ハルサイ100周年だから、やっぱりレニーのも採り上げないとね。
ストラヴィンスキー/バレエ音楽≪春の祭典≫
管弦楽:ニューヨーク・フィルハーモニック
指揮:レナード・バーンスタイン
録音:1958年1月20日
この演奏は、1970年代の初めころは廃盤でしたが、CBSソニーから出た「これが○○だ!」という2枚組の作曲家シリーズのストラヴィンスキー編にて復活しました。
私は、そのレコードを友人に借りてカセットテープに録って聴いていました。その数年後、1300円シリーズでベートーヴェン7番や幻想交響曲(いずれも旧録音)などと共に再発売され、その時に購入しました。
高校生の時、学校の音楽準備室だったか図書室だったか忘れましたが、1960年頃のレコ芸(だったか「音楽の友」だったか?)を見たら、普及しつつあるステレオ録音について何人かの評論家たちが「ああだこうだ」と語り合っている座談会コーナーがありました。その中で当録音が話題になっていて、誰だったか全然覚えていませんが、一人の評論家が「あっちこっちから音聞こえてきて不自然・・・」みたいなことを言っていました。
たしかに、初期ステレオとは言え、左右にかなり散った楽器配置は、今聴くとプッと吹き出しそうではありますが、そんなもん、聴き始めて数分で慣れてしまいます。
そして、これは、今聴いても、全然色褪せない魅力を放つ演奏だと思います。
オーケストラは上手いですが、ことさら音を磨くことに腐心しているようには思えません。
むしろ、荒削りの風合いをわざと残しているような、音が耳にザラザラと擦れて熱をもってくるような感触が持続しています。
決してスマートとは言えない、ヴぅいぃぃぃぃ~ん、と微妙に曖昧化したアインザッツが野性味を醸し出して、それも魅力的。
音が間近に聞こえるようなデッドな録音も、この曲には合っいて、ほどよいエコーや絶妙な遠近感を持った録音よりも、このワイルドな録音は私にはうれしい。
そして「どぎつい」不協和音や、漸強弱も、地均し無しの「むきだし」「まんま」で鳴り響いていく様はなんとも爽快。
たぶん、録音当時、レニーが「ここは、この曲ならではの独特の聞かせどころ」と認識したところは、全て、そのように鳴らしていると思います。
そういうのを人によっては「説明的」とか「これ見よがし」とか言うのかも知れませんね。
まあ、感じ方は人それぞれです。
私の持っているのはロイヤルエディション盤。ジャケがあまり好きでないのでトップから外しました。
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