秋分の日前日に聴いたレコード。
大中 恩/花のある杜(佐藤春夫作詩)
同 /祝婚歌(野上 彰作詩)
日本アカデミー合唱団
ピアノ:三浦洋一
指揮:福永陽一郎
㈱東芝EMI TA8027
高校生のときは合唱三昧の日々だった。で、大中作品にも一時は随分とのめりこんだ。
コンクール全国大会ライヴでの神戸高校の「島よ」(Ⅲ、Ⅳ)に痺れて痺れてシビレまくってたのも、その頃。
高2の冬に2日間、高3の春に1日、私たちの合唱部は大中恩氏の指導を受ける機会にも恵まれた。
前者は高校の音楽発表会に向けて「島よ」全曲に取り組んでいた時だった。
後者は「海の若者」「沼」「花笛」の三曲と「子どもの歌」数曲。これは、コールmegの伊勢公演に私たちのクラブも賛助(?)出演させていただくことになり、その時に歌う曲を指導していただいたというものだった。
大学に行ってもヒマがあれば帰省しての部活通いが続いた。
というのも、私たちが卒業すると同時に顧問の先生も異動となり、新たに赴任されたU先生の指導にすっかり惚れ込んでしまったからである。ヴァイオリンも堪能であり歌唱力、音感共に前顧問とは正直雲泥の差に思えた。前顧問も熱心な先生ではあったが音楽性はあれだったし、どちらかというと才能ある講師陣を招聘して下ごしらえをした上で指揮台に上がる、という人であった。それに比して、自分の力でどんどん音楽を創っていかれるU先生の練習は、私には時間を忘れさせるものであり刺激と学びに満ちたものであった。
・・・そうこうしているうちに大中作品への熱は次第に冷めて、いつの間にかほとんどの曲が「聴くのが気恥ずかしい」とさえ思えるようになってしまった(まるでやまがたすみこの歌みたいに)。
今、ごくたまに取り出して聴く大中作品は、ほとんどが初期のものである。
従兄弟の阪田寛夫氏とのコンビ作品よりも、「淡月梨花の歌」や「秋の女よ」、それと、この2曲などが好きだ。組曲「遥かなものを」はガチャガチャしているけども不思議と気に入っている。
(あれは、ある場所で実演を聴いた時の空気とあまりにピッタンコだったから、その臨場感が聴くたびに思い起こされるからだろう。)
祝婚歌については、このレコードで指揮をしている故福永氏がえらい思い入れでライナーを書いている。これも読んでいる方が気恥ずかしくなるような文章だ。
「熱い」人だったんだなぁ~。
でも、この曲は本当!大中作品ではピカ一。ステキな輝きに満ちた曲であり、私も大好きである。憑かれたように伴奏を弾きまくっていた時期もあった。勿論、難易度高いところは飛ばして・・・・。
「結婚」というものをこれだけ熱く崇高に褒め称えた楽曲も珍しいのではないか?
野上さん、すごい!結婚前にこの曲を聴いて、後に現実とのギャップに苦しんだ人もいたのではないだろうか。
「花のある杜」は対照的に、3分に満たない、ごく控え目なひとときの寂しすぎるほどの幸福感を歌った無伴奏の佳曲である。
「かく わたくしは 仕合せだった このうえなしの 仕合せだった 花のある杜では」
このレコードは高校3年の誕生日プレゼントの3枚のうちの一枚。あとの2枚は、リパッティとラッスス(レクィエム)だった。
大中 恩/花のある杜(佐藤春夫作詩)
同 /祝婚歌(野上 彰作詩)
日本アカデミー合唱団
ピアノ:三浦洋一
指揮:福永陽一郎
㈱東芝EMI TA8027
高校生のときは合唱三昧の日々だった。で、大中作品にも一時は随分とのめりこんだ。
コンクール全国大会ライヴでの神戸高校の「島よ」(Ⅲ、Ⅳ)に痺れて痺れてシビレまくってたのも、その頃。
高2の冬に2日間、高3の春に1日、私たちの合唱部は大中恩氏の指導を受ける機会にも恵まれた。
前者は高校の音楽発表会に向けて「島よ」全曲に取り組んでいた時だった。
後者は「海の若者」「沼」「花笛」の三曲と「子どもの歌」数曲。これは、コールmegの伊勢公演に私たちのクラブも賛助(?)出演させていただくことになり、その時に歌う曲を指導していただいたというものだった。
大学に行ってもヒマがあれば帰省しての部活通いが続いた。
というのも、私たちが卒業すると同時に顧問の先生も異動となり、新たに赴任されたU先生の指導にすっかり惚れ込んでしまったからである。ヴァイオリンも堪能であり歌唱力、音感共に前顧問とは正直雲泥の差に思えた。前顧問も熱心な先生ではあったが音楽性はあれだったし、どちらかというと才能ある講師陣を招聘して下ごしらえをした上で指揮台に上がる、という人であった。それに比して、自分の力でどんどん音楽を創っていかれるU先生の練習は、私には時間を忘れさせるものであり刺激と学びに満ちたものであった。
・・・そうこうしているうちに大中作品への熱は次第に冷めて、いつの間にかほとんどの曲が「聴くのが気恥ずかしい」とさえ思えるようになってしまった(まるでやまがたすみこの歌みたいに)。
今、ごくたまに取り出して聴く大中作品は、ほとんどが初期のものである。
従兄弟の阪田寛夫氏とのコンビ作品よりも、「淡月梨花の歌」や「秋の女よ」、それと、この2曲などが好きだ。組曲「遥かなものを」はガチャガチャしているけども不思議と気に入っている。
(あれは、ある場所で実演を聴いた時の空気とあまりにピッタンコだったから、その臨場感が聴くたびに思い起こされるからだろう。)
祝婚歌については、このレコードで指揮をしている故福永氏がえらい思い入れでライナーを書いている。これも読んでいる方が気恥ずかしくなるような文章だ。
「熱い」人だったんだなぁ~。
でも、この曲は本当!大中作品ではピカ一。ステキな輝きに満ちた曲であり、私も大好きである。憑かれたように伴奏を弾きまくっていた時期もあった。勿論、難易度高いところは飛ばして・・・・。
「結婚」というものをこれだけ熱く崇高に褒め称えた楽曲も珍しいのではないか?
野上さん、すごい!結婚前にこの曲を聴いて、後に現実とのギャップに苦しんだ人もいたのではないだろうか。
「花のある杜」は対照的に、3分に満たない、ごく控え目なひとときの寂しすぎるほどの幸福感を歌った無伴奏の佳曲である。
「かく わたくしは 仕合せだった このうえなしの 仕合せだった 花のある杜では」
このレコードは高校3年の誕生日プレゼントの3枚のうちの一枚。あとの2枚は、リパッティとラッスス(レクィエム)だった。
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