9月になった。
今夏(7月,8月)に行った演奏会の備忘録。
上の写真は7月30日、「国際青少年音楽祭in伊勢」終演後のいせトピアにて(FBFのTさんより拝借)。
7月21日(日)読響演奏会
プログラム・・・ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」、ブラームス/交響曲第1番
岡田財団主催の県民招待コンサート(無料)。
飯守氏の指揮を実際に聴くのは初めてで、これがけっこう新鮮だった。
オーソドックスな流れの中にけっこうゴツゴツした局面があり、交響曲では大見得を切るようなところもあって楽しめた。
小山氏のピアノを実際に聴くのは三度目で、今回もよかった。
「皇帝」の第2楽章終盤、弱奏が続くところの緊張感に満ちた美しさ!
ソリスト・アンコールは「エリーゼのために」
オケのアンコールは無し。
7月30日(火)国際青少年音楽祭in伊勢
SOPA合唱団(マルタ共和国)&伊勢少年少女合唱団
昨年、マルタに出向いてSOPA合唱団と共演した伊勢少年少女合唱団が、今回は伊勢に同合唱団を招いて再び共演。
滞在中、メンバーたちは団員宅などにホームステイして友好を深めていたとのこと。
二つの合唱団ともにテクニック至上主義ではなく、あくまでも「音楽する喜び」を重視している。
そのことを強く感じさせられ、各曲の味わいを十分に楽しんだ音楽会だった。
それにしても、「場数を踏む」とはよく言うが、伊勢少年少女合唱団の子どもたちの成長著しいのには驚く。
ラストの「矢と歌」という曲は、今回が初演。
というのも、この曲はSOPA合唱団のピアニスト、トム・アーミテイジ氏が今回のために作曲したということだ。
8月4日(日) 平和のための音楽会
この音楽会を聴くのは一昨年に続いて二度目。
最初の児童合唱と最後の合唱が聴き応えあった。
「ふるさとの風に」(竹内浩三作詞寺嶋陸也作曲)からの2曲は難易度高いようで、熱演であったが、正直なところ 私はあまり楽しめなかった。
「星めぐりの歌」はとても心に沁みた。
いつものことながら、隣の会場では「戦争展」をやっていて、今回は中村進一さん自作の紙芝居「沢村栄治ものがたり」を鑑賞させてもらった。
中村さんは、このような自作紙芝居をいくつも持っておられ、学校や市民集会等で地道に発表されている。私も何度か拝見したことがあるが、今回の作品は30分を超える大作であったが、その長さを感じさせない物語の展開と語りであった。
8月6日(火) 吉永小百合・村治佳織 チャリティー朗読コンサート2019
~第五福竜丸を想って~
吉永小百合、村治佳織ともに実際のステージを観るのは初めてであり、楽しみにしていたコンサート。
実は、けっこう村治佳織ファンであり主なCDはほぼ所有している。
そして、この日も伊勢少年少女合唱団を含む県内の児童合唱団のステージがあり、実は、それが一番よかった。
村治氏のギターでは、最近買った「シネマ」というアルバムにも入っている「人生のメリーゴーランド(ハウルの動く城)」が聴けたことがよかった。
8月10日(土) 第15回ハートの日
三重ハートセンター(病院)のイベント中のコンサート。
南伊勢に続いて、高橋真珠さん、中瀬あやさんの共演を聴く。
花の歌(ランゲ)
アヴェ・マリア(グノー/バッハ)
コレッリの主題による変奏曲(クライスラー)
ラ・カンパネラ(パガニーニ)
チャルダッシュ(モンティ)
愛の挨拶(エルガー)
G線上のアリア(バッハ)
同じ曲でも場所、シチュエーションが異なると、違うものが伝わってくる。
前回(南伊勢)の演奏会では、華やいだ雰囲気と東欧風の翳り、子ども達を意識した未来志向を感じさせたが、今回は病院の中ということもあってか「祈り」と「抑制」を感じさせられた。
中瀬あやさんが、会場の人に「どうでしょう?もう一度聴きたい曲はございませんか?」と問うて、一人の女性が「アヴェ・マリア」と答えたことからも、そんなふうに思った。
目を閉じて聴き入っている(寝ているのではない)人が多いのも特徴的だった。
高橋真珠さんは弾きながら会場をあちらへこちらへと移動されて、音楽はまんべんなく会場内に染み渡っていくようだった。
高橋さんは「真夏ということでイタリア・テイストの曲を採りいれました」というようなことを仰っていたが、窓外の陽光と室内の静謐な雰囲気の対比がなんともよかった。
同日、午後 カンマーコール伊勢第12回演奏会
いつもながらの「カンマーらしい響き」は一般受けしないかと思うが、私は好き。
どの曲でも指揮者の楽曲への敬愛が滲み出ており、合唱の響きの薄さや危なっかしさを補っていた。
ベートーヴェンのハ長調ミサは名曲であり、時間の長さを感じさせない。
4人の頼もしいソリストとピアニストも素晴らしかった。
いつまでもカンマーを支えていってほしいと願う。
今回は(伊勢管のメンバーによる)弦楽カルテットISEのステージがあった。
アンコールの「行こうふたたび」(組曲「旅」より)が、これまた速いテンポの清潔感に満ちた演奏であった。
カンマーコール伊勢を聴いて、いつも思うのは、合唱(音楽)ってのは、もちろん技術は大事だが、それだけではないということ、そして、どこからも光が当たっているようなまぶしい音楽は、私は聴いていて耐えられない。
カンマーのような陰影や控えめさ、こっちから首を突っ込んでいかないといけないようなある種の「無愛想さ」がある方が聴いていてずっと浸れる、ということ。
8月24日(土) 第43回うたおに音楽会
「合唱団うたおに」は、1974年、私が高校2年のときに設立された。
一時期は伊勢の知人が参加していたこともある。
県合唱祭やコンクールでは必ずといっていいほど聴いていた。
ただし、当時のうたおにと現在のうたおにとでは、全く別の合唱団と言っていいほど様変わりしている。
そして、私がうたおにの単独演奏会を聴くのは、実は今回が初めて。
詳しくは分からないが、現在の指揮者小柴氏のパーソナリティがかなり色濃く反映した合唱団だと感じた。
私は後半のプログラムが大変楽しめた。
それにしても、ジョン・ラターって名前はよく聞くのに音源(ディスク)は1枚しか持っていない。
鑑賞レパートリーの偏りを突きつけられるのが合唱の演奏会である。
アンコールは2曲で「イエスタディ」は分かったが、もう1曲は誰のなんと言う曲だったのだろう?
あの曲、よかったなぁ。
今夏(7月,8月)に行った演奏会の備忘録。
上の写真は7月30日、「国際青少年音楽祭in伊勢」終演後のいせトピアにて(FBFのTさんより拝借)。
7月21日(日)読響演奏会
プログラム・・・ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」、ブラームス/交響曲第1番
岡田財団主催の県民招待コンサート(無料)。
飯守氏の指揮を実際に聴くのは初めてで、これがけっこう新鮮だった。
オーソドックスな流れの中にけっこうゴツゴツした局面があり、交響曲では大見得を切るようなところもあって楽しめた。
小山氏のピアノを実際に聴くのは三度目で、今回もよかった。
「皇帝」の第2楽章終盤、弱奏が続くところの緊張感に満ちた美しさ!
ソリスト・アンコールは「エリーゼのために」
オケのアンコールは無し。
7月30日(火)国際青少年音楽祭in伊勢
SOPA合唱団(マルタ共和国)&伊勢少年少女合唱団
昨年、マルタに出向いてSOPA合唱団と共演した伊勢少年少女合唱団が、今回は伊勢に同合唱団を招いて再び共演。
滞在中、メンバーたちは団員宅などにホームステイして友好を深めていたとのこと。
二つの合唱団ともにテクニック至上主義ではなく、あくまでも「音楽する喜び」を重視している。
そのことを強く感じさせられ、各曲の味わいを十分に楽しんだ音楽会だった。
それにしても、「場数を踏む」とはよく言うが、伊勢少年少女合唱団の子どもたちの成長著しいのには驚く。
ラストの「矢と歌」という曲は、今回が初演。
というのも、この曲はSOPA合唱団のピアニスト、トム・アーミテイジ氏が今回のために作曲したということだ。
8月4日(日) 平和のための音楽会
この音楽会を聴くのは一昨年に続いて二度目。
最初の児童合唱と最後の合唱が聴き応えあった。
「ふるさとの風に」(竹内浩三作詞寺嶋陸也作曲)からの2曲は難易度高いようで、熱演であったが、正直なところ 私はあまり楽しめなかった。
「星めぐりの歌」はとても心に沁みた。
いつものことながら、隣の会場では「戦争展」をやっていて、今回は中村進一さん自作の紙芝居「沢村栄治ものがたり」を鑑賞させてもらった。
中村さんは、このような自作紙芝居をいくつも持っておられ、学校や市民集会等で地道に発表されている。私も何度か拝見したことがあるが、今回の作品は30分を超える大作であったが、その長さを感じさせない物語の展開と語りであった。
8月6日(火) 吉永小百合・村治佳織 チャリティー朗読コンサート2019
~第五福竜丸を想って~
吉永小百合、村治佳織ともに実際のステージを観るのは初めてであり、楽しみにしていたコンサート。
実は、けっこう村治佳織ファンであり主なCDはほぼ所有している。
そして、この日も伊勢少年少女合唱団を含む県内の児童合唱団のステージがあり、実は、それが一番よかった。
村治氏のギターでは、最近買った「シネマ」というアルバムにも入っている「人生のメリーゴーランド(ハウルの動く城)」が聴けたことがよかった。
8月10日(土) 第15回ハートの日
三重ハートセンター(病院)のイベント中のコンサート。
南伊勢に続いて、高橋真珠さん、中瀬あやさんの共演を聴く。
花の歌(ランゲ)
アヴェ・マリア(グノー/バッハ)
コレッリの主題による変奏曲(クライスラー)
ラ・カンパネラ(パガニーニ)
チャルダッシュ(モンティ)
愛の挨拶(エルガー)
G線上のアリア(バッハ)
同じ曲でも場所、シチュエーションが異なると、違うものが伝わってくる。
前回(南伊勢)の演奏会では、華やいだ雰囲気と東欧風の翳り、子ども達を意識した未来志向を感じさせたが、今回は病院の中ということもあってか「祈り」と「抑制」を感じさせられた。
中瀬あやさんが、会場の人に「どうでしょう?もう一度聴きたい曲はございませんか?」と問うて、一人の女性が「アヴェ・マリア」と答えたことからも、そんなふうに思った。
目を閉じて聴き入っている(寝ているのではない)人が多いのも特徴的だった。
高橋真珠さんは弾きながら会場をあちらへこちらへと移動されて、音楽はまんべんなく会場内に染み渡っていくようだった。
高橋さんは「真夏ということでイタリア・テイストの曲を採りいれました」というようなことを仰っていたが、窓外の陽光と室内の静謐な雰囲気の対比がなんともよかった。
同日、午後 カンマーコール伊勢第12回演奏会
いつもながらの「カンマーらしい響き」は一般受けしないかと思うが、私は好き。
どの曲でも指揮者の楽曲への敬愛が滲み出ており、合唱の響きの薄さや危なっかしさを補っていた。
ベートーヴェンのハ長調ミサは名曲であり、時間の長さを感じさせない。
4人の頼もしいソリストとピアニストも素晴らしかった。
いつまでもカンマーを支えていってほしいと願う。
今回は(伊勢管のメンバーによる)弦楽カルテットISEのステージがあった。
アンコールの「行こうふたたび」(組曲「旅」より)が、これまた速いテンポの清潔感に満ちた演奏であった。
カンマーコール伊勢を聴いて、いつも思うのは、合唱(音楽)ってのは、もちろん技術は大事だが、それだけではないということ、そして、どこからも光が当たっているようなまぶしい音楽は、私は聴いていて耐えられない。
カンマーのような陰影や控えめさ、こっちから首を突っ込んでいかないといけないようなある種の「無愛想さ」がある方が聴いていてずっと浸れる、ということ。
8月24日(土) 第43回うたおに音楽会
「合唱団うたおに」は、1974年、私が高校2年のときに設立された。
一時期は伊勢の知人が参加していたこともある。
県合唱祭やコンクールでは必ずといっていいほど聴いていた。
ただし、当時のうたおにと現在のうたおにとでは、全く別の合唱団と言っていいほど様変わりしている。
そして、私がうたおにの単独演奏会を聴くのは、実は今回が初めて。
詳しくは分からないが、現在の指揮者小柴氏のパーソナリティがかなり色濃く反映した合唱団だと感じた。
私は後半のプログラムが大変楽しめた。
それにしても、ジョン・ラターって名前はよく聞くのに音源(ディスク)は1枚しか持っていない。
鑑賞レパートリーの偏りを突きつけられるのが合唱の演奏会である。
アンコールは2曲で「イエスタディ」は分かったが、もう1曲は誰のなんと言う曲だったのだろう?
あの曲、よかったなぁ。
https://www.youtube.com/watch?v=7auORa69vAw
私も、「うたおに」のHPで確かめました。
これでした。
実は聴き憶えあったのですが、イマイチ確証がなかったのでした。
コピー音源で持っているイギリス合唱音楽を収めたオムニバス・ディスクに入っていました。20年以上聴いていなかったので忘れてしまっていたようです。なんともお恥ずかしい限りです。
5日のN響は聴きに行きます。