【ノルドグレン/左手のためのピアノと室内オーケストラのための協奏曲】
何も知らずに聴いてたら「えらい不気味で執拗な繰り返しが印象的な、救いのない曲」などと思うかも知れないでしょうが、解説を読むといろいろと書いてあって、読んでしまっては、もう、そうとしか思えない曲・・・です。
小泉八雲の「死骸にまたがった男」から強くインスパイアされた楽曲です。
ーーー強烈な恋愛感情は肉体の死によっても滅ぶことはなく、「超常現象」さえも引き起こすという、キリスト教とは異なる生死感や世界的にも類を見ない恋愛感情の強烈な表現に触発されたものと思われるーーーブックレットの解説(Nick Asano)より引用。
普段から思っていることですが、怪談話やホラー映画など、さっぱり怖くなくなって久しいけども、ホンマに怖いのは、生身の人間の怨念や我欲に凝り固まった行動ですな。
なんて、聴きながら思いました。
しかし、八雲も言ってたらしいですが、このお話(死骸に・・・)の結末には、当時は「当たり前」であった男尊女卑の思想と風潮が反映されていて、恐怖よりもそっちの方が引っ掛かるのです。
2004年 舘野泉氏に献呈
演奏
ピアノ:舘野泉
指揮:本名徹次
管弦楽:ラ・テンペスタ室内管弦楽団(フィンランド)
2005年7月6日、ライヴ
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