静かな場所

音楽を聴きつつ自分のため家族のために「今、できることをする」日々を重ねていきたいと願っています。

バーンスタイン、最期の年の「シベ1」を観る

2014年10月13日 20時50分19秒 | バーンスタイン(英国、北欧の音楽)
台風が、(当地では)特に被害もなく過ぎていくような気配の今日、FMでのN響三昧を聴いたり聴かなかったりの半日でした。
久しぶりのレニー盤。



シベリウス/交響曲第1番 ホ短調 作品39


管弦楽:ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団



指揮:レナード・バーンスタイン



収録:1990年2月


DVD
 


 バーンスタイン最期の年、1990年は、前年までと比べて録音数がぐっと少ない。
 しかし、その演奏一つひとつは、実に味わい深く、かつ、彼が「やりたいことをやりきった」と思える素晴らしいものばかりだ。
(タングルウッドでのベートーヴェン&ブリテンには、やや痛々しさも感じるが・・・)

 2月に収録されたこの「シベ1」も、そんな稀有な演奏のひとつ。
 そう言えば、最近読んだ「レナード・バーンスタイン ザ・ラスト・ロング・インタビュー」の初めの方で、「今度、シベ1を演奏するんだよ」みたいな件があった。
 で、その後、著者のコットと二人で、バーンスタインが以前にNYPと録音したシベりウス1番のレコードを聴く場面が続いた。
 この本を読んだのは7月から8月にかけての「幹細胞採取」のための入院中だった。
 退院したら、このシベ1をまた聴きたい・・・読んでいて、強くそう思ったものだ。
 CDでは以前から聴いていたが、今回は映像で鑑賞した。

 よく言われるように、これは好き嫌いが分かれる演奏だと思う。
 例によって、かなり思い入れの強い演奏。
 この一瞬一瞬に命をかけているかのような演奏には圧倒される。
 シベリウスらしさがどうとか、表現がオーバーだとか、この演奏の前で、ああたこうだと言うことは私には無意味。
 やりたいように思いっきりやればいいのだ。
 最後まで、嘲笑されようとも何と思われようとも動じず、「これはこう」と決めた道を貫いている演奏。
 その傲慢さと裏表の正直さがいい。
 第1楽章冒頭から、もう気迫がものすごい。
 最後まで一気に聴かされてしまう。
 この曲での渡辺暁雄の、あの抑制のきいた深々とした指揮も好きだが、正反対みたいなレニーの指揮もすばらしい。
 ユニテルの映像作品だが、かなり自然な「中継録画」っぽく作られている。


バーンスタイン文庫ちょこっと更新しました。



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