静かな場所

音楽を聴きつつ自分のため家族のために「今、できることをする」日々を重ねていきたいと願っています。

カレル・アンチェルのこと(1)

2015年02月12日 20時59分36秒 | その他(指揮者)
 昨日と今日、アンチェルの指揮する「春の祭典」と「展覧会の絵」のライブ(1964年、パリ)を聴きました。
 彼のライブは何点か手元にありますが、これはまた飛びっきりの熱演(激演)でした。
 その感想を書く前に、私の簡単な「アンチェル歴」(?)を振り返ってみました。

70年台初め頃にレコ芸の広告などで見るカレル・アンチェルは、けっこうカッコよくて、全然演奏を聴いたこともない時からそれなりに注目していました。
 彼の演奏を初めて聴いたのはブラームスの2番だったと思います(FM放送)。
 そのころ、ブラ2の演奏はワルター指揮コロンビア響盤しか持ってなかったので、ワルターよりちょっと速く颯爽としたその演奏は私には大変新鮮でした。
 その翌年くらいにTVでグールドとの共演(「皇帝」)を見たのですが、写真の顔とあまりに違うのに驚きました。
 あの映像は、グールドのインパクトだけが強かったですね。

 アンチェルを強く意識するようになったのは、「音楽現代」誌81年11月号に掲載された三谷礼二氏の文章がきっかけでした。
「私の好きな10人の指揮者」という特集で19人の(主に)音楽評論家が「好きな指揮者10人」を挙げ、各人がその中の一人について原稿を寄せていました。
 三谷氏はアンチェルについて書いておられました。



 その文章は刺激的であり、「アンチェルをもっと聴きたい」と思わずにはいられませんでした。
 氏は選んだ10人を、デ・サバータを除いてすべて実演に接した指揮者から選んでいました。
 アンチェルについても、幾度かの圧倒的な実演(「プラハの春」でのアスラエル交響曲やベルリン・フィル客演でのドボ8など)に接しており、録音されたものについては「実演の苛烈さを伝えるレコードは一枚もない
としながらも、
ただ、その中ではプロコフィエフの『ロミオとジュリエット』と、ショスタコーヴィチの「第5」が、もしこの文をお読みになったあとだったら、前とは違って聴こえるかもしれない、とだけ申し上げておこう。
と書いておられました。 
 私がその2枚をただちに探し求めようとしたのは言うまでもありません。

(続く)


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