待望の大阪フィル定期を聴いてきました。大植さんではありませんでしたが、秋山さんも素晴らしい指揮者です。彼の指揮には今までに3回接していますが、いずれも好演。それに、なんと言ってもプログラムが魅力的でした。
大阪フィルハーモニー交響楽団 第406回定期演奏会
指揮:秋山 和慶
チェロ:ジャン・ワン
曲目
エルガー:チェロ協奏曲
バッハ:無伴奏チェロ組曲第5番よりアルマンド、同第4番よりサラバンド(アンコール)
ホルスト:組曲「惑星」
2007.3.30 ザ・シンフォニーホール
エルガーのチェロ協奏曲・・・悲惨な第一次世界大戦終結の直後に完成したという曲。
冒頭とそれに続く主題からは、暗澹(あんたん)たる状況から、心の平安を求めて這い上がろうとするかのような強さと願いを感じます。
ジャン・ワンのチェロは暖かく包み込むようでありながら渾身の演奏。
(彼は舞台に登場してから2曲のアンコールを終えるまで一度もチューニングをしませんでした)
そのチェロとデリケートに絡む管弦楽。
秋山さんの棒は昔と変わらず冴えてました。
微妙な表情の変化、強弱の妙を丁寧に描き分けていました。
「祈り」のような第3楽章は、部屋でディスクで聴いているのとは全く違う緊張感に満ちていました。
アンコールにバッハの無伴奏から2曲も弾いてくれました。
第5番からアルマンド、第4番からサラバンド。
どちらも、エルガーの詩的で祈りのような雰囲気から連なる空気の中での演奏でした。
後半の「惑星」は実演では初めて聴く曲。
たくさんの打楽器群を6人の奏者で受けもちます。
そうか、あの オーマンディのディスクでは2台のティンパニを左右に離して配置した録音だったんだなって分かりました。
そして曲は、やっぱりすごかった!
大音響へのクレッシェンドが恐ろしい「火星」。
音量はもう飽和状態かと思いきや、バス・ドラムの一撃が、まだまだその上があることを刻印し、聴き手を翻弄します。
「金星」は、もうちょっと音にきらびやかさが欲しかったですね、贅沢な要求ですけど・・・。コンマス氏のソロもちょっと???でした。
「水星」の転がるような感覚を秋山さんは見事に描いていました。
そして「木星」・・・例のメロディが生で聴くとこんなにも心に沁みてくるとは思ってもみませんでした。ちょっと来ちゃいましたね。
そして前後の圧倒的な迫力。
この「木星」を境に、曲趣は次第にはるかな宇宙の混沌へと傾いていきます。
以前、FMで下野竜也さんが振った演奏を聴きましたが、彼は、この木星を挟んだ前後の3曲ずつをほとんどアタッカでつないで演奏していました。
木星を中間点として、前半3曲と後半3曲をそれぞれまとまった一つの曲のように構成していたのですが、その意図も分かる気がしました。
真中の木星の、そのまた真ん中に例のメロディが座しているんですね。まるで台風の目のように、そこだけがノスタルジックな懐かしい風に吹かれているのでした。
「土星」では、後半のハープの同音繰り返しとコントラバスとが対話する部分が好きです。
「魔法使いの弟子」から着想を得たと言われる「天王星」では、打楽器群の活躍とオルガンの重低音に魅せられ、最後の「海王星」は、はるか彼方の宇宙空間に漂う幻想を十分に感じさせました。
後半の女声合唱は、「入り」の部分こそ神秘的だったものの、あとの方は、いかにも「肉声」っぽくて、その人間臭さがかえって地球に戻ってきたかのような感じでもありましたか゛、まあ、そこまで期待するのは野暮かも知れませんね。
大フィルのコンディションも万全ではなかったかも知れません。「おおっ?」と思う場面もいくつかありましたので・・・。
しかし熱演でした。
2曲の魅力に酔いしれた演奏会でした。
エルガーのチェロ協奏曲・・・悲惨な第一次世界大戦終結の直後に完成したという曲。
冒頭とそれに続く主題からは、暗澹(あんたん)たる状況から、心の平安を求めて這い上がろうとするかのような強さと願いを感じます。
ジャン・ワンのチェロは暖かく包み込むようでありながら渾身の演奏。
(彼は舞台に登場してから2曲のアンコールを終えるまで一度もチューニングをしませんでした)
そのチェロとデリケートに絡む管弦楽。
秋山さんの棒は昔と変わらず冴えてました。
微妙な表情の変化、強弱の妙を丁寧に描き分けていました。
「祈り」のような第3楽章は、部屋でディスクで聴いているのとは全く違う緊張感に満ちていました。
アンコールにバッハの無伴奏から2曲も弾いてくれました。
第5番からアルマンド、第4番からサラバンド。
どちらも、エルガーの詩的で祈りのような雰囲気から連なる空気の中での演奏でした。
後半の「惑星」は実演では初めて聴く曲。
たくさんの打楽器群を6人の奏者で受けもちます。
そうか、あの オーマンディのディスクでは2台のティンパニを左右に離して配置した録音だったんだなって分かりました。
そして曲は、やっぱりすごかった!
大音響へのクレッシェンドが恐ろしい「火星」。
音量はもう飽和状態かと思いきや、バス・ドラムの一撃が、まだまだその上があることを刻印し、聴き手を翻弄します。
「金星」は、もうちょっと音にきらびやかさが欲しかったですね、贅沢な要求ですけど・・・。コンマス氏のソロもちょっと???でした。
「水星」の転がるような感覚を秋山さんは見事に描いていました。
そして「木星」・・・例のメロディが生で聴くとこんなにも心に沁みてくるとは思ってもみませんでした。ちょっと来ちゃいましたね。
そして前後の圧倒的な迫力。
この「木星」を境に、曲趣は次第にはるかな宇宙の混沌へと傾いていきます。
以前、FMで下野竜也さんが振った演奏を聴きましたが、彼は、この木星を挟んだ前後の3曲ずつをほとんどアタッカでつないで演奏していました。
木星を中間点として、前半3曲と後半3曲をそれぞれまとまった一つの曲のように構成していたのですが、その意図も分かる気がしました。
真中の木星の、そのまた真ん中に例のメロディが座しているんですね。まるで台風の目のように、そこだけがノスタルジックな懐かしい風に吹かれているのでした。
「土星」では、後半のハープの同音繰り返しとコントラバスとが対話する部分が好きです。
「魔法使いの弟子」から着想を得たと言われる「天王星」では、打楽器群の活躍とオルガンの重低音に魅せられ、最後の「海王星」は、はるか彼方の宇宙空間に漂う幻想を十分に感じさせました。
後半の女声合唱は、「入り」の部分こそ神秘的だったものの、あとの方は、いかにも「肉声」っぽくて、その人間臭さがかえって地球に戻ってきたかのような感じでもありましたか゛、まあ、そこまで期待するのは野暮かも知れませんね。
大フィルのコンディションも万全ではなかったかも知れません。「おおっ?」と思う場面もいくつかありましたので・・・。
しかし熱演でした。
2曲の魅力に酔いしれた演奏会でした。
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