静かな場所

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バーンスタインNYPでシューマン/交響曲第4番を聴く

2012年10月12日 17時45分15秒 | バーンスタイン(独墺系音楽)
10月14日の命日に関連してレニーを聴くシリーズ。
今日も60年代レニーの快演。


シューマン/交響曲第4番


管弦楽:ニューヨーク・フィルハーモニック



指揮:レナード・バーンスタイン



録音:1960年



 前にも書いたが、バーンスタインの振るシューマン4番は1972年の夏、テレビで観た。ロンドン響とのライヴだった。
 前年にヴェルディのレクィエムの放送を観て1年が過ぎ、また動くレニーの姿が見られるということでワクワクものだった。
 その放送では、バーンスタインが意外に背が低いのが印象的だった。前年のヴェルディでは、そうは感じなかったのに、この放送では指揮台に立つバーンスタインがたいそう小柄に見えたものだ。
 どんな演奏だったのかは、ほとんど憶えていない。当時はまだシューマン4番をそれぼと聴き込んでいなかった。

 このNYPとの演奏は1960年の10月10日の録音。
 この日は他に、同じくシューマンの2番やウェーバーの序曲2曲も録音されている。
 たぶん、ほとんど一発録りに近いセッションで録られただろう。楽章間はスタジオ・ノイズが持続する中、切れ目無く次に進んでいる。
 きわめて溌剌としたライヴ感溢れる演奏である。
 人によっては「はしゃぎ過ぎ」「明る過ぎ」と言うかも知れないが、私は好きである。
 管楽器個々の短いフレーズを閃光のように目立たせながら加速するスリリングな第1楽章末尾。
 一転して、丁寧にフレーズを歌う第2楽章。
 第3楽章は、またも快速で空気を刻む。
 そして、移行部分で丁寧にその霊的雰囲気を醸し出しつつフィナーレに突入すると、またもアクセルふかしてぶっ飛ばす。
 そのスピード感の何とも気持ちよいこと。
 加速減速・漸強弱が交錯するコーダは、頭で考えたというよりは、その場で本能的に「ほとばしり出た」かのような即興的なものであり、楽器の出が揃っていなかったりホルンが鳴りきらなかったりしてもお構い無しに進んで終わる。
 演出やその効果よりも作品そのものを大事にしたバーンスタインらしい高揚感は、いつ聴いても新鮮で魅力的である。

 この演奏を初めて買ったのは、もう20年近く前の東京出張の際、どこかのHMVで。
 当時は、もちろんネット通販もなく、都市部に出かけるたびに大型ショップや有名中古店をほぼ一日がかりでまわり、重い荷物を手に帰宅するのが常だった。
 今日、聴いたのは、最近入手した例の交響曲BOXから。




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