじみ(?)MEMORIESレーベルのプライヴェート録音です。なんか、「正規」のEMI録音よりもバランス、音像、響きともに自然な感じなんですが・・・・もちろん音の鮮明さではかなり劣りますけども・・・・。
チェリビダッケの「第9」、これはたぶん、かなり好き嫌いの分かれる演奏だと思います。オケの音の純度の高さ、響きの透明度は、それはもう素晴らしい!ソフト・タッチで強音部でも艶やかさを保つ管弦に、超巧いティンパニが割り込んでくる、その恐ろしいコントラストの痛快さ!たぶん、これは、あの名手ザードロでしょう。「巨匠風」でもない、オーソドックスでもない、もちろんピリオド系では全然ない、全く独特のチェリビダッケ風の「第9」。だけども、まぎれもない、偉大なベートーヴェンの「第9」として聴きました。
高貴でありながら時おり地獄の暗黒をちらつかせる第1楽章、巨大隕石が自ら踊り出したような第2楽章、しかし、トリオは快速通り抜け。そして始まった第3楽章の美しさは、これにはもう言葉が見つかりません。第4楽章の声楽登場までの暗夜航路は、さながら結腸を切り取られてぜん動が止まり前進を阻まれたウンコのうごめきのようでもあり、病室に横たわっていた私の心理にはぴったしでありました。その氷河の流れのような低弦をバッサリ切るのは、やはりザードロ(たぶん)のティンパニであります。彼は上手いですねぇ。合唱が入ってからも、管弦の雄弁なことは変わらず、かの二重フーガなどはまるで「オーケストラのための二重フーガ」か?と思えるほどの弦の絡みは美しかったです。
術後のベッド上で、しばらく音楽を聴く気持ちがなかなか高まらなかった私ですが、この演奏を二日間かけて聴いて、以降、またいろいろと聴き始めたのでした。
厳しい日常で養生も難しいでしょうが、早く良くなることを願っています。
おかげ様で、けっこう早く退院させていただきました。
まあ、子どもの相手はちょうどよいリハビリです。ややスローですけどね(苦笑)。
今日も三男りゅうは入浴ヘルパーさんにお願いしました。
チェリの第9、とりわけぼくはいつも彼が演奏する
第二楽章を聴くと驚愕してしまいます。
「えっ、これからどうなるの?もっともっと膨らむの?
まさか破裂しないの?」って恐ろしい感覚に陥れられます。
手術後に聞かれた音楽が第9。私だったら田園を聴くかもしれません。
昨夜、夜のウオーキングで第9聴いてました。第3楽章のあの美しさは堪りません・。
聖響さん、聴いてきました。「レオノーレ」でパンダ聴けたのが嬉しかったです。
でも、不思議と、そのグロテスクさよりも純粋さの方を強く感じ聴き入りました。
第2楽章は、もともと破壊に向かうみたいなところのある音楽なので、あのようなアプローチも有りかと思いました。
無事に退院させていただきました。
聖響さんの「第9」、行けずに残念でした。きっと、あの純度の高い響きで貫かれハンパじゃない切れ味の演奏だったことでしょうね。ああ、聴きたかったなぁ~~。
レオノーレのパンダは生で聴くと、舞台を彷彿とさせますよね。
第九、チェリビダッケですか(^o^)/wa-o
私などは、ピアノソナタの第31番とか、すぐ持ち出してきそうです(^o^)/
術後、最初に聴こうbachとかいろいろ用意してましたが、なぜか聴きたい気持ちが高まりませんでした。いろいろ聴いてみても、すぐに止めちゃったりしてましたね。で、数日後に「これでも聴いてみようかな・・」とセットしたのがチェリの「第9」でした。その後は、シューベルトのピアノ・ソナタとかハイドンの交響曲とかを中心にいろいろ聴いていましたね。
いつも「山本直純forever 歴史的パロディー・
コンサート」に収録されている
交響曲第45番「宿命」(ベートーヴェン/
山本直純変曲)のレオノーレを思い出します。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/907821
お聞きになったことがなければ、是非お求め
ください。たまらんですよ、このCDは。
こういう、作曲家ならではの「お遊び」は直純さんのお手の物だったみたいですね。
そういえば、高校生の頃、友達と「音のカタログ」遊びみたいなことをよくやってましたが、調性や雰囲気の似通った異曲を巧みにつないでヘンテコな曲を作る遊びもよくやりましたなぁ。懐かしい。
それから、レオノーレと言えば、例のホフナング音楽祭での序曲「レオノーレ」第4番にのけぞったことを思い出しました。たくさん聴いた訳ではありませんが、あの音楽祭のライヴは素晴らしかったです。