静かな場所

音楽を聴きつつ自分のため家族のために「今、できることをする」日々を重ねていきたいと願っています。

伊藤智也選手、お疲れ様でした!

2012年09月12日 21時49分20秒 | Dialy
 金本も引退を表明したし、パラリンピックも終わってしまったし、党首選立候補者はポコポコと出てくるし、雰囲気だけは秋がどんどん深まっているんだけど・・・。昼間は、まだまだ「真夏」の暑さ。毎日、汗まみれで仕事しています(時間限定の非常識、じゃなくて非常勤ですけど)。
 まあ、夜から朝にかけては、ずいぶんと過ごしやすくなってきた(って言っても、その時間はほとんど寝ていますが)けどね。


 パラリンピック、終わってしまった・・・わずかな放送時間だったけど、しっかり観た。
 実は、こんなに熱心に応援したのは今大会が初めて。
 生中継がなかったので、あらかじめ結果が分かっているのを見るというのが寂しかった。
 でも、(内容は)良かった。
 特に我が三重県の伊藤智也選手には注目していた。
 今日の新聞に、伊藤選手に県民特別栄誉賞が送られると報じられていた。嬉しいことだ。

 お恥ずかしいことだが、彼のことを知ったのは今回のパラリンピックから。
 伊藤さんが競技に出場するちょっと前に、NHKアーカイブスで伊藤さんの特集があった。この番組で伊藤さんのことを知った。

【以下、番組HPより引用】
8月29日に開幕する障害者スポーツの祭典「ロンドンパラリンピック」。車いす陸上競技の日本代表・伊藤智也さん(49歳)は、難病と闘いながら、前人未到の4冠に挑む。
北京パラリンピックで400mと800mの二つの金メダルに輝いた伊藤さんは、今回、100m、200m、400m、800mの4種目の代表となり、いずれも金メダルの有力候補である。
NHKアーカイブスには、伊藤選手が初出場となったアテネパラリンピックをめざして、車いすマラソンに挑む姿を描いたドキュメンタリーが残っている。1998年、34歳の時に中枢神経が侵される難病「多発性硬化症」を発症し、下半身が麻痺、左目の視力も失った伊藤さん。生きる希望を与えてくれたのは、車いす陸上との出会いだった。激しい運動が病状を悪化させる危険性もあるなかで、「今日を精一杯生きたい」「勝つことこそが生きる力になる」と厳しいトレーニングを続けた。その後、マラソンからトラックに転向、スピードに磨きをかけてきた。
番組では、8年前の伊藤選手に密着したドキュメンタリーを視聴。さらに、ロンドンを目指す最近の映像もまじえ、4冠を目指す伊藤選手の渾身の挑戦を追う。
・・・
引用、ここまで。


 8年前に放送された《にんげんドキュメント「走れ 疾風のごとく ~車いすマラソンにかけた父子」》と、今年の4月に放送された《ハートネットTV シリーズ パラリンピックへの挑戦(2)「前人未到の四冠へ ~車いす陸上 伊藤智也選手~」》(一部抜粋)を、ゲストの乙武洋匡さんと共に観る70分間だった。
 今まで、障害者を扱った番組にはほとんど出なかった乙武さんが、この番組のゲストとしてあえて出演した意味も大きかったが、何よりも、番組での伊藤選手に圧倒された。
 病気と闘いながら父親と二人三脚でのトレーニングを続けていた8年前の姿。
 それを、今、現在の出来事であるかのように食い入るように見た。
 そして、それから8年経っての、今回の大会での200m決勝。


 それまでの3レースでの伊藤選手のレース後コメントは常に明るく、結果に関係なく、ファンを意識したプロとして第一級の清々しさを感じさせていた。
 特に400m後のコメントは、舌好調であると共に、オリンピックの選手以上の素晴らしさだった。
 しかし、「現役最後」のレースとなった200mの後のそれは違った。
 彼はウイニングランのときに涙していた。
 いままででも、知らない所で弱音を漏らしたり悔しさを露にしたり感慨にふけったりされていたのかも知れないが、カメラの前ではそんな姿はなく、「プロ選手」としてのプライドとエンタな魅力は見事だった。
 その彼が、200mのあとはカメラの前で涙し絶句していた。
 インタビューはカットだらけだったので彼がどんなことを語ってくれたのか、その全ては分からないが、最初に出た言葉は

「つらかったよな」

 その言葉、たったひとことの「つらかったよな」の涙声に、どれだけの重みがあるか、たかがテレビ番組で知っただけの私でさえ、想像を超える重みがあることが真っ直ぐに伝わってきて、こちらもぐっと来てしまった。
 そのあとに聴けた言葉は思い出しても私は泣けてくる。

「こうしてね、8万人の皆さんに見守られて、レースの中に自分の人生があったことが、まさしく生きている証拠だと思うので・・・」
「もう二度と戻ってくることのないステージですから、観衆のみなさんを、逆にゆっくり観させていただきました。」


 最後はいつもの笑顔だった。
 最高にカッコ良く、かつ誠実なコメントだと思った。

 伊藤選手は今49歳。34歳で多発性硬化症を発症し、「余命どれだけ」と言われ「競技を続けることは寿命を縮める」とも言われての選手人生を歩んでこられた。
 番組中でもあったが、途中で同じ病の友が逝ってしまうことも経験されている。
 奥様も「本当の所は、出場して欲しくない(気持ちはある)」という意味のことも言われていた。
 そんなことやほかの諸々のことが全て、あのコメントの言いようの無い重みとなって私の胸にズンと響いている。


伊藤選手メディア出演予定↓
http://ito-tomoya.com/news/201209-mediaappearance/
今夜も明日も登場されます。












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2 コメント

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本当の感動。 (中瀬あや)
2012-09-12 23:21:07
先生、伊藤選手には本当に心から感動しました!
パラリンピックがスポットを浴びないのはずーっと気になっていましたが、それでも自分だけは応援しようと思っていました。
今回思い切ってFBに投稿したら、たくさんの方が中継を望んでいると知りました!
「次回のパラリンピックはぜひ中継を!」、という投稿をこまめにいろんな掲示板でしております♪
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>あやさん (親父りゅう)
2012-09-14 17:29:58
同情や義務感ではなく、純粋にスポーツとして、またエンタとして、その魅力を知る人が増えて欲しいですね。

テレビで伊藤選手も言っていましたが、日本のしょうがい者スポーツに対する理解もサポートも「国をあげて」低いのが現状で、(しかし管轄の省庁からして別だとは知りませんでしたが!)実態を知れば知るほど恥ずかしくなるほどですね。あれでは、政治家や有名人が何をエラそうなことを言っても他国から一流扱いされませんよね。
もちろん、私もパラリンピック開眼はつい先日ですから、エラそうなことは言えません。
まあ、来週のハートネットTVで、また余韻を楽しみますか。
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