31日に日本センチュリー交響楽団三重特別演奏会を聴いてきました。
今年4回目のプロ・オケのコンサートでした。その4回中3回がセンチュリー響という・・・!
♪♪♪♪♪ プログラム ♪♪♪♪♪
スメタナ:連作交響詩「わが祖国」より"モルダヴ"
リスト:ピアノ協奏曲 第1番 変ホ長調
ソリスト・アンコール*リスト/愛の夢
休憩
ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 作品95「新世界より」
アンコール*ブラームス/ハンガリー舞曲第1番
ピアノ:金子三勇士
管弦楽:日本センチュリー交響楽団
指揮:飯森範親
2015.10.31 15:00開演
三重県文化会館大ホール
飯森さんの指揮は2回目です。
今回、飯森さんの特質というか美質みたいなものが前回よりもよく分かった気がしました。
どの曲も、特に「おっ」とか「ええっ!」と思うような、所謂「奇をてらった」ところはありませんが、細部の仕上げ感が絶えず安定していて聴いていて気持ちいい。
また、振幅の小さい微妙な「揺らし」やキラリと光る美しいフレイジングも時折あって、曲が全く弛緩することなく、進むにつれてどんどん音楽に引きこまれていく、という感じでした。
前回のベートーヴェンでは、そこまで感じませんでしたが、昨日の、特に「新世界より」で、そう感じました。
地方暮らしの私ですが「新世界より」の実演には、もう何度も接してきました。
正直なところ、途中で気持ちが途切れたり退屈したり、なんか一時的に方向を見失ったような演奏に遭遇したりもしましたが、今回は、そういうのとは全然違っていました。
第2楽章終盤の弦の重奏の部分がとてもしんみりと「静かなクライマックス」として会場の空気を止めていくあたり、本当によかったです。
いろんなアプローチがある中で、オーソドックス路線で突き進みながら新鮮味を失わない「新世界より」を味わいました。
アンコールのハンガリー舞曲第1番は、そういうスタイルに即興的な乗り乗り感が加味されて、しっかり堪能しました。
順番が逆になっていますが・・・・
2曲目、リストの第1コンチェルトは意外に生でよく聴いてきた曲です。
長さもちょうどよく、すっきりと聴きやすい。
しかし、(たぶん)技巧的には大変な曲なのでしょうね。
今まで聴いた中では、けっこう「ガチャガチャ感」いっぱいだったり、音が器からパラパラと洩れ落ちるような演奏もありました・・・。
今回のピアニスト、金子三勇士さんは日本人の父とハンガリー人の母のもとに生まれたという、ウチの長男よりもちょっと若い好男子。
顔は日本人が強く出ているようでしたが、表情や目の輝きは西洋人が強く出ていると見ました(なんのこちゃ???)。
私は、特に抒情的な部分でのピアノの美しさに聴き惚れました。
もちろん、激しいところ、速いパッセージも難なく安定していて鋭い切れ味を感じさせる演奏でしたね。
すごく安心して聴いていられたし、リストの抒情味を強く感じさせる演奏でした。
リストはふだんほとんど聴かないのですが、いろいろと聴きたくさせられました。
アンコールは「愛の夢」。
それにしても三勇士さん、聴衆にお辞儀するときの姿勢とか立ち振る舞いが何とも素晴らしかったです。
また、ぜひ聴きたいピアニストです。
プログラムを逆にたどって、1曲目は「モルダウ」でした。
「わが祖国」全曲の実演は今まで4回。「モルダウ」だけ聴いたのは・・・伊勢管以外にはただちに思い出せません。
耳タコな名曲ですが、やっぱり、あの「高い城」のメロディが誇らかに鳴り響き、シンバルの打音が何度も空間を裂くあたりの高揚感はいいですね。感動します。
冒頭のフルートと弦のピチカートで、ちょっと音程が違うように聞こえたのは、私の耳がだめなのでしょう、きっと。
全体に、桑名で聴いたときよりも(当然ながら)精緻さは増していました。
技術的な安定感としては沼尻さんと来県したときに一歩譲る感じでしたが、曲を味わうのに何ら不都合はありませんでした。
来年は7月に「未完成・運命・展覧会の絵」という、なんとも言えないプログラムで来てくれることになっています。ラーチャン・セットに餃子付きみたいなボリューム感ですが、勝手な希望を言えば、地方公演でも定期で採りあげるようなプログラミングをお願いしたいものです。
新日フィルも三重にはよく来てくれますが、かつて、小澤さんは東京のプログラムをそのまま持ってきてやってくれることが多かったです。マーラーの7番、ブルックナーの2番、チャイコフスキーの1番などなど・・・。
まあ次回も、きっと今回のような新鮮で中身の濃い演奏をしてくれるでしょうから楽しみに待つことにしましょう。
会場で何人か知り合いに会いましたが、私の主治医先生(血液内科)にもお会いして驚きました。そういえば、主治医先生もクラシック聴くとか看護師さんたち言ってました。無菌室にいたときに回診にみえた際、枕元に置いていたCDを見て「ほほぅ~」と意味ありげに微笑まれたりしてたのを思い出しました。
今年4回目のプロ・オケのコンサートでした。その4回中3回がセンチュリー響という・・・!
♪♪♪♪♪ プログラム ♪♪♪♪♪
スメタナ:連作交響詩「わが祖国」より"モルダヴ"
リスト:ピアノ協奏曲 第1番 変ホ長調
ソリスト・アンコール*リスト/愛の夢
休憩
ドヴォルザーク:交響曲 第9番 ホ短調 作品95「新世界より」
アンコール*ブラームス/ハンガリー舞曲第1番
ピアノ:金子三勇士
管弦楽:日本センチュリー交響楽団
指揮:飯森範親
2015.10.31 15:00開演
三重県文化会館大ホール
飯森さんの指揮は2回目です。
今回、飯森さんの特質というか美質みたいなものが前回よりもよく分かった気がしました。
どの曲も、特に「おっ」とか「ええっ!」と思うような、所謂「奇をてらった」ところはありませんが、細部の仕上げ感が絶えず安定していて聴いていて気持ちいい。
また、振幅の小さい微妙な「揺らし」やキラリと光る美しいフレイジングも時折あって、曲が全く弛緩することなく、進むにつれてどんどん音楽に引きこまれていく、という感じでした。
前回のベートーヴェンでは、そこまで感じませんでしたが、昨日の、特に「新世界より」で、そう感じました。
地方暮らしの私ですが「新世界より」の実演には、もう何度も接してきました。
正直なところ、途中で気持ちが途切れたり退屈したり、なんか一時的に方向を見失ったような演奏に遭遇したりもしましたが、今回は、そういうのとは全然違っていました。
第2楽章終盤の弦の重奏の部分がとてもしんみりと「静かなクライマックス」として会場の空気を止めていくあたり、本当によかったです。
いろんなアプローチがある中で、オーソドックス路線で突き進みながら新鮮味を失わない「新世界より」を味わいました。
アンコールのハンガリー舞曲第1番は、そういうスタイルに即興的な乗り乗り感が加味されて、しっかり堪能しました。
順番が逆になっていますが・・・・
2曲目、リストの第1コンチェルトは意外に生でよく聴いてきた曲です。
長さもちょうどよく、すっきりと聴きやすい。
しかし、(たぶん)技巧的には大変な曲なのでしょうね。
今まで聴いた中では、けっこう「ガチャガチャ感」いっぱいだったり、音が器からパラパラと洩れ落ちるような演奏もありました・・・。
今回のピアニスト、金子三勇士さんは日本人の父とハンガリー人の母のもとに生まれたという、ウチの長男よりもちょっと若い好男子。
顔は日本人が強く出ているようでしたが、表情や目の輝きは西洋人が強く出ていると見ました(なんのこちゃ???)。
私は、特に抒情的な部分でのピアノの美しさに聴き惚れました。
もちろん、激しいところ、速いパッセージも難なく安定していて鋭い切れ味を感じさせる演奏でしたね。
すごく安心して聴いていられたし、リストの抒情味を強く感じさせる演奏でした。
リストはふだんほとんど聴かないのですが、いろいろと聴きたくさせられました。
アンコールは「愛の夢」。
それにしても三勇士さん、聴衆にお辞儀するときの姿勢とか立ち振る舞いが何とも素晴らしかったです。
また、ぜひ聴きたいピアニストです。
プログラムを逆にたどって、1曲目は「モルダウ」でした。
「わが祖国」全曲の実演は今まで4回。「モルダウ」だけ聴いたのは・・・伊勢管以外にはただちに思い出せません。
耳タコな名曲ですが、やっぱり、あの「高い城」のメロディが誇らかに鳴り響き、シンバルの打音が何度も空間を裂くあたりの高揚感はいいですね。感動します。
冒頭のフルートと弦のピチカートで、ちょっと音程が違うように聞こえたのは、私の耳がだめなのでしょう、きっと。
全体に、桑名で聴いたときよりも(当然ながら)精緻さは増していました。
技術的な安定感としては沼尻さんと来県したときに一歩譲る感じでしたが、曲を味わうのに何ら不都合はありませんでした。
来年は7月に「未完成・運命・展覧会の絵」という、なんとも言えないプログラムで来てくれることになっています。ラーチャン・セットに餃子付きみたいなボリューム感ですが、勝手な希望を言えば、地方公演でも定期で採りあげるようなプログラミングをお願いしたいものです。
新日フィルも三重にはよく来てくれますが、かつて、小澤さんは東京のプログラムをそのまま持ってきてやってくれることが多かったです。マーラーの7番、ブルックナーの2番、チャイコフスキーの1番などなど・・・。
まあ次回も、きっと今回のような新鮮で中身の濃い演奏をしてくれるでしょうから楽しみに待つことにしましょう。
会場で何人か知り合いに会いましたが、私の主治医先生(血液内科)にもお会いして驚きました。そういえば、主治医先生もクラシック聴くとか看護師さんたち言ってました。無菌室にいたときに回診にみえた際、枕元に置いていたCDを見て「ほほぅ~」と意味ありげに微笑まれたりしてたのを思い出しました。
すでにパブリックドメインになったような過去の大家の演奏もいいですが、こういうフレッシュでイキのいい若手の演奏家を聴くのも、楽しみですね。
金子三勇士さんのこと、飯森さんは三重県文化会館のサイトの動画で「みゅうじさん、ミュージシャン」とかおっしゃってました(笑)。
もう、生まれた時からこうなる運命だったかのような、そんな若者でした。
「いまどき」の音楽家については、今回のような実演や放送が、その演奏に接する貴重な機会になっています。