退院後、初のコンサートに行ってきました。伊勢の「魔笛」公演です。
ある方のご厚意で聴きに行くことができました。
IMT伊勢音楽劇場第15回記念定期公演
台本/J.E.シカネーダー
作曲/W.A.モーツァルト
オペラ「魔笛」
(日本語上演)
2014.10.4(土) 13:00開演
伊勢市生涯学習センター いせトピア多目的ホール
オペラのレコードで初めて買ったのが「魔笛」です。
1973年、フリッチャイ盤でした。
若きディースカウの賢そうなパパゲーノとヘフリガーのタミーノ・・・。
カセットにダビングして繰り返し聴いていました。
それから、数少ないオペラ生体験で2回も観ているのが「魔笛」。
ベルリン国立歌劇場(スウィトナー指揮)と10年以上前に、やはり伊勢で上演されたのと。
私の乏しいオペラ経験の中で、最も古くから親しんできた曲が「魔笛」なのです。
今回は3回目の生体験ということになります。
今回の公演は、合唱や台詞部分(一部)を省略し、伴奏はオケではなくピアノ、という縮小版でした。
ただし、重要な役割を果たすフルートとグロッケンシュピール(キーボード)は其々ソロで演奏されていました。
省略された部分は「案内人」によって語られ、初めて観る人も戸惑うことなくストーリーを追うことができる工夫がありました。
去年の「こうもり」と同じく、地元ネタ、ギャグ満載で、私の周りの皆さん、本当に大笑いの連続でした。
部分的には「ここは吉本新喜劇の客席かいな?」と錯覚を起こすほどでした。
もちろん、そんなギャグやアドリブだけが楽しかったのではなく、モーツァルトの音楽の素晴らしさ、「魔笛」という作品の魅力は十分に感じました。
「魔笛」の魅力、それは、善人にも悪人にも等しく注がれているモーツァルトの暖かい愛情の眼差しです。人間の所業を肯定的にとらえ、大らかに許すスタンスです。(※)
だから、聴いていて「救われる」思いにさせられるのです。
友人・知人、顔見知りの皆さんがたくさん出演されているステージを見ながら、やはり、この「魔笛」の魅力を感じていました。
近い距離で聴く歌声の素晴らしさ、その表現の力も存分に感じました。
私はいつも思うのですが、どうもタミーノとパミーナは人間的魅力に乏しいと言うか、面白みに欠ける役柄設定だと感じています。
それは、レコードで聴いていた頃からそうなのです。
あまりに「優等生的」と言いますか・・・。
アリアや重唱はとても美しいのですけどね。
やはり、このオペラの主役はパパゲーノ。
「魔笛」を知る前から知っていたブルーノ・ワルターの言葉の影響もあるでしょうが、やはりパパゲーノの心情の移ろいに感情移入し、時には涙してしまうのです。
ザラストロの木川田澄さん、太く暖かい声でした。存在感ありました。今回で引退されるとのことです。
タミーノの笠井さん、いつまでもお若いですね。すばらしい。
モノスタトスの橋本さん、はまり役てすね。フィガロの一節、歌ってなかった???
パパゲーナの廣めぐみさん、表現力と歌唱力、さすがでしたね。
3人の美女(侍女)の小川さん、津田さん、中西さん、夜の女王の山村さん、パミーナの野中さん、案内人の井上さん、いずれも歌唱、演技共に素敵でした。
ステージ上の人物が入れ替わるたびにムードが変わる、なんとも言えない楽しさ。
なかでも、3人の童子を演じた女の子たち、登場するたびにステージが華やぎ和みました。懸命の演技に皆さんが拍手を送ったのも当然でした。
パパゲーノの野中さん、特に素晴らしかったと思います。たくさんの台詞や動きも見事でした。童子たちに促されてグロッケンシュピールを鳴らすあたりは、私的なお約束場面とは言え、本当に感動させられました。
私の席からは見えませんでしたが、オケ・パートをピアノで弾ききった井上さん(いつも伊勢管のプレトークで楽曲のサワリを弾いてくたさっています)、お疲れ様でした。安心して聴いていられました。
終幕後は、二男の帰宅に間に合わせるために、カーテンコールの中途で席を立ちました。
顔見知りの出演者さんたちには一言、お礼も言いたかったのですがやむをえませんでした。
本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。
このような地域密着タイプの上演や音楽会がずいぶんと根付いてきているように思います。
主催者側、出演者さんたちの熱意は確実に伝わっていると感じました。リピーターも増えているのではないでしょうか。
今後も楽しみです。
※この感じ方は、12年前に伊勢で聴いた「魔笛」公演を指揮された大谷さんの文章にインスパイアされています。今回、その文章(その時のプログラムに載っていた)を探しましたが見つかりませんでした。
ある方のご厚意で聴きに行くことができました。
IMT伊勢音楽劇場第15回記念定期公演
台本/J.E.シカネーダー
作曲/W.A.モーツァルト
オペラ「魔笛」
(日本語上演)
2014.10.4(土) 13:00開演
伊勢市生涯学習センター いせトピア多目的ホール
オペラのレコードで初めて買ったのが「魔笛」です。
1973年、フリッチャイ盤でした。
若きディースカウの賢そうなパパゲーノとヘフリガーのタミーノ・・・。
カセットにダビングして繰り返し聴いていました。
それから、数少ないオペラ生体験で2回も観ているのが「魔笛」。
ベルリン国立歌劇場(スウィトナー指揮)と10年以上前に、やはり伊勢で上演されたのと。
私の乏しいオペラ経験の中で、最も古くから親しんできた曲が「魔笛」なのです。
今回は3回目の生体験ということになります。
今回の公演は、合唱や台詞部分(一部)を省略し、伴奏はオケではなくピアノ、という縮小版でした。
ただし、重要な役割を果たすフルートとグロッケンシュピール(キーボード)は其々ソロで演奏されていました。
省略された部分は「案内人」によって語られ、初めて観る人も戸惑うことなくストーリーを追うことができる工夫がありました。
去年の「こうもり」と同じく、地元ネタ、ギャグ満載で、私の周りの皆さん、本当に大笑いの連続でした。
部分的には「ここは吉本新喜劇の客席かいな?」と錯覚を起こすほどでした。
もちろん、そんなギャグやアドリブだけが楽しかったのではなく、モーツァルトの音楽の素晴らしさ、「魔笛」という作品の魅力は十分に感じました。
「魔笛」の魅力、それは、善人にも悪人にも等しく注がれているモーツァルトの暖かい愛情の眼差しです。人間の所業を肯定的にとらえ、大らかに許すスタンスです。(※)
だから、聴いていて「救われる」思いにさせられるのです。
友人・知人、顔見知りの皆さんがたくさん出演されているステージを見ながら、やはり、この「魔笛」の魅力を感じていました。
近い距離で聴く歌声の素晴らしさ、その表現の力も存分に感じました。
私はいつも思うのですが、どうもタミーノとパミーナは人間的魅力に乏しいと言うか、面白みに欠ける役柄設定だと感じています。
それは、レコードで聴いていた頃からそうなのです。
あまりに「優等生的」と言いますか・・・。
アリアや重唱はとても美しいのですけどね。
やはり、このオペラの主役はパパゲーノ。
「魔笛」を知る前から知っていたブルーノ・ワルターの言葉の影響もあるでしょうが、やはりパパゲーノの心情の移ろいに感情移入し、時には涙してしまうのです。
ザラストロの木川田澄さん、太く暖かい声でした。存在感ありました。今回で引退されるとのことです。
タミーノの笠井さん、いつまでもお若いですね。すばらしい。
モノスタトスの橋本さん、はまり役てすね。フィガロの一節、歌ってなかった???
パパゲーナの廣めぐみさん、表現力と歌唱力、さすがでしたね。
3人の美女(侍女)の小川さん、津田さん、中西さん、夜の女王の山村さん、パミーナの野中さん、案内人の井上さん、いずれも歌唱、演技共に素敵でした。
ステージ上の人物が入れ替わるたびにムードが変わる、なんとも言えない楽しさ。
なかでも、3人の童子を演じた女の子たち、登場するたびにステージが華やぎ和みました。懸命の演技に皆さんが拍手を送ったのも当然でした。
パパゲーノの野中さん、特に素晴らしかったと思います。たくさんの台詞や動きも見事でした。童子たちに促されてグロッケンシュピールを鳴らすあたりは、私的なお約束場面とは言え、本当に感動させられました。
私の席からは見えませんでしたが、オケ・パートをピアノで弾ききった井上さん(いつも伊勢管のプレトークで楽曲のサワリを弾いてくたさっています)、お疲れ様でした。安心して聴いていられました。
終幕後は、二男の帰宅に間に合わせるために、カーテンコールの中途で席を立ちました。
顔見知りの出演者さんたちには一言、お礼も言いたかったのですがやむをえませんでした。
本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。
このような地域密着タイプの上演や音楽会がずいぶんと根付いてきているように思います。
主催者側、出演者さんたちの熱意は確実に伝わっていると感じました。リピーターも増えているのではないでしょうか。
今後も楽しみです。
※この感じ方は、12年前に伊勢で聴いた「魔笛」公演を指揮された大谷さんの文章にインスパイアされています。今回、その文章(その時のプログラムに載っていた)を探しましたが見つかりませんでした。
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