静かな場所

音楽を聴きつつ自分のため家族のために「今、できることをする」日々を重ねていきたいと願っています。

M・ティルソン・トーマスのベートーヴェン交響曲全集を聴いた

2011年11月20日 21時41分31秒 | ベートーヴェン
 ティルソン・トーマスのベートーヴェン交響曲全集を、10月の終わりに1番から聴き始め、今日、「静かな海と楽しい航海」で6枚を「きちんと」聴き終えた。



 ピリオド・アプローチがまだ全盛じゃなかったころ、巨匠時代の名残でもなく、かといって斬新さを思いっきり前面に出すでもない独特なアプローチで取り組まれたベートーヴェン。
 初出のころはほとんど聴いていない。今回、聴いてみて、これはとても良かった。
もう今では「やりつくした」感のある、楽譜のあちらこちらの目立つ処理とかバランスとか穿り(ほじくり)返しとか、そういうものが嫌味なく何とも初々しく真っ当に聴こえる。
 小さく刈り込んだ編成で鳴るオケは重厚さはそれほどでもないが、音楽自体の大きさや広がりは十分に出ている。譜面そのものに語らせている、とでも言ったらいいのか。
 以前だったら「中途半端」と聴いたかも知れない、このスタイルが、今、本当に新鮮だ。
 エロイカの終楽章で一部、弦がソロで弾かれる部分の何と愉悦に満ちたことか!
 いろいろと、珍しい合唱作品がちりばめられているのも嬉しい。

 
 ところで、今日の午後、「第9」を聴き始める少し前、カーテン越しに外を見たら虹が架かっていた。
 きれいに両端が地表まで伸びて、アーチを描いていた。きれいだったなぁ。
 反対側は黒雲が速くうごめき、一時しぐれて虹は消えた。その後、空気は次第にひんやりとしてきた。冬近し、だな。







ベートーヴェン:交響曲全集
トーマス(マイケル・ティルソン),マルトン(エヴァ),アンブロジアン・シンガーズ,タリス室内合唱団,マーフィー(スザンヌ),ワトキンソン(キャロライン),オニール(デニス)
SMJ


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