久しぶりの新日フィルでした。
2009年の小澤さん指揮「エリア」以来かな。
そして初ハーディング。もちろんフォークトも初。
聴く前は「プログラム、ちょっと物足りない?」なんて思っていましたが、終わってみればお腹いっぱい、ちょうどいい感じでした。
ブラームス
悲劇的序曲
ハイドンの主題による変奏曲
ピアノ協奏曲第2番
新日本フィルハーモニー交響楽団
(コンサートマスター:豊嶋泰嗣)
指揮:ダニエル・ハーディング
ピアノ:ラルス・フォークト
2015.7.4(土)16:00開演
三重県文化会館 大ホール
「悲劇的序曲」の冒頭、二つの和音に続く弦のフレーズ、付点音型に入る前のほんのわずかな応答部分のなんとも言えないニュアンスに、もう「おおっ」と引きつけられました。
ハーディングのブラームスと言えば、若い頃に振った交響曲のCDを持っていましたが、スタイルは、すっかり変わっているようでした。
すっきりとしていながら決して細身過ぎず、それでいてバサッと切れ味鋭い演奏でした。
ホルンの雄叫びなど、なかなかよかっです。
ハイドン・バリエーションは、こうして生で聴くと本当にいい曲だとあらためて実感。
それぞれの変奏の妙と、そのコントラストが生み出す景色の違いを楽しんで、約18分はあっという間にクライマックス。
そして、休憩後のピアノ協奏曲。
フォークトは譜面を置いて(しかし、あまり見ていないみたいだった)速く弱いパッセージを軽々と粒のそろった音で弾いていました。
時折、オケの方にぐっと身を乗り出したり、睨んだり(?)。
まるで指揮者が2人いるかのような局面もありました。
ピアノと管弦楽の対決みたいな第1楽章と、狂気と諧謔が交錯する第2楽章が過ぎると、ティンパニ氏もお役御免となり、私の好きな後半の二つの楽章が待っています。
ここからの世界がこの曲のツボなのです。
木越洋さんのチェロ、ふくよかで「人間的」。
いや、みなさん、人間なのですけど、ん、何と言うか、この多様な感情や情念の渦巻く楽曲の中で最も心温まり癒される部分が、このチェロ独奏だと思えるので、やっぱり、ここはじぃ~んと来ます。
ただ、このときばかりは対向配置じゃない方がいいと思いました。
チェロ・トップの位置が遠過ぎ(配置図参照)。
私は2階下手側バルコニー席でしたからよく見えていましたが、それでも音は、ややオケに埋没気味なところもあり、それはちょっと残念でした。
第4楽章の風情は本当にいい。好きですねぇ。
若いころは、前半2楽章の「交響的」な雰囲気が好きだったのですが、今はすっかり逆になりました。
フォークト氏の冴えたタッチは、明暗行き来する終楽章の「半端感」と言うか「時々、後ろを振り返りながら、淡々とあっちの方へ歩んでいく」感じを見事に描いていて素晴らしかったです。
演奏後、フォークト氏はチェロの木越さんを何度もハグ。
その美演を讃えておられました。
ああ、生演奏はいいですね。
ブラームスはいいですね。
この日、この演奏会を聴くことができて幸せでした。
会場前に、新日フィルの三重県文化会館でのコンサートの歴史や団員さんからのメッセージが掲示されていました。
2009年の小澤さん指揮「エリア」以来かな。
そして初ハーディング。もちろんフォークトも初。
聴く前は「プログラム、ちょっと物足りない?」なんて思っていましたが、終わってみればお腹いっぱい、ちょうどいい感じでした。
ブラームス
悲劇的序曲
ハイドンの主題による変奏曲
ピアノ協奏曲第2番
新日本フィルハーモニー交響楽団
(コンサートマスター:豊嶋泰嗣)
指揮:ダニエル・ハーディング
ピアノ:ラルス・フォークト
2015.7.4(土)16:00開演
三重県文化会館 大ホール
「悲劇的序曲」の冒頭、二つの和音に続く弦のフレーズ、付点音型に入る前のほんのわずかな応答部分のなんとも言えないニュアンスに、もう「おおっ」と引きつけられました。
ハーディングのブラームスと言えば、若い頃に振った交響曲のCDを持っていましたが、スタイルは、すっかり変わっているようでした。
すっきりとしていながら決して細身過ぎず、それでいてバサッと切れ味鋭い演奏でした。
ホルンの雄叫びなど、なかなかよかっです。
ハイドン・バリエーションは、こうして生で聴くと本当にいい曲だとあらためて実感。
それぞれの変奏の妙と、そのコントラストが生み出す景色の違いを楽しんで、約18分はあっという間にクライマックス。
そして、休憩後のピアノ協奏曲。
フォークトは譜面を置いて(しかし、あまり見ていないみたいだった)速く弱いパッセージを軽々と粒のそろった音で弾いていました。
時折、オケの方にぐっと身を乗り出したり、睨んだり(?)。
まるで指揮者が2人いるかのような局面もありました。
ピアノと管弦楽の対決みたいな第1楽章と、狂気と諧謔が交錯する第2楽章が過ぎると、ティンパニ氏もお役御免となり、私の好きな後半の二つの楽章が待っています。
ここからの世界がこの曲のツボなのです。
木越洋さんのチェロ、ふくよかで「人間的」。
いや、みなさん、人間なのですけど、ん、何と言うか、この多様な感情や情念の渦巻く楽曲の中で最も心温まり癒される部分が、このチェロ独奏だと思えるので、やっぱり、ここはじぃ~んと来ます。
ただ、このときばかりは対向配置じゃない方がいいと思いました。
チェロ・トップの位置が遠過ぎ(配置図参照)。
私は2階下手側バルコニー席でしたからよく見えていましたが、それでも音は、ややオケに埋没気味なところもあり、それはちょっと残念でした。
第4楽章の風情は本当にいい。好きですねぇ。
若いころは、前半2楽章の「交響的」な雰囲気が好きだったのですが、今はすっかり逆になりました。
フォークト氏の冴えたタッチは、明暗行き来する終楽章の「半端感」と言うか「時々、後ろを振り返りながら、淡々とあっちの方へ歩んでいく」感じを見事に描いていて素晴らしかったです。
演奏後、フォークト氏はチェロの木越さんを何度もハグ。
その美演を讃えておられました。
ああ、生演奏はいいですね。
ブラームスはいいですね。
この日、この演奏会を聴くことができて幸せでした。
会場前に、新日フィルの三重県文化会館でのコンサートの歴史や団員さんからのメッセージが掲示されていました。
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