静かな場所

音楽を聴きつつ自分のため家族のために「今、できることをする」日々を重ねていきたいと願っています。

ノリントンのベートーヴェン「第9」を聴く

2010年07月16日 07時22分12秒 | ベートーヴェン
「ながら聴き」の感想は、あんまりよろしくないのですが、食器洗いながらだと、けっこう頭も心も音楽に集中できるからいいでしょう。何度も繰り返し聴きましたし・・・。


ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱」

sop: C.ニルント、
alt: I.フェルミリオン
ten: J.カウフマン
bas: F-J.ゼリーク

合唱: シュトゥットガルト・ゲヒンガー聖歌隊


管弦楽:シュトゥットガルト放送交響楽団



指揮:ロジャー・ノリントン


録音:2002年、ライヴ



 ちょっと前のことですが、ノリントンのベートーヴェン交響曲全集がタワーで1990円だったので、つい買ってしまいました。ノリントンは、どうも私と相性が合わない指揮者で、今まで入手した盤はそれほど多くないものの、全て手放しております。旧録のベートーヴェン交響曲全集、「悲愴」・・・ん?それだけだったかな?記憶にも残ってないです。
 このベートーヴェン全集も、まだ全部は聴いていないのですが、あと、7番8番を残すのみとなりました。簡単に言うと、やっぱり、あんまり好きではありません。面白いのですけどね。自分がベートーヴェンの交響曲で「こういうふうに聴きたい」ってのと全然違う音楽ばかりを聴かせてくれるので・・・。(たぶん)すごく一生懸命やっているし、「おお、こういう風にできるのか!」と新鮮な驚きにも満ちています。決して単なる小細工の連続でない演奏群です。ですが、(私には)「もういいよ」って思えてしまう演奏群。
 しかし、「第9」のフィナーレはなんか違ったなぁ。ピピッときました。この楽章はもともとハチャメチャで、作曲者自身も「あとで書き直そう」って思っていたらしい(伝聞による、はっきりしない説。たぶん岩城さんが以前TVで喋ってた)ので、ノリントンがいくらごちゃごちゃやってもたいしたことなかったのかも知れませんが(????)、特に声楽が入ってからは良かったです。だから、これはすんなりと聴けました。
 二重フーガは、これくらのテンポじゃないといけませんよね。私は昔むかし、アマチュア合唱団員として「第9」のステージには4回立ちましたが、このフーガと最後のピュゥ・アレグロをきちんと歌えないテンポでやる指揮者はイカンと思います。ろくに音符に追いついていないのに、やたらアクセルふかしてお祭り騒ぎで興奮させて誤魔化すようなアプローチには、もう引っかからない年齢になってしまいました。音響の泥団子状態では逆に冷めてしまいます。もちろん、急速でも完璧に歌えるスグレモノ合唱団ならいいですけどね。まあ、スピード違反でも納得させられちゃう演奏もありますけどね。このノリントンやクーベリックのディスクくらいのテンポで、合唱もオーケストラもしっかりと鳴らして、音符を丁寧にトレースしてくれる方が鳥肌が立つような感動を受けるのです。
 あと無感情の支配するような第2楽章も彼のはいい。少なくともマズアの、あのディミヌエンドするティンパニよりずっと好きです。
 うぅぅん、ノリントンもいいじゃないか。このセットは、すぐに手放さないで、もうちょっとお付き合いさせていただこうかな。
 でも、「第5」と「田園」は、二度と聴かないかも・・・ね。








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