静かな場所

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朝比奈隆、92年のベートーヴェン/交響曲第7番を聴く

2014年09月26日 17時26分04秒 | ベートーヴェン
たまには「おっさん」の世界が恋しくなりますよ、やっぱり。


ベートーヴェン/交響曲第7番



管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団



指揮:朝比奈隆



録音:1992年


 他人様になんと言われようと、やっぱり私は朝比奈隆の創り出す音楽が好きだ。
 昨日は、この92年に録音された7番を聴いて、大変気持ちよく満ち足りた思いになった。
 もう冒頭から、例の「平板モード」、と言うとマイナス・イメージを持たれそうだが、彼の指揮でよく聴かれる強弱の差がさほど大きくないスタイルは、独特のスケールを醸し出す。
 トゥッティの和音と木管のソロの目一杯な音の渡り合いに胸がすっとする。
 序奏における弦の刻みも然り。
 目の前に広々とした何か(草原とか宇宙とか・・・なんでもいいけど「でっかい景色」)が広がっていくようないい気分。
 もちろん主部も。
 とにかく「抑えよう」という方向での指示は氏はあまり出していないのではないか?と思える程に、弦も管も「目一杯に」鳴らしている。
 第2楽章のテーマが、こんなに分厚く朗々と歌われるのって、なんか新鮮だ。
 全リピート敢行で第3楽章が11分50秒、終楽章は9分35秒。
 音量差少なくテンポもほとんどいじくらない、ただただ無骨に進んでいく能面モードだけど、そして、けっこう速いテンポなんだけど、不思議に悠然としていて、終始、心地よい風が吹き抜けていくような演奏は、あんまり他の盤では味わえない朝比奈氏独特の世界だと思う。

 当時、オケとはいろいろあったようなことも見聞きしたけど録音を聴く限りでは、そんなことは全く感じられないし、そんなことはどうでもいいこと。
 充実した48分間でした。









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