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ブルックナー/交響曲第8番ハ短調(ハース版)
管弦楽:東京交響楽団
指揮:朝比奈隆
録音:1993年
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ブルックナー/交響曲第8番ハ短調(ハース版)
管弦楽:東京交響楽団
指揮:朝比奈隆
録音:1993年
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先日、ツイッターでこの演奏のことを「ちょっとフツー」などと呟いてしまいました。
実は横着をして、あれは前半の2楽章を聴き終えたときにアップしたものでした。
その後、後半の2楽章を聴き終えましたが、この演奏、後半にいくに連れてどんどん良くなっていき、聴き終えた時は「フツー」どころか大満足でした。
朝比奈隆のブル8はこちらのサイト(「朝比奈 無制限一本勝負」より)によりますと、リハーサルや一部のみ収録などを除いても13種あるようです。
私も、そのうち(名古屋大学盤以外の)12種が手元にありますが、いずれも朝比奈隆独特の魅力を放ちながらも一つひとつが微妙に(あるいは、かなり)違う演奏になっています。
この東響盤は、最初4曲6枚セットで発売され、購入はしなかったものの、当時加入していたミュージック・バードの番組で全曲DATに録って聴いていました。
そのDATもテープが傷んでしまい、CDであらためて(中古を)買ったのですが、演奏、録音ともに(当時の自分としては)いまひとつ魅力に乏しく思えて手放してしまっていました。
しかし、以前聴いていた頃とは自分の感じ方も変化し、また、アンプもスピーカーもCDプレーヤーも、もう当時の機器から替わっていることもあり、かつて手放した演奏たちはいつの間にか手元に呼び寄せられていました。
二度目はセットではなく再発売されたバラ売りの方です。
大阪フィル以外のオケを振ったときの朝比奈隆の演奏は・・・剛直さやパワーは大フィルに一歩譲るものの、響きの鮮度や強弱などの微妙な表情が朝比奈氏の個性と融合して特有の魅力を発しています。
それは、新日フィルや東響、都響、N響、日フィルなどとのディスクから、いずれも感じることです。
この8番も、たとえば管楽器の室内楽的な絡みや、弦の各パートの絶妙なバランス感覚に思わず耳を惹きつけられる箇所がいくつもありました。
特に後半の二つの楽章は見事で、曲が進むにつれてどんどん集中していく様が目に見えるようでした。
もうこうなると、家に居ながらにしてコンサート会場に座しているかのような状況になり、固唾を呑んで聴き入ってしまいます。
終楽章のコーダに到って、大きな感動を得ました。
こういう演奏を前にすると、すぐに拍手をしたり、ましてや声を発するなどということは、私はなかなかできないのですが、会場はえらく沸いていたようですね。
私は、朝比奈隆のブル8を実際に3回聴いています。
そのときの自分の状態や座席による違いなどもあるので、演奏自体の良し悪しを言うことは、あまり意味がありませんが、最後に聴いた2001年7月の公演が最も良かったです。
↓今までの朝比奈隆記事
ブラームス/交響曲第2番(大阪フィル、1979年)
ベートーヴェン/「田園」(ハンブルグ北ドイツ放送響)
ベートーヴェン/交響曲第7番(大阪フィル、1992年)
ベートーヴェン/「英雄」(大阪フィル、1973年)
ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱」(倉敷祝祭管、1996年)
チャイコフスキー/「悲愴」(新日フィル、1994年)
リャードフ/憂いの歌(大阪フィル、1976年)
「オーケストラ、それは我なり/朝比奈隆 四つの試練」(中丸美繪著)
チャイコフスキー/交響曲第5番(大阪フィル、1996年)
ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱」(大阪フィル、1973年)
ブルックナー/交響曲第6番(東響、1984年)
ブラームス/交響曲第1番(新日フィル、2000年)
ブルックナー/交響曲第9番(大阪フィル、1995年)
シューベルト/交響曲第8(9)番「ザ・グレート」(都響、1995年)
朝比奈隆の思い出(2)
朝比奈隆の思い出(1)
ベートーヴェン/「英雄」(大阪フィル、1977年)
ブルックナー/交響曲第0番(大阪フィル、1978年)
1975年、渡欧ライヴ(シューマン他)と渡欧前のブル7名古屋公演など
ブルックナー/交響曲第3番(大阪フィル、1977年)
ブルックナー/交響曲1番、2番(「ジャン・ジャン盤)の簡単な感想
ブルックナー/交響曲第5番(大阪フィル、2001年)のごく短い感想
ベートーヴェン/交響曲第5番(大阪フィル、1977年)
これは、ブルックナーの人生の歩みと重なるものがあるのでしょう。
朝比奈さんは、世代的に私より年上のファンが多く、無理して実演を聴きにいくことはありませんでしたが、会場に居合わせたら、相当に感動するだろうなと思います。
特に70年代は。
晩年は熱狂的なファンが大勢いて、常に「一般参賀」がありました。
ブルックナーでは、1995年の9番、2001年の5番が印象深いです。
不器用さが、特有の味と深みを醸し出していました。
今、こんな指揮者いるんでしょうかね?
これにつづく人は、誰かいるかな。インバルは、音楽が即物主義的・さっぱり系ですし。
ハイティンクは、十分大物ですが、神格化まで行けるかどうか、もうキャリアは最終盤ですし。
不器用さが、特有の味と深みという点では、バーンスタインの影響も大きいエッシェンバッハが大物候補でしょうか。
もっとも、最近の人はほとんど知らないのですけど
最近の新譜を眺めて思うのは、ブルックナー演奏の多様化と言いますか、ファンも様々なアプローチを楽しんでいるのではないかと思います。
「神格化」された演奏を否定、とまではいかなくとも、固定観念みたいなのからの解放みたいな感じで・・・。
全集もお安く発売されて、あっ、ギーレンが、あっ、シモーネ・ヤングが、とか見てたら、今は韓国のイム・ホンジョンが話題みたいですね。これは聴いてみたいと思っているところです。
朝比奈さんマーラーがね、意外といい演奏なんですよ。7番とか無理やり発売したのがわかりました。
再発売して欲しい3番と大地の歌(2回目)。
なんか、いつでも買えると思い買い逃したら発売されないんですよね。
2番は当日のライヴをレコードで、6番は同時期の東京公演のCD、3番は当日のライヴで、いずれも持っています(2番のレコードはオクで売っちゃいましたのでコピーCD-Rですが)。
たしかに3番と大地の歌はあまり出回っていないですね。
大地の歌は、ブックオフオンラインに時々あらわれるようですけど・・・。