
ベートーヴェン/交響曲第7番
管弦楽:NHK交響楽団
指揮:ロヴロ・フォン・マタチッチ
収録:1984年3月
DVD
画面に登場しただけで、もう涙が出そうになる指揮者、それがマタチッチ。
ホント、先日見た7番の、あの一音一音がものすごい集中と気迫の中から生み出される序奏が始まったら、もういけません。
クライバーも真っ青の超快速テンポ。オクターヴ上のヴァイオリン。
主部に入ると、トランペットをはじめN響の金管群が、まるで高校ブラバンの如き気迫の強音で圧倒。
「悪魔のいたずら」(ちょっとユニークなマタチッチならではの音量操作)も随所で決まっています。
第2楽章も速い速い。第三部のフーガ的部分では聖なる火花が散っているようです。
そのせいか、第3楽章が始まった時は、一瞬「のどか」な雰囲気に思えてしまうのですが、トリオの巨大さにまたしても・・・。
こりゃあ、すごい。まるでアルプス交響曲の山頂の場面みたいなトリオです。
トランペットの音も上ずったりしてませんか?
終楽章の最後は、もう言葉なし。
彼の振りを見ていて、その小さくなった動きは時に痛々しい程なんですが、でも、終楽章の所々などで見せる渾身の身振りは73年、75年の来日時の映像を思い起こさせます。
そして、眼力と掌がなんとも雄弁にオケを操ってますね。
長々と収録されたカーテンコールも、マタチッチだと最後までちゃんと見てしまいます。
聴衆とおんなじように拍手している団員さんの姿も印象的。
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この演奏,DVDで出ていたんですね。知りませんでした。ベト7とブラ1はNHKホールで聴いていました。忘れもしない,1984年3月23日,金曜日の演奏会です。あぁ,懐かしい。
もう細部は覚えていませんが,ブラ1の方は結構テンポが速かったという記憶があります。これはCプロでして,有名なブル8は前々週のAプロでした(Aプロは残念ながら生では聴いていません)。
ブル8は日本では語りぐさとなっている演奏ですが,ディアパゾン紙に「このオケはブルックナーを演奏できるレヴェルにはない。」と断じている評があり,悲しく思ったものです。
DVDは、つい最近レリリースされました。
この演奏を実際に聴かれたとは!
うらやましい限りです。マタチッチは本当に「生で聴きたい」と思えてならなかった音楽家の一人でした。73年、75年、そして84年と、放送で接し圧倒され続けました。
ベト7とブラ1を一晩で、というプログラムも凄いですが、音楽は全然衰えていませんね。
ブルックナー8番の評判についてはCDリリース時にレコ芸の海外批評の記事か何か(立体評でしたか?)で私も読んだ記憶があります。何の思い入れもない聴き手からみれば、そう受け取られるのもありなのかも知れません。私には考えられないことですが・・・(苦笑)。
コメント、ありがとうございました。よろしかったらまたお越し下さいませ。
私はこちらは買わずブルックナー8番と
チェリの・プロコフィエフ:古典交響曲、ラヴェル:マ・メール・ロワ、ベートーヴェン:交響曲第7番を買いました。
ゆっくりと全曲聴ける時までお預けですね。
件のチェリのディスクは、まだ買ってません。ラヴェルだけはクラシカの録画を譲っていただいて、観ましたが、あれもなかなか興味深いですね。ベト7など、早く観たいです。