≪2022年度 わが家の稲作日誌≫
(2022年10月29日投稿)
「2022年度 わが家の稲作日誌」として、今年度の稲作の主な作業日程を振り返ってみたい。合わせて、今年がどのような天候の下での稲作であったのか、回顧しておくことにしたい。
今年は、地区の集落委員を務めたので、『農業共済新聞』を購読することになり、参照すべき記事がいくつか掲載されていた。
また、農業関係では、次のような書籍を読んだので、関心のあるところをまとめておいた。
〇近正宏光『コメとの嘘と真実』角川SSC新書、2013年
〇田中修『雑草のはなし』中公新書、2007年[2018年版]
〇田中修『植物のひみつ 身近なみどりの“すごい”能力』中公新書、2018年
時に紹介してみたい。
執筆項目は次のようになる。
2022年の稲作行程・日程を箇条書きに書き出してみた。
・2022年3月8日(火) 晴 11℃(0~12℃)
9:00~9:30 春耕作の依頼に伺う
・2022年3月23日(水) 曇 9℃(2~10℃)
10:00~11:00 永小作の相談に伺う
・2022年4月21日(木) 曇 夕方から雨 18℃(10~21℃)
9:00~11:30 草刈り
前々日、コロナワクチン第3回目接種で、昨日は少し肩が痛かったが、今日は何とか回復。曇り空で、直射日光がなく、草刈りには良い。
・草刈りそのものは2時間で混合油が切れる。
(小道と小屋の周辺の草刈りは後日)
【メモ】
・久しぶりに刈り払い機のエンジンをかけるも、最初、なかなか始動せず。
(混合油も、次回は購入しないと足りない)
・畦の内側を優先的に草刈りし、次に畦の上、そして畦の外側という順序で、草刈りを進めて行く。
・雑草としては、カラスノエンドウ、クローバー、スミレ、タンポポが多い。
とくにカラスノエンドウが、畦と田んぼの中に繁茂しすぎ、手古摺る。
・中央の畦には、モグラの穴が数カ所あり。
【草刈り前の写真】
2022年4月21日の写真
田中修『植物のひみつ 身近なみどりの“すごい”能力』(中公新書、2018年)の「第四話 イネの“ひみつ」の項目である「なぜ、田植え前の田んぼに、レンゲソウが植えられるのか?」には、次のような内容が述べられている。
・6、70年前には、田植え前の田んぼでは、卵形の小さな葉っぱをつけた茎が地面を這うように、レンゲソウが育っていた。
花が咲くと、畑一面が紫色に染まり、その美しさは、春の田園風景の象徴でもあった。
☆「なぜ、田植え前の田んぼに、レンゲソウが育っているのか」という、素朴な“ふしぎ”が抱かれることがあった。
この“ふしぎ”を解くためには、植物たちの“ひみつ”を知らなければならないそうだ。
・レンゲソウは、タンポポのように、勝手に生える雑草ではない。
田植えをする田んぼに、前の年の秋にタネをわざわざまかれて、栽培される植物なのである。
育ったレンゲソウの葉っぱや茎は、田植えの前に土が耕されるとき、そのまま田んぼの中にすき込まれてしまう。
・この植物は、わざわざタネをまいて栽培され、きれいな花が咲いている時期、あるいは、そのあとにタネがつくられる時期に、土の中にすき込まれてしまう。
それを知れば、「なぜ、せっかく育ってきたのに、土にすき込まれるのか」や、
「レンゲソウは、何のために栽培されているのか」などの疑問が浮上する。
<レンゲソウの根粒菌>
〇実は、レンゲソウには、すばらしい“ひみつ”の性質がある、と田中氏はいう。
・元気に育つレンゲソウの根を土からそおっと引き抜くと、根に小さな粒々がたくさんついている。
この粒々は、根にできる粒という意味で、「根粒」といわれる。
その粒の中には、「根粒菌」という菌が住んでいる。この根粒菌が、すばらしい“ひみつ”の能力をもっている。
※植物が栽培されるときに必要とされる三大肥料は、窒素、リン酸、カリウムである。
・その中でも、窒素肥料は特に重要であるといわれる。
窒素は、葉っぱや茎、根などを形成するために必要であり、植物が生きていくために必要なタンパク質の成分だからである。
・また、窒素は、光合成のための光を吸収する緑の色素であるクロロフィルや、親の形や性質なども子どもに伝えていくための遺伝子にも含まれる成分だからである。
⇒だから、窒素は、それらの物質をつくるのに必要なものであり、植物が成長するには、必要不可欠な物質である。
そのため、私たちは植物を栽培するときには、窒素肥料を与えなければならない。
〇さて、レンゲソウをはじめとするマメ科植物の根に暮らす根粒菌は、空気中の窒素を窒素肥料に変える能力をもっている。
・レンゲソウは、根粒菌がつくった窒素肥料を利用する。
そのため、土に窒素肥料が与えられなくても、レンゲソウのからだには、窒素が多く含まれる。
空気中の窒素を窒素肥料に変える能力をもつ根粒菌を根に住まわせていることが、レンゲソウの“ひみつ”なのである。
・これが田植えの前に土の中にすき込まれると、緑の葉っぱや茎に含まれていた窒素肥料の成分が土壌に溶け込み、土壌を肥やし、緑肥となる。
⇒そのため、レンゲソウは、緑肥作物とよばれる。
※このように、レンゲソウは、緑肥作物として、田植えをする田んぼにタネがまかれて、栽培されていた。
<近年の傾向>
・ところが、近年、レンゲソウ畑が減ってきた。
化学肥料が普及してきたことが一因であるが、大きな理由は、田植えの機械化が進み、小さなイネの苗を機械で植えるようになり、田植えの時期が早くなったことらしい。
・田植えが機械化される以前の田植えでは、レンゲソウの花の時期が終わるころに、大きく育ったイネの苗を手で植えていた。
ところが、機械では、大きく育った苗は植えにくいので、小さな苗が植えられるのである。
・田植えの時期が早まると、レンゲソウが育つ期間が短くなる。
すると、レンゲソウのからだが大きくなる前にすき込まなければならないので、栽培してもあまり役立たなくなった。
<レンゲソウ~プラスアルファの役に立つ性質>
・しかし近年、レンゲソウは、土壌を肥やすだけではなく、プラスアルファの役に立つ性質をもつことがわかりつつあるという。
・レンゲソウの葉っぱや茎が土にすき込まれて分解されると、酪酸(らくさん)やプロピオン酸などという物質が生じるそうだ。これらは、雑草の発芽や成長を抑える効果をもつとされる。
・だから、レンゲソウを緑肥とした畑や田んぼでは、化学肥料を使わずに土壌が肥沃になり、雑草が育ちにくくなるようだ。
⇒レンゲソウが春の畑に復活する日がくるかもしれないという。
(田中修『植物のひみつ』中公新書、2018年、80頁~84頁)
田中修『雑草のはなし』(中公新書、2007年[2018年版])においても、レンゲソウ(マメ科)とカラスノエンドウ(マメ科)の根粒菌について解説している。
・根に根粒菌がつくのは、マメ科の植物の特徴である。この植物の根をそうっと引き抜くと、小さなコブのような粒々がいっぱいついている。この粒々の中には、根粒菌が暮らしている。
・根粒菌は、空気を窒素肥料にかえて、この植物(レンゲソウとカラスノエンドウ)に供給し、成長に役立つ。
だから、カラスノエンドウは、レンゲソウと同じように、この植物の葉や茎を緑のまま土の中にすき込んでしまうと、土を肥やす働きがある。
⇒栽培植物の肥料となるので、「緑肥」と呼ばれる。
つまり、痩せた土地では、根粒菌に肥料をつくってもらう。
(田中修『雑草のはなし』中公新書、2007年[2018年版]、13頁)
【参考】
You Tubeでも、「但馬の田舎暮らし どんぐ屋」さんは、「【緑肥】レンゲ草の花が満開になりました【稲作】」(2022年5月10日付)において、この根粒菌について言及している。
すなわち、根粒菌に空気中の窒素を吸収して、根に蓄える。そのレンゲ草のパワーについて解説している。合鴨農法を行う田んぼにレンゲ草の種まきしたものが、5月初めに満開になった様子を動画にして伝えている。レンゲ草を、有機栽培の救世主としてみている。
・2022年4月25日(月) 晴 26℃(13~27℃)
9:00~10:00 草刈り 小道と小屋の周辺
直射日光が当たり、朝から暑い!
小屋の周辺などはカラスノエンドウが長く伸びていて苦戦。
10:00~11:30 車庫の周辺の草刈り、裏山のタケノコ取り(10本収穫)
・2022年4月27日(水) 曇 18℃(18~19℃)
10:00~11:00 土地区画整理事業の安全祈願祭に参列
昨日の大雨が何とか上がり、無事につつがなく執り行われ、安堵する
・2022年4月28日(木) 晴 18℃(11~19℃)
畦塗りをし終えたとの連絡あり
・2022年5月2日(月) 晴 18℃(6~19℃)
10:00~10:40 荒おこしをしておられる 私は畦の草寄せ作業
【作業の様子】
2022年5月2日の作業の様子
・2022年5月9日(月) 曇 15℃(13~17℃)
9:00~11:30 草刈りと水入れの準備作業
曇りで肌寒いくらいの天候
(昨晩19時から神社委員会が開かれ、年間行事の役割分担が決まる)
2時間ほど草刈り。伸びた草は再び十数センチになっていた。
進入路の草刈りは小石が飛ぶので注意が必要
残り30分で、水入れに備えて、水止め用の袋を新しいものに交換
ちょうど作業が終了した頃、雨がポツリポツリと降ってくる。
・2022年5月10日(火) 晴 17℃(10~19℃)
9:30草刈り用の混合油 安達石油にて購入 ゼノア25:1(5ℓ 1430円)
(去年より300円値上がり、やはり世界情勢が影響か)
・2022年5月11日(水) 雨後曇 22℃(14~24℃)
18:10 委託者より、水を貯めてよいと電話。明日、水を入れること。
・2022年5月20日(金) 晴 24℃(15~24℃)
18:15~19:00 土地区画整理組合の役員会
・委託者より、明日5月21日(土)午前中に代かきを行う予定といわれる
(下の田んぼは水が多いので、水路の石を取り、水を止めておくように)
・そして、5月25日(水)か26日(木)のいずれかに、田植えを行う予定とのこと。
19:10 役員会の帰りに、田んぼに寄り、下の田の水を止める。
(下の田の水に鴨が2羽泳いでいた)
・2022年5月21日(土) 曇 20℃(17~24℃)
10:00 天気予報によれば、中国地方の梅雨入りは若干例年より早く、6月3日頃になるかもしれないという。
・2022年5月23日(月) 晴 25℃(16~26℃)
10:00~10:30 県用地部の人と地権者で測量のための立会
11:00~11:40 立会の田畑の草刈り
・2022年5月24日(火) 晴 25℃(12~28℃)
12:30 委託者より電話。明日、田植えを9:30か10:00から行う予定。
(下の田の水が少し多かったので、調整しておいたとのこと)
・2022年5月25日(水) 晴 28℃(15~29℃)
9:00~ 9:20 お弁当(寿司、惣菜、お菓子など)買い出し
9:30~11:00 田植え
※田植え機はGPS付きの新車を購入されたとのこと。
(古い田植え機は15~16年間使ったので、買い替え時だったらしい)
11:00~11:30 NOSAIの広報配布
【稲作の写真】
・2022年5月26日(木) 曇 25℃(18~28℃)
17:00~19:20 土地区画整理組合の総会(監事報告)
・2022年5月27日(金) 快晴 25℃(18~27℃)
9:30~12:00 田んぼの作業
・上の田と下の田に水入れ(1時間ずつ)
・四隅など手植え(2時間半で終わらず)
・また機械で植えた苗で倒れているものを直す。
(今年は本数を少なく植えてあるかもしれない。1本の所もある)
・2022年5月28日(土) 晴 25℃(17~27℃)
9:00~10:00 水入れ(不足分のみ)
・2022年5月29日(日) 晴 28℃(17~29℃)
9:00~10:30 上下の田の半分以上、土が出て、水が乾いている。
なお、ホームセンターで刈払い機のサビ止めスプレーを購入
・2022年5月30日(月) 曇 26℃(16~25℃)
9:00~10:00 裏山で竹を切る
(1本高い所にあり苦戦。屋根の上に先端が倒れる)
・2022年5月31日(火) 雨 22℃(18~24℃)
今朝、雨が降ったので、田の水入れせず
・2022年6月1日(水) 曇のち晴 26℃(14~27℃)
9:30~10:30 水入れ、苗の補植と倒れた苗の修正
(2日間曇のち雨で水入れしないと、上下の田とも表土が出ていた)
10:30~11:30 庭木の剪定
・2022年6月2日(木) 晴 25℃(16~27℃)
9:30~10:30 水入れ
・2022年6月3日(金) 晴 25℃(16~27℃)
9:30~10:30 水入れ
・残りの肥料と除草剤を撒く。小屋の周辺の草取り。
・2022年6月4日(土) 晴 22℃(17~23℃)
9:30~10:30 水入れ
・畦の上で、シマヘビが日向ぼっこ(水路に逃げ、とぐろ巻く)
10:30~12:30 妹と庭木の剪定
・2022年6月5日(日) 曇のち雨 22℃(17~23℃)
9:00~10:10 地区の神社清掃
・2022年6月8日(水) 曇 22℃(13~23℃)
9:30~10:30 水入れ(3日間雨だったので、水入れ不要)
・2022年6月9日(水) 晴 22℃(14~23℃)
9:30~10:30 水入れ(水路に石を置き水調整)
10:30~12:00 再び妹と庭木の剪定
・2022年6月10日(金) 晴 22℃(17~25℃)
9:00~ 9:40 春耕作代支払いに行く
・2022年6月13日(月) 晴 21℃(16~22℃)風があり比較的快適な日
9:00~11:00 草刈り 久しぶりの草刈りで長い草は十数センチに伸びている。
(但し、南面は残す)
11:00~11:30 今度の日曜6月19日が市の清掃活動の日なので道路脇の草刈り
・2022年6月14日(火) 雨 19℃(17~21℃)
11:00 中国地方 梅雨入り
・2022年6月16日(木) 晴 20℃(18~27℃)
9:30~10:30 第3回遅ればせながら手植え
かなり足がはまる。下の田に機械油が浮いている。バケツに入れて捨てる。
※北側の人の田には、藻が大量に発生している。温度や富栄養化が原因か。
・2022年6月17日(金) 晴 28℃(18~29℃)
9:00~10:30 草刈り(南面)
朝から暑い。小道には葛のツルが伸びている。
10:30~11:00 道路脇の草刈り(仕上げ)
・2022年6月19日(日) 晴 28℃(21~29℃)
8:00~ 9:00 市の清掃活動
・2022年6月24日(日) 曇 29℃(28~30℃)
10:00~11:00 中干し開始(分けつが進み、茎の数が約15本になる)
最高気温30℃前後の日が1週間続き、雨がほとんど降らず(昨日は34℃まで上がり、夜も28℃の熱帯夜)
※上の田は藻は生えていなかったが、下の田には藻がひどく生え黄色になっている。
特に小屋の北がひどい。北側の人の田も東側が以前から藻がひどい)
・下の田の畦(西側)に機械油が浮いている。
<ポイント>
・中干しの開始時期は、田植えの約1カ月後(または出穂の約1カ月前)が目安
・田面に軽く亀裂が生じる程度(概ね5~7日間)
・中干しの後の水管理は間断灌水が理想的。
田中修『植物のひみつ 身近なみどりの“すごい”能力』(中公新書、2018年)には、中干しがなぜ必要なのかについても、解説している。
「第四話 イネの“ひみつ」の項目である「なぜ、イネは水田で育てられるのか?」には、次のような内容が述べられている。
・春の田植えで植えられたあと、イネは水田で育てられる。
「なぜ、イネは水の中で育てられるのか」という“ふしぎ”が興味深く抱かれる。
イネには、水の中で育てられると、四つの“ひみつ”の恩恵があるという。
①水には、土に比べて温まりにくく、いったん温まると冷めにくいという性質があるということ。
⇒水田で育てば、イネは夜も温かさが保たれた中にいられる。暑い地域が原産地と考えられるイネにとって、これは望ましい環境である。
②水中で育つイネは、水の不足に悩む必要がないこと。
・ふつうの土壌に育つ植物は、常に水不足に悩んでいるらしい。
⇒そのために、栽培植物には「水やり」をする。そうしないとすぐに枯れてしまう。
しかし、自然の中で、栽培されずに生きている雑草は、「水やり」をされなくても育っている。
・だから、「ふつうの土壌に育つ植物たちは、ほんとうに、水の不足に悩んでいるのか」との疑問が生じる。
これは、容易に確かめることができる。
雑草が育っている野原などで、日当たりのよい場所を区切り、毎日、一つの区画だけに水やりをする。すると、その区画に育つ雑草は、水をもらえない区画の雑草に比べて、成長が確実によくなる。
③水の中には、多くの養分が豊富に含まれていること。
・水田には、水が流れ込んでくる。その途上で、水には養分が溶け込んでいる。そのため、水田で育つイネは、流れ込んでくる水の十分な養分を吸収することができる。
⇒このように、水の中は、イネにとって、恵まれた環境である。
④「連作障害」が防げること。
・「連作」という語がある。これは、同じ場所に、同じ種類の作物を2年以上連続して栽培することである。多くの植物は、連作されることを嫌がる。連作すると、生育は悪く、病気にかかることが多くならからである。
・連作した場合、うまく収穫できるまでに植物が成長したとしても、収穫量は前年に比べて少なくなる。これらは、「連作障害」といわれる現象である。
<連作障害の三つの原因>
①病原菌や害虫によるもの。
・毎年、同じ場所に同じ作物を栽培していると、その種類の植物に感染する病原菌や害虫がそのあたりに集まってくる。そのため、連作される植物が、病気になりやすくなったり、害虫の被害を受けたりする。
②植物の排泄物によるもの。
・植物は、からだの中で不要になった物質を、根から排泄物として土壌に放出していることがある。連作すると、それらが土壌に蓄積してくる。すると、植物の成長に害を与えはじめる。
③土壌から同じ養分が吸収されるために、特定の養分が少なくなることによるもの。
・「三大肥料」といわれる窒素、リン酸、カリウムの他に、カルシウム、マグネシウム、鉄、硫黄などが植物の成長には必要である。
⇒これらは、肥料として与えられる場合が多い。
しかし、これ以外に、モリブデン、マンガン、ホウ素、亜鉛、銅などが、ごく微量だが、植物の成長に必要である。
※必要な量はそれぞれの植物によって異なるが、連作すると、ある特定の養分が不足することが考えられる。
・これら三つの連作障害の原因は、水田で栽培されることで除去される。
水が流れ込んで出ていくことで、病原菌や排泄物が流し出されたり、養分が補給されたりするからである。
水田で育てば、こんなにすごい恩恵があるのであるから、他の植物たちも「水の中で育ちたい」と思う、と田中氏は考えている。
<水の中で育つための特別のしくみ~レンコンとイネの共通点>
※ただ、水の中で育つためには、そのための特別のしくみをもたなければならない。
・「どのような、しくみなのか」との疑問が生まれる。
⇒そのしくみをもつ代表は、レンコンであるようだ。
・レンコンは、泥水の中で育っているが、呼吸をするために穴をもっている。あの穴に、地上部の葉っぱから空気が送られている。
・実は、イネもレンコンとまったく同じしくみをもっている。
イネの根には、顕微鏡で見なければならないが、レンコンと同じように小さな穴が開いており、隙間がある。正確には、イネは根の中に隙間をつくる能力をもっている。
というのは、イネは、水田では、その能力を発揮して、根の中に隙間をつくる。
しかし、同じイネを水田でなく畑で育てると、その根には、水田で育つイネの根にできるような大きな隙間はつくられない。
イネは、置かれた環境に合わせて、生き方を変える能力をもっている。
<中干しが必要な理由>
☆しかし、水がいっぱい満ちている水田で育っていると、困ったこともあるそうだ。
・イネは、水を探し求める必要がないので、水を吸うための根を強く張りめぐらせない。そのため、水田で栽培されているイネの根の成長は、貧弱になる。
・根には、水が不足すると水を求めて根を張りめぐらせるという、“ハングリー精神”といえるような性質がある。
だから、田植えのあと、水をいっぱい与えられて、ハングリー精神を刺激されずに育ったイネの根は貧弱である。
⇒もしそのままだと、秋に実る、垂れ下がるほどの重い穂を支えることができない。イネは倒れてしまう。イネは倒れると、実りも悪く、収穫もしにくくなる。
・そこで、イネの根を強くたくましくするために、イネに試練が課せられる。
夏の水田を見てほしい。
田んぼに張られていた水は、抜かれている。水田の水が抜かれるだけでなく、田んぼの土壌は乾燥させられている。ひどい場合には、乾燥した土壌の表面にひび割れがおこっている。
(イネは水田で育つことがよく知られているので、この様子を見て、勘違いする人がいる。
「イネに水もやらずに、ほったらかしにしている」とか、「ひどいことをする」と腹を立てる人までいる。
でも、それはとんでもない誤解である。)
・水田の水を抜き、田んぼの土壌を乾燥させるのは、水が不足すると水を求めて根を張りめぐらせるという、イネのハングリー精神を刺激しているのである。
⇒そうしてこそ、秋に垂れ下がる重いお米を支えられるほどに根を張り、強いからだになることができる。
・土壌の表面のひび割れも、無駄にはなっていない。ひび割れて土に隙間ができることで、この隙間から、地中の根に酸素が与えられる。それは、根が活発に伸びるのに役に立つのである。
こうして、イネは、秋の実りを迎える。
⇒イネの栽培におけるこの過程は、「中干し」とよばれる。
この過程を経てこそ、秋に垂れ下がるほどの重いお米を支えるからだができあがる。だから、中干しは、イネの栽培の大切な一つの過程なのである。
(田中修『植物のひみつ』中公新書、2018年、84頁~89頁)
・2022年6月27日(月) 曇 32℃(24~33℃)
9:30~10:30 役員会議(工事見積書の提出、持ち帰り再検討)
11:00~11:30 中干しの様子見(昨日、一昨日の雨も干上がっている)
・2022年6月28日(火) 晴 32℃(26~35℃)
9:00~10:30 そば畑(公田)の草刈り
11:00 中国地方 梅雨明け発表 14日の梅雨期間は最短で、梅雨明けは最も早い
(季節現象であるため、後日検討され期日が変更となる場合もあり)
・2022年6月30日(木) 晴 32℃(24~33℃)
9:30~10:00 田んぼの様子見~中干し順調
※北側の人の田は藻が黄色くなっている。中干ししていない。
・2022年7月2日(土) 晴 35℃(24~36℃)
台風4号の接近で明日から雨が降るという。
【一口メモ:半夏生について】
・半夏生は「はんげしょう」と読み、節分や土用などと同じような、雑節のうちのひとつ。
・半夏生は、夏至(6月21日頃)から数えて11日目の7月2日頃から七夕(7月7日)頃までの5日間をいう。
・田植えは半夏生に入る前に終わるものとされ、この頃から梅雨が明ける。「半夏生」は気候の変わり目として、農作業の大切な目安とされる。
・半夏生の呼び名の由来には、2つの説があるようだ。
①漢方薬に使われる半夏というサトイモ科のカラスビシャクが生える頃だからという説。
②ドクダミ科のハンゲショウという植物が、ちょうどこの時期に花をつけるからという説。
・半夏生の時期はちょうど田植えが終わる頃とされた。
田植えを終えた稲や畑の作物が「タコの足のようにしっかり根を張って豊作になるように。」と願いを込めて、農家の人々が神様にタコをお供えした。
これに由来して、半夏生の時期にはタコを食べる習わしが生まれたと言われている。
この風習は関西地方を中心に昔から根付いている。半夏生にタコを食べる地域だけではない。香川県ではうどん、福井県ではサバ、長野県でも芋汁などを食べる。
・2022年7月3日(日) 晴のち雷雨 32℃(25~32℃)
午後2時前から雷雨。中干し以来、初めてまとまった慈雨となる。
【一口メモ:稲妻について】
・稲妻は、「稲の夫(つま)」の意味から生まれた語であるといわれる。
古代、稲の結実時期に雷が多いことから、雷光が稲を実らせるという信仰があった。
・日本には、古来、「稲と雷とが交わることで稲穂が実る」と考えられていた。
雷が稲を妊娠させると考えられていた。昔、雷が多いと豊作になることが多いため、「雷光が稲に当たると稲が妊娠して子を宿す」という考え方があった。
・稲妻の「つま」は、古くは夫婦や恋人が互いに相手を呼ぶ言葉で、男女関係なく「妻」「夫」ともに「つま」といった。雷光が稲を実らせるという信仰から、元来は「稲の夫」の意味である。
(しかし、現代では「つま」に「妻」が用いられるため、「稲妻」になった)
・語源的に考えれば、「稲妻」と「雷」の違いは、「稲妻」が「光」であり、「雷」が「音」である。
・気象学的には、実際に雷が多いときは、降水量や日照、気温など、稲の生育に良い条件がそろうようだ。
昔から「雷の多い年は豊作になる」との言い伝えには、根拠があることが証明されているらしい。
雷が空中で放電することにより空気中の窒素が分解され、それが雨と混じり、地中に溶け込むことで、その土地は栄養分が豊かになるからとされる。窒素は肥料の3要素の一つで、これが成長を促す。つまり窒素の増加により豊作となるようだ。
(雷の放電によって、N2はO2と化合して、各種の窒素化合物(NOやNO2など)となり、これが雨水によって硝酸(HNO3)となる。硝酸は植物の成長に欠かせない。)
※ただし、窒素過多には注意したほうがよいともいわれる。
たとえば、近正宏光氏は『コメとの嘘と真実』において、有機栽培について説明した項目で、
・肥料に関しては有機肥料といえど最小限しか与えない。
肥料には窒素分が多く存在し、これが投与過多になるとタンパク質含量が上がってしまい、コメがまずくなると述べている。
また、「アイガモ農法米」について記した箇所で、次のようなことを述べている。
食物としてのコメにとって窒素過多はご法度。当たり前だが、アイガモは田んぼの中で糞をする。これは「未完熟の肥料」。彼らは自然の行為として排泄を行い、タイミングも自然に任せて行う。結果、気を抜くと、肥料の投与量も時期もコントロールを失った、窒素過多のコメが実る場合もあり得る。
※同様の理論で、鯉などを使った栽培法もあるが、消費者がこうむるデメリットも同様。有機米にイメージとしての付加価値ではなく、「おいしさ」「安全性」を求めるのであれば、他の選択肢も検討しなければならない場合があると、近正氏はコメントしている。
(近正宏光『コメとの嘘と真実』角川SSC新書、2013年、146頁~147頁、151頁~152頁)
・2022年7月6日(水) 曇 30℃(25~32℃)
9:30~10:00 中干し終了
昨日、台風4号が本土長崎で温帯低気圧に変わり、四国を通過したが、こちらはほとんど風雨なし。
中干しを終了して、水を入れる
(良い加減に田んぼの土が乾き、ヒビが入っている)
14:00~15:00 土地区画役員会 入札
・2022年7月7日(木) 晴 30℃(24~30℃)
9:00~10:40 田んぼの畦を草刈り(15センチくらい伸びている)
(但し、北側斜面と小道、小屋周辺は残る)
14:00~15:00 県の用地部 契約成立(口座と実印)
・2022年7月8日(木) 曇一時雨 28℃(24~29℃)
9:30~10:00 田んぼの様子見
(下の田には十分水が溜まっていたが、上の田の北側は少し水不足。用水路の水を石で調節し水を入れる)
共立の刈払い機の調子を見る。小屋に去年購入した土嚢袋あり
(後日、残りの草刈りと水止め用の袋を作り、交換すること)
・2022年7月11日(月) 曇 30℃(24~33℃)
9:10~9:20 御礼の品を届ける
9:20~10:00 田んぼの様子見
(上・下の田んぼに水が十分溜まっていたので、水尻の石、板を外し流す)
・2022年7月12日(火) 曇 26℃(24~27℃)
9:00~10:00 委託者にお礼 代替地の件で相談
・2022年7月13日(水) 曇 28℃(23~29℃)
9:00~11:00 草刈り
気温はまあまあだが、無風で蒸し暑い。
北側・東側の法面と小道(田の畔をもう一度、伸びた草のみ)
小道脇は、例年通り、葛が繁茂(上部のみ刈る)
共立製の新しい方の刈払機で今年初めて草刈り
(グリップハンド方式を忘れていた。気を抜いた時、キックバックに注意)
※向こう1週間は雨予報で、梅雨が戻ったような天気(戻り梅雨か)。
来週7月23日から晴になるとのこと。
・2022年7月20日(水) 晴 30℃(23~30℃)
10:30~11:00 田んぼの様子見(上の田の北側が少し水不足)
※1週間ぶりに晴れ。昨日は県内に大雨警報が出るほどに雨が降る。
・2022年7月26日(火) 晴 30℃(25~31℃)
9:30~10:30 公田の草刈り・立て札
開始後、30分過ぎ、アシナガバチに左手の人差し指のつけ根を刺される
(北寄りの畑との境西側にて)
途中で切り上げ、自宅でムヒS2a(ステロイド成分入り)を塗る
(夕方、少し腫れがひどい)
<注意>黒いゴム手袋をはめていたが、やはり黒い色に攻撃的になったか。
・2022年8月1日(月) 晴 33℃(28~37℃)
9:00~10:30 草刈り
今夏、一番の暑さか、午後には37℃記録。
畦と進入路のみとりあえず草刈り
10:30 車庫のかしら草刈り(土嚢袋にひっかけ、チップソーが歪み、回転がぶれる)
・2022年8月2日(火) 晴 33℃(26~36℃)
10:00~11:00 ホームセンターにてチップソーを購入
・2022年8月3日(水) 晴 31℃(27~33℃)
9:00~11:30 草刈り(共立の刈払機にて)
最初の1時間は日差しがきつく、熱中症に注意する
後半は少し曇り、風も時折吹く。それでもきつい。
北側の畦と小屋周辺と、小道の草刈り終了。~キックバックに注意
・2022年8月9日(火) 晴 33℃(26~35℃)
10:00~11:00 刈込鋏にて小屋に生えた雑草を刈る(カヤやツタが主)
田んぼの水は十分。上の田の畦付近に1本出穂していた!
・2022年8月18日(木) 晴 28℃(23~30℃)
10:30~11:00 田んぼの様子見~7割方出穂
ここ2~3日、県内に大雨警報が出るほど雨が降る。
7割方出穂が進んでいる。ただし、ヒエも勢いよく、下の田は稲よりも背丈が高く生長している。
・2022年8月29日(月) 晴 28℃(19~29℃)
8:15~8:30 ゼノアの刈払機のチップソー付け替え
(ゼノアはソケットレンチ13ミリで、共立は19ミリ)
8:50~10:00 畦を中心に草刈り(小道と法面以外)※くよすの煙浴びる
10:50~10:20 車庫のかしらの草刈り
<注意>
10:30帰宅すると胸のあたり痛くて苦しい。シャワーを浴び、休んでいると元に戻る
・2022年9月2日(金) 雨 25℃(20~26℃)
9:15~9:45 ポンプ場の固定資産税を支払いに行く(水路管理会の会計として)
10:00~10:30 水止め
(南側水路入口を土嚢袋で塞ぎ、北側の土嚢袋を取り除く)
※昨日、9月1日 梅雨明けを気象庁が修正
(中国地方、6月28日頃を7月26日頃に。平年は7月19日頃)
※来週9月6日には台風11号が通過予定、注意せよ。
【一口メモ】
・天候経過を事後的に検証し、7月半ばの天候不順を梅雨に含めるべきだと判断したようだ。
(7月半ばの天候不順は偏西風の蛇行に伴い、上空の寒気や前線などの影響で曇りや雨の日が予想外に10日間ほど続いた)
・梅雨明けと当初判断した6月下旬から7月初めにかけては、勢力の強い太平洋高気圧とチベット高気圧で二重に覆われ、極端な暑さが続いたという。
・2022年9月7日(水) 晴 26℃(19~27℃)
9:00~11:00 草刈り(北側、東側の畦の法面と小道、8月29日の残り)
昨日の台風11号の強風が心配であったが、田んぼにはさほど影響なく安心する。
(家では庭に裏山の太い古竹が落ちて来て大変だったが)
今日は、台風一過で、よく晴れてよい天気。
・2022年9月13日(火) 晴 26℃(24~29℃)
10:30~11:00 田んぼの様子見~ヒエ、雑草を除去すること
【稲の生長の様子(9月13日)】
・2022年9月20日(火) 曇 26℃(18~22℃)
10:30~11:00 田んぼの様子見
昨日、台風14号が通過したが、幸いに稲の倒伏は免れる
(しかし、水道みちの近くで、4枚ほど倒伏した田んぼがある)
※台風14号は、940hPaで鹿児島県では建設中のクレーンが倒れるほどの強風で心配したが、こちらを通過する時には、970hPaになっていた。
・2022年9月26日(月) 晴 26℃(18~28℃)
9:00~11:00 田んぼの草刈り(北側の法面以外)
11:00~11:30 車庫のかしらの草刈り
・2022年10月2日(日) 晴 25℃(15~27℃)
9:00~10:20 神社そうじ(本殿横の道祖神を中心に)
・2022年10月3日(月) 晴 27℃(18~29℃)
9:00~10:00 田んぼの草刈り(コンバインの進入路と北側の法面)
10:00~11:30 田んぼのヒエ・雑草取り
(20ℓの紙袋を片手に鋏でヒエを切っていく。足元を稲束にとられバランスを崩す)
今年は上の田にタウコギ(キク科センダングサ属)がよく生えていた。
中には1メートル近いものもあり、その周辺の稲が弱っていた。
【一口メモ:雑草タウコギ】
・センダングサの仲間で、水田などに生える。
・タウゴキ(田五加木)の名前は、樹木のウコギ(五加木)の葉に良く似ることに由来するが、余り似ていないそうだ。
・民間では、健胃や鎮咳、ことに明治37~38年頃に結核の特効薬として評判になったが、実際にはそれほどの効能がなかったらしく、ブームもすぐに去った。
・タウコギは養分や光競合によって稲を減収させるだけでなく、木化した茎が収穫時にコンバインに絡み付くなど、収穫作業時の障害も大きな問題となっているようだ。
〇田中修『雑草のはなし』中公新書
・2022年10月6日(木) 曇 19℃(16~21℃)
10:30~11:00 ホームセンターにて米袋購入
・2022年10月8日(土) 晴 19℃(14~21℃)
18:45 委託者から電話~明日夕方から雨だが、明日それまでに稲刈りをしてはどうかとのこと。晴れになる11日(火)か12日(水)にしてもらう。
・2022年10月11日(火) 曇 18℃(13~19℃)
9:30~11:30 四隅と手植えした畦際の稲を手刈り~上の田の北側はよく実っていた。(ただし、手刈りは、下の田の畔際は時間足りず)
【手刈りした稲の写真(上の田の北側)】
・2022年10月11日(火) 曇 18℃(11~19℃)
16:45 委託者より電話 明日午前10時~11時の間で稲刈りを始めるとのこと
(朝早くはまだ露がおりているから、10時半ぐらいから)
・2022年10月12日(水) 曇のち晴 20℃(11~21℃)
8:30~9:30 買い出し(昼ごはん寿司など)
9:15 昼ごはんと米袋(16枚)を届ける
10:00~10:30 手刈りの残り(下の田の畦際)
10:30~10:30 コンバインで刈ってもらう
※四隅の手刈りの面積が足りず(特に上の田の東側と北側)⇒3条×3メートル(8株分)
※コンバインで刈る時、特に上の田の畔側 バック時に注意
※下の田の東側は雑草ホタルイが繁茂して、絡み付く
【一口メモ:雑草ホタルイ】
・ホタルイは細長い草で、畦際に異常に生えるようだ。
・You Tubeでは、ホタルイ対策としてバサグラン粒剤を散布している人がいた。
・ホタルイは、中干のときに芽が出て、発芽適温は30℃。タネの寿命は20年だという。
【写真:コンバインでの稲刈りの様子】
・2022年10月14日(金) 晴 22℃(12~24℃)
16:30~17:00 米用冷蔵庫の掃除
・2022年10月15日(土) 晴 20℃(13~24℃)
9:30 委託者より電話 お米ができあがったので、今日搬入したいとのこと
11:30~12:00 お米搬入、お茶を出す
・2022年10月19日(水) 曇 17℃(12~19℃)
8:40~9:30 秋の耕作代金(刈取、乾燥)を支払いに行く
・2022年10月20日(木) 晴 17℃(9~20℃)
7:30~8:10 祭りの幟おろし(総代4名と委員2名)
9:00~10:30 公田(そば畑)の草刈り
10:30~11:00 刈取後の藁を均一にならす
・2022年10月27日(木) 曇 15℃(8~20℃)
9:30~9:45 そば畑の小作料を支払いに行く
・2022年10月28日(金) 晴 19℃(8~20℃)
10:00~13:30 父の同僚で友人のお宅に新米を届けに行く
お昼(出前のお寿司)をいただき歓談(農業や囲碁[結城聡氏の本]、息子さんの話題)、お土産まで頂いて帰宅
〇『農業共済新聞』(2022年10月1週号)によれば、農林水産省は、9月16日、2021年の「地球温暖化影響調査レポート」を公表した。
※地球温暖化による影響は、極端な高温や低温、大雨、干ばつなどの気象現象となり、農業生産に深刻な影響を与えている。
農林水産省は、2050年までに、農林水産業からの温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す「みどりの食料システム戦略」を推進、環境負荷低減を促すそうだ。
同時に温暖化がもたらす影響に対処する適応策を推進し、農業生産の安定確保に努めている。
「地球温暖化影響調査レポート」の概要では、
・水稲では、例年と同様に出穂期以降の高温による白未熟粒や胴割れ粒の発生が報告された。ほかに、登熟不良などの報告が増加した。
一方で、高温耐性品種の作付け拡大など適応策の取り組みも広がっているそうだ。
・温室効果ガスの排出を削減する緩和策と合わせ、農作物の安定生産、安定供給を可能とし、生産現場で取り組みやすい適応策の普及が求められるという。
・「地球温暖化影響調査レポート」によれば、具体的には、2021年は年平均気温が平年と比べて、0.61度高く、1898年の統計開始以来で3番目に高い値となった。
・水稲では、別表にあるように、「白未熟粒の発生」が31県から報告された。
・「胴割れ粒の発生」は14県、「粒の充実不足」は13県。
・「登熟不良」は10県で、11年以降で最多だった。
⇒いずれも出穂期(7月)以降の高温が主な原因とされた。
・「虫害の発生」は18県である。カメムシ類やニカメイチュウ、スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)など。
・適応策では、水管理の徹底を22県が実施。
適期移植・収穫、肥培管理、追肥など栽培技術の徹底も報告された。
・高温耐性品種の作付けは、35府県から報告があった。
・作付面積は、前年比5.1%(7775ヘクタール)増の16万999ヘクタールで、主食用作付面積に占める割合は同1.2ポイント増の12.4%となった。
西日本を中心に普及が進む「きぬむすめ」が2万2432ヘクタールで最も多かったそうだ。(『農業共済新聞』2022年10月1週号)
【表:水稲の主な影響の発生状況】
(2022年10月29日投稿)
【はじめに】
「2022年度 わが家の稲作日誌」として、今年度の稲作の主な作業日程を振り返ってみたい。合わせて、今年がどのような天候の下での稲作であったのか、回顧しておくことにしたい。
今年は、地区の集落委員を務めたので、『農業共済新聞』を購読することになり、参照すべき記事がいくつか掲載されていた。
また、農業関係では、次のような書籍を読んだので、関心のあるところをまとめておいた。
〇近正宏光『コメとの嘘と真実』角川SSC新書、2013年
〇田中修『雑草のはなし』中公新書、2007年[2018年版]
〇田中修『植物のひみつ 身近なみどりの“すごい”能力』中公新書、2018年
時に紹介してみたい。
執筆項目は次のようになる。
・【はじめに】
・【2022年の稲作行程・日程】
・【2022年の稲作の主な作業日程の写真】
・【一口メモ:「地球温暖化影響調査レポート」】(『農業共済新聞』(2022年10月1週号より)
【2022年の稲作行程・日程】
2022年の稲作行程・日程を箇条書きに書き出してみた。
・2022年3月8日(火) 晴 11℃(0~12℃)
9:00~9:30 春耕作の依頼に伺う
・2022年3月23日(水) 曇 9℃(2~10℃)
10:00~11:00 永小作の相談に伺う
・2022年4月21日(木) 曇 夕方から雨 18℃(10~21℃)
9:00~11:30 草刈り
前々日、コロナワクチン第3回目接種で、昨日は少し肩が痛かったが、今日は何とか回復。曇り空で、直射日光がなく、草刈りには良い。
・草刈りそのものは2時間で混合油が切れる。
(小道と小屋の周辺の草刈りは後日)
【メモ】
・久しぶりに刈り払い機のエンジンをかけるも、最初、なかなか始動せず。
(混合油も、次回は購入しないと足りない)
・畦の内側を優先的に草刈りし、次に畦の上、そして畦の外側という順序で、草刈りを進めて行く。
・雑草としては、カラスノエンドウ、クローバー、スミレ、タンポポが多い。
とくにカラスノエンドウが、畦と田んぼの中に繁茂しすぎ、手古摺る。
・中央の畦には、モグラの穴が数カ所あり。
【草刈り前の写真】
2022年4月21日の写真
なぜ、田植え前の田んぼに、レンゲソウが植えられるのか?
田中修『植物のひみつ 身近なみどりの“すごい”能力』(中公新書、2018年)の「第四話 イネの“ひみつ」の項目である「なぜ、田植え前の田んぼに、レンゲソウが植えられるのか?」には、次のような内容が述べられている。
・6、70年前には、田植え前の田んぼでは、卵形の小さな葉っぱをつけた茎が地面を這うように、レンゲソウが育っていた。
花が咲くと、畑一面が紫色に染まり、その美しさは、春の田園風景の象徴でもあった。
☆「なぜ、田植え前の田んぼに、レンゲソウが育っているのか」という、素朴な“ふしぎ”が抱かれることがあった。
この“ふしぎ”を解くためには、植物たちの“ひみつ”を知らなければならないそうだ。
・レンゲソウは、タンポポのように、勝手に生える雑草ではない。
田植えをする田んぼに、前の年の秋にタネをわざわざまかれて、栽培される植物なのである。
育ったレンゲソウの葉っぱや茎は、田植えの前に土が耕されるとき、そのまま田んぼの中にすき込まれてしまう。
・この植物は、わざわざタネをまいて栽培され、きれいな花が咲いている時期、あるいは、そのあとにタネがつくられる時期に、土の中にすき込まれてしまう。
それを知れば、「なぜ、せっかく育ってきたのに、土にすき込まれるのか」や、
「レンゲソウは、何のために栽培されているのか」などの疑問が浮上する。
<レンゲソウの根粒菌>
〇実は、レンゲソウには、すばらしい“ひみつ”の性質がある、と田中氏はいう。
・元気に育つレンゲソウの根を土からそおっと引き抜くと、根に小さな粒々がたくさんついている。
この粒々は、根にできる粒という意味で、「根粒」といわれる。
その粒の中には、「根粒菌」という菌が住んでいる。この根粒菌が、すばらしい“ひみつ”の能力をもっている。
※植物が栽培されるときに必要とされる三大肥料は、窒素、リン酸、カリウムである。
・その中でも、窒素肥料は特に重要であるといわれる。
窒素は、葉っぱや茎、根などを形成するために必要であり、植物が生きていくために必要なタンパク質の成分だからである。
・また、窒素は、光合成のための光を吸収する緑の色素であるクロロフィルや、親の形や性質なども子どもに伝えていくための遺伝子にも含まれる成分だからである。
⇒だから、窒素は、それらの物質をつくるのに必要なものであり、植物が成長するには、必要不可欠な物質である。
そのため、私たちは植物を栽培するときには、窒素肥料を与えなければならない。
〇さて、レンゲソウをはじめとするマメ科植物の根に暮らす根粒菌は、空気中の窒素を窒素肥料に変える能力をもっている。
・レンゲソウは、根粒菌がつくった窒素肥料を利用する。
そのため、土に窒素肥料が与えられなくても、レンゲソウのからだには、窒素が多く含まれる。
空気中の窒素を窒素肥料に変える能力をもつ根粒菌を根に住まわせていることが、レンゲソウの“ひみつ”なのである。
・これが田植えの前に土の中にすき込まれると、緑の葉っぱや茎に含まれていた窒素肥料の成分が土壌に溶け込み、土壌を肥やし、緑肥となる。
⇒そのため、レンゲソウは、緑肥作物とよばれる。
※このように、レンゲソウは、緑肥作物として、田植えをする田んぼにタネがまかれて、栽培されていた。
<近年の傾向>
・ところが、近年、レンゲソウ畑が減ってきた。
化学肥料が普及してきたことが一因であるが、大きな理由は、田植えの機械化が進み、小さなイネの苗を機械で植えるようになり、田植えの時期が早くなったことらしい。
・田植えが機械化される以前の田植えでは、レンゲソウの花の時期が終わるころに、大きく育ったイネの苗を手で植えていた。
ところが、機械では、大きく育った苗は植えにくいので、小さな苗が植えられるのである。
・田植えの時期が早まると、レンゲソウが育つ期間が短くなる。
すると、レンゲソウのからだが大きくなる前にすき込まなければならないので、栽培してもあまり役立たなくなった。
<レンゲソウ~プラスアルファの役に立つ性質>
・しかし近年、レンゲソウは、土壌を肥やすだけではなく、プラスアルファの役に立つ性質をもつことがわかりつつあるという。
・レンゲソウの葉っぱや茎が土にすき込まれて分解されると、酪酸(らくさん)やプロピオン酸などという物質が生じるそうだ。これらは、雑草の発芽や成長を抑える効果をもつとされる。
・だから、レンゲソウを緑肥とした畑や田んぼでは、化学肥料を使わずに土壌が肥沃になり、雑草が育ちにくくなるようだ。
⇒レンゲソウが春の畑に復活する日がくるかもしれないという。
(田中修『植物のひみつ』中公新書、2018年、80頁~84頁)
レンゲソウとカラスノエンドウ~根粒菌の働き
田中修『雑草のはなし』(中公新書、2007年[2018年版])においても、レンゲソウ(マメ科)とカラスノエンドウ(マメ科)の根粒菌について解説している。
・根に根粒菌がつくのは、マメ科の植物の特徴である。この植物の根をそうっと引き抜くと、小さなコブのような粒々がいっぱいついている。この粒々の中には、根粒菌が暮らしている。
・根粒菌は、空気を窒素肥料にかえて、この植物(レンゲソウとカラスノエンドウ)に供給し、成長に役立つ。
だから、カラスノエンドウは、レンゲソウと同じように、この植物の葉や茎を緑のまま土の中にすき込んでしまうと、土を肥やす働きがある。
⇒栽培植物の肥料となるので、「緑肥」と呼ばれる。
つまり、痩せた土地では、根粒菌に肥料をつくってもらう。
(田中修『雑草のはなし』中公新書、2007年[2018年版]、13頁)
【参考】
You Tubeでも、「但馬の田舎暮らし どんぐ屋」さんは、「【緑肥】レンゲ草の花が満開になりました【稲作】」(2022年5月10日付)において、この根粒菌について言及している。
すなわち、根粒菌に空気中の窒素を吸収して、根に蓄える。そのレンゲ草のパワーについて解説している。合鴨農法を行う田んぼにレンゲ草の種まきしたものが、5月初めに満開になった様子を動画にして伝えている。レンゲ草を、有機栽培の救世主としてみている。
・2022年4月25日(月) 晴 26℃(13~27℃)
9:00~10:00 草刈り 小道と小屋の周辺
直射日光が当たり、朝から暑い!
小屋の周辺などはカラスノエンドウが長く伸びていて苦戦。
10:00~11:30 車庫の周辺の草刈り、裏山のタケノコ取り(10本収穫)
・2022年4月27日(水) 曇 18℃(18~19℃)
10:00~11:00 土地区画整理事業の安全祈願祭に参列
昨日の大雨が何とか上がり、無事につつがなく執り行われ、安堵する
・2022年4月28日(木) 晴 18℃(11~19℃)
畦塗りをし終えたとの連絡あり
・2022年5月2日(月) 晴 18℃(6~19℃)
10:00~10:40 荒おこしをしておられる 私は畦の草寄せ作業
【作業の様子】
2022年5月2日の作業の様子
・2022年5月9日(月) 曇 15℃(13~17℃)
9:00~11:30 草刈りと水入れの準備作業
曇りで肌寒いくらいの天候
(昨晩19時から神社委員会が開かれ、年間行事の役割分担が決まる)
2時間ほど草刈り。伸びた草は再び十数センチになっていた。
進入路の草刈りは小石が飛ぶので注意が必要
残り30分で、水入れに備えて、水止め用の袋を新しいものに交換
ちょうど作業が終了した頃、雨がポツリポツリと降ってくる。
・2022年5月10日(火) 晴 17℃(10~19℃)
9:30草刈り用の混合油 安達石油にて購入 ゼノア25:1(5ℓ 1430円)
(去年より300円値上がり、やはり世界情勢が影響か)
・2022年5月11日(水) 雨後曇 22℃(14~24℃)
18:10 委託者より、水を貯めてよいと電話。明日、水を入れること。
・2022年5月20日(金) 晴 24℃(15~24℃)
18:15~19:00 土地区画整理組合の役員会
・委託者より、明日5月21日(土)午前中に代かきを行う予定といわれる
(下の田んぼは水が多いので、水路の石を取り、水を止めておくように)
・そして、5月25日(水)か26日(木)のいずれかに、田植えを行う予定とのこと。
19:10 役員会の帰りに、田んぼに寄り、下の田の水を止める。
(下の田の水に鴨が2羽泳いでいた)
・2022年5月21日(土) 曇 20℃(17~24℃)
10:00 天気予報によれば、中国地方の梅雨入りは若干例年より早く、6月3日頃になるかもしれないという。
・2022年5月23日(月) 晴 25℃(16~26℃)
10:00~10:30 県用地部の人と地権者で測量のための立会
11:00~11:40 立会の田畑の草刈り
・2022年5月24日(火) 晴 25℃(12~28℃)
12:30 委託者より電話。明日、田植えを9:30か10:00から行う予定。
(下の田の水が少し多かったので、調整しておいたとのこと)
・2022年5月25日(水) 晴 28℃(15~29℃)
9:00~ 9:20 お弁当(寿司、惣菜、お菓子など)買い出し
9:30~11:00 田植え
※田植え機はGPS付きの新車を購入されたとのこと。
(古い田植え機は15~16年間使ったので、買い替え時だったらしい)
11:00~11:30 NOSAIの広報配布
【稲作の写真】
・2022年5月26日(木) 曇 25℃(18~28℃)
17:00~19:20 土地区画整理組合の総会(監事報告)
・2022年5月27日(金) 快晴 25℃(18~27℃)
9:30~12:00 田んぼの作業
・上の田と下の田に水入れ(1時間ずつ)
・四隅など手植え(2時間半で終わらず)
・また機械で植えた苗で倒れているものを直す。
(今年は本数を少なく植えてあるかもしれない。1本の所もある)
・2022年5月28日(土) 晴 25℃(17~27℃)
9:00~10:00 水入れ(不足分のみ)
・2022年5月29日(日) 晴 28℃(17~29℃)
9:00~10:30 上下の田の半分以上、土が出て、水が乾いている。
なお、ホームセンターで刈払い機のサビ止めスプレーを購入
・2022年5月30日(月) 曇 26℃(16~25℃)
9:00~10:00 裏山で竹を切る
(1本高い所にあり苦戦。屋根の上に先端が倒れる)
・2022年5月31日(火) 雨 22℃(18~24℃)
今朝、雨が降ったので、田の水入れせず
・2022年6月1日(水) 曇のち晴 26℃(14~27℃)
9:30~10:30 水入れ、苗の補植と倒れた苗の修正
(2日間曇のち雨で水入れしないと、上下の田とも表土が出ていた)
10:30~11:30 庭木の剪定
・2022年6月2日(木) 晴 25℃(16~27℃)
9:30~10:30 水入れ
・2022年6月3日(金) 晴 25℃(16~27℃)
9:30~10:30 水入れ
・残りの肥料と除草剤を撒く。小屋の周辺の草取り。
・2022年6月4日(土) 晴 22℃(17~23℃)
9:30~10:30 水入れ
・畦の上で、シマヘビが日向ぼっこ(水路に逃げ、とぐろ巻く)
10:30~12:30 妹と庭木の剪定
・2022年6月5日(日) 曇のち雨 22℃(17~23℃)
9:00~10:10 地区の神社清掃
・2022年6月8日(水) 曇 22℃(13~23℃)
9:30~10:30 水入れ(3日間雨だったので、水入れ不要)
・2022年6月9日(水) 晴 22℃(14~23℃)
9:30~10:30 水入れ(水路に石を置き水調整)
10:30~12:00 再び妹と庭木の剪定
・2022年6月10日(金) 晴 22℃(17~25℃)
9:00~ 9:40 春耕作代支払いに行く
・2022年6月13日(月) 晴 21℃(16~22℃)風があり比較的快適な日
9:00~11:00 草刈り 久しぶりの草刈りで長い草は十数センチに伸びている。
(但し、南面は残す)
11:00~11:30 今度の日曜6月19日が市の清掃活動の日なので道路脇の草刈り
・2022年6月14日(火) 雨 19℃(17~21℃)
11:00 中国地方 梅雨入り
・2022年6月16日(木) 晴 20℃(18~27℃)
9:30~10:30 第3回遅ればせながら手植え
かなり足がはまる。下の田に機械油が浮いている。バケツに入れて捨てる。
※北側の人の田には、藻が大量に発生している。温度や富栄養化が原因か。
・2022年6月17日(金) 晴 28℃(18~29℃)
9:00~10:30 草刈り(南面)
朝から暑い。小道には葛のツルが伸びている。
10:30~11:00 道路脇の草刈り(仕上げ)
・2022年6月19日(日) 晴 28℃(21~29℃)
8:00~ 9:00 市の清掃活動
・2022年6月24日(日) 曇 29℃(28~30℃)
10:00~11:00 中干し開始(分けつが進み、茎の数が約15本になる)
最高気温30℃前後の日が1週間続き、雨がほとんど降らず(昨日は34℃まで上がり、夜も28℃の熱帯夜)
※上の田は藻は生えていなかったが、下の田には藻がひどく生え黄色になっている。
特に小屋の北がひどい。北側の人の田も東側が以前から藻がひどい)
・下の田の畦(西側)に機械油が浮いている。
<ポイント>
・中干しの開始時期は、田植えの約1カ月後(または出穂の約1カ月前)が目安
・田面に軽く亀裂が生じる程度(概ね5~7日間)
・中干しの後の水管理は間断灌水が理想的。
中干しが必要な理由
田中修『植物のひみつ 身近なみどりの“すごい”能力』(中公新書、2018年)には、中干しがなぜ必要なのかについても、解説している。
「第四話 イネの“ひみつ」の項目である「なぜ、イネは水田で育てられるのか?」には、次のような内容が述べられている。
・春の田植えで植えられたあと、イネは水田で育てられる。
「なぜ、イネは水の中で育てられるのか」という“ふしぎ”が興味深く抱かれる。
イネには、水の中で育てられると、四つの“ひみつ”の恩恵があるという。
①水には、土に比べて温まりにくく、いったん温まると冷めにくいという性質があるということ。
⇒水田で育てば、イネは夜も温かさが保たれた中にいられる。暑い地域が原産地と考えられるイネにとって、これは望ましい環境である。
②水中で育つイネは、水の不足に悩む必要がないこと。
・ふつうの土壌に育つ植物は、常に水不足に悩んでいるらしい。
⇒そのために、栽培植物には「水やり」をする。そうしないとすぐに枯れてしまう。
しかし、自然の中で、栽培されずに生きている雑草は、「水やり」をされなくても育っている。
・だから、「ふつうの土壌に育つ植物たちは、ほんとうに、水の不足に悩んでいるのか」との疑問が生じる。
これは、容易に確かめることができる。
雑草が育っている野原などで、日当たりのよい場所を区切り、毎日、一つの区画だけに水やりをする。すると、その区画に育つ雑草は、水をもらえない区画の雑草に比べて、成長が確実によくなる。
③水の中には、多くの養分が豊富に含まれていること。
・水田には、水が流れ込んでくる。その途上で、水には養分が溶け込んでいる。そのため、水田で育つイネは、流れ込んでくる水の十分な養分を吸収することができる。
⇒このように、水の中は、イネにとって、恵まれた環境である。
④「連作障害」が防げること。
・「連作」という語がある。これは、同じ場所に、同じ種類の作物を2年以上連続して栽培することである。多くの植物は、連作されることを嫌がる。連作すると、生育は悪く、病気にかかることが多くならからである。
・連作した場合、うまく収穫できるまでに植物が成長したとしても、収穫量は前年に比べて少なくなる。これらは、「連作障害」といわれる現象である。
<連作障害の三つの原因>
①病原菌や害虫によるもの。
・毎年、同じ場所に同じ作物を栽培していると、その種類の植物に感染する病原菌や害虫がそのあたりに集まってくる。そのため、連作される植物が、病気になりやすくなったり、害虫の被害を受けたりする。
②植物の排泄物によるもの。
・植物は、からだの中で不要になった物質を、根から排泄物として土壌に放出していることがある。連作すると、それらが土壌に蓄積してくる。すると、植物の成長に害を与えはじめる。
③土壌から同じ養分が吸収されるために、特定の養分が少なくなることによるもの。
・「三大肥料」といわれる窒素、リン酸、カリウムの他に、カルシウム、マグネシウム、鉄、硫黄などが植物の成長には必要である。
⇒これらは、肥料として与えられる場合が多い。
しかし、これ以外に、モリブデン、マンガン、ホウ素、亜鉛、銅などが、ごく微量だが、植物の成長に必要である。
※必要な量はそれぞれの植物によって異なるが、連作すると、ある特定の養分が不足することが考えられる。
・これら三つの連作障害の原因は、水田で栽培されることで除去される。
水が流れ込んで出ていくことで、病原菌や排泄物が流し出されたり、養分が補給されたりするからである。
水田で育てば、こんなにすごい恩恵があるのであるから、他の植物たちも「水の中で育ちたい」と思う、と田中氏は考えている。
<水の中で育つための特別のしくみ~レンコンとイネの共通点>
※ただ、水の中で育つためには、そのための特別のしくみをもたなければならない。
・「どのような、しくみなのか」との疑問が生まれる。
⇒そのしくみをもつ代表は、レンコンであるようだ。
・レンコンは、泥水の中で育っているが、呼吸をするために穴をもっている。あの穴に、地上部の葉っぱから空気が送られている。
・実は、イネもレンコンとまったく同じしくみをもっている。
イネの根には、顕微鏡で見なければならないが、レンコンと同じように小さな穴が開いており、隙間がある。正確には、イネは根の中に隙間をつくる能力をもっている。
というのは、イネは、水田では、その能力を発揮して、根の中に隙間をつくる。
しかし、同じイネを水田でなく畑で育てると、その根には、水田で育つイネの根にできるような大きな隙間はつくられない。
イネは、置かれた環境に合わせて、生き方を変える能力をもっている。
<中干しが必要な理由>
☆しかし、水がいっぱい満ちている水田で育っていると、困ったこともあるそうだ。
・イネは、水を探し求める必要がないので、水を吸うための根を強く張りめぐらせない。そのため、水田で栽培されているイネの根の成長は、貧弱になる。
・根には、水が不足すると水を求めて根を張りめぐらせるという、“ハングリー精神”といえるような性質がある。
だから、田植えのあと、水をいっぱい与えられて、ハングリー精神を刺激されずに育ったイネの根は貧弱である。
⇒もしそのままだと、秋に実る、垂れ下がるほどの重い穂を支えることができない。イネは倒れてしまう。イネは倒れると、実りも悪く、収穫もしにくくなる。
・そこで、イネの根を強くたくましくするために、イネに試練が課せられる。
夏の水田を見てほしい。
田んぼに張られていた水は、抜かれている。水田の水が抜かれるだけでなく、田んぼの土壌は乾燥させられている。ひどい場合には、乾燥した土壌の表面にひび割れがおこっている。
(イネは水田で育つことがよく知られているので、この様子を見て、勘違いする人がいる。
「イネに水もやらずに、ほったらかしにしている」とか、「ひどいことをする」と腹を立てる人までいる。
でも、それはとんでもない誤解である。)
・水田の水を抜き、田んぼの土壌を乾燥させるのは、水が不足すると水を求めて根を張りめぐらせるという、イネのハングリー精神を刺激しているのである。
⇒そうしてこそ、秋に垂れ下がる重いお米を支えられるほどに根を張り、強いからだになることができる。
・土壌の表面のひび割れも、無駄にはなっていない。ひび割れて土に隙間ができることで、この隙間から、地中の根に酸素が与えられる。それは、根が活発に伸びるのに役に立つのである。
こうして、イネは、秋の実りを迎える。
⇒イネの栽培におけるこの過程は、「中干し」とよばれる。
この過程を経てこそ、秋に垂れ下がるほどの重いお米を支えるからだができあがる。だから、中干しは、イネの栽培の大切な一つの過程なのである。
(田中修『植物のひみつ』中公新書、2018年、84頁~89頁)
・2022年6月27日(月) 曇 32℃(24~33℃)
9:30~10:30 役員会議(工事見積書の提出、持ち帰り再検討)
11:00~11:30 中干しの様子見(昨日、一昨日の雨も干上がっている)
・2022年6月28日(火) 晴 32℃(26~35℃)
9:00~10:30 そば畑(公田)の草刈り
11:00 中国地方 梅雨明け発表 14日の梅雨期間は最短で、梅雨明けは最も早い
(季節現象であるため、後日検討され期日が変更となる場合もあり)
・2022年6月30日(木) 晴 32℃(24~33℃)
9:30~10:00 田んぼの様子見~中干し順調
※北側の人の田は藻が黄色くなっている。中干ししていない。
・2022年7月2日(土) 晴 35℃(24~36℃)
台風4号の接近で明日から雨が降るという。
【一口メモ:半夏生について】
・半夏生は「はんげしょう」と読み、節分や土用などと同じような、雑節のうちのひとつ。
・半夏生は、夏至(6月21日頃)から数えて11日目の7月2日頃から七夕(7月7日)頃までの5日間をいう。
・田植えは半夏生に入る前に終わるものとされ、この頃から梅雨が明ける。「半夏生」は気候の変わり目として、農作業の大切な目安とされる。
・半夏生の呼び名の由来には、2つの説があるようだ。
①漢方薬に使われる半夏というサトイモ科のカラスビシャクが生える頃だからという説。
②ドクダミ科のハンゲショウという植物が、ちょうどこの時期に花をつけるからという説。
・半夏生の時期はちょうど田植えが終わる頃とされた。
田植えを終えた稲や畑の作物が「タコの足のようにしっかり根を張って豊作になるように。」と願いを込めて、農家の人々が神様にタコをお供えした。
これに由来して、半夏生の時期にはタコを食べる習わしが生まれたと言われている。
この風習は関西地方を中心に昔から根付いている。半夏生にタコを食べる地域だけではない。香川県ではうどん、福井県ではサバ、長野県でも芋汁などを食べる。
・2022年7月3日(日) 晴のち雷雨 32℃(25~32℃)
午後2時前から雷雨。中干し以来、初めてまとまった慈雨となる。
【一口メモ:稲妻について】
・稲妻は、「稲の夫(つま)」の意味から生まれた語であるといわれる。
古代、稲の結実時期に雷が多いことから、雷光が稲を実らせるという信仰があった。
・日本には、古来、「稲と雷とが交わることで稲穂が実る」と考えられていた。
雷が稲を妊娠させると考えられていた。昔、雷が多いと豊作になることが多いため、「雷光が稲に当たると稲が妊娠して子を宿す」という考え方があった。
・稲妻の「つま」は、古くは夫婦や恋人が互いに相手を呼ぶ言葉で、男女関係なく「妻」「夫」ともに「つま」といった。雷光が稲を実らせるという信仰から、元来は「稲の夫」の意味である。
(しかし、現代では「つま」に「妻」が用いられるため、「稲妻」になった)
・語源的に考えれば、「稲妻」と「雷」の違いは、「稲妻」が「光」であり、「雷」が「音」である。
・気象学的には、実際に雷が多いときは、降水量や日照、気温など、稲の生育に良い条件がそろうようだ。
昔から「雷の多い年は豊作になる」との言い伝えには、根拠があることが証明されているらしい。
雷が空中で放電することにより空気中の窒素が分解され、それが雨と混じり、地中に溶け込むことで、その土地は栄養分が豊かになるからとされる。窒素は肥料の3要素の一つで、これが成長を促す。つまり窒素の増加により豊作となるようだ。
(雷の放電によって、N2はO2と化合して、各種の窒素化合物(NOやNO2など)となり、これが雨水によって硝酸(HNO3)となる。硝酸は植物の成長に欠かせない。)
※ただし、窒素過多には注意したほうがよいともいわれる。
たとえば、近正宏光氏は『コメとの嘘と真実』において、有機栽培について説明した項目で、
・肥料に関しては有機肥料といえど最小限しか与えない。
肥料には窒素分が多く存在し、これが投与過多になるとタンパク質含量が上がってしまい、コメがまずくなると述べている。
また、「アイガモ農法米」について記した箇所で、次のようなことを述べている。
食物としてのコメにとって窒素過多はご法度。当たり前だが、アイガモは田んぼの中で糞をする。これは「未完熟の肥料」。彼らは自然の行為として排泄を行い、タイミングも自然に任せて行う。結果、気を抜くと、肥料の投与量も時期もコントロールを失った、窒素過多のコメが実る場合もあり得る。
※同様の理論で、鯉などを使った栽培法もあるが、消費者がこうむるデメリットも同様。有機米にイメージとしての付加価値ではなく、「おいしさ」「安全性」を求めるのであれば、他の選択肢も検討しなければならない場合があると、近正氏はコメントしている。
(近正宏光『コメとの嘘と真実』角川SSC新書、2013年、146頁~147頁、151頁~152頁)
・2022年7月6日(水) 曇 30℃(25~32℃)
9:30~10:00 中干し終了
昨日、台風4号が本土長崎で温帯低気圧に変わり、四国を通過したが、こちらはほとんど風雨なし。
中干しを終了して、水を入れる
(良い加減に田んぼの土が乾き、ヒビが入っている)
14:00~15:00 土地区画役員会 入札
・2022年7月7日(木) 晴 30℃(24~30℃)
9:00~10:40 田んぼの畦を草刈り(15センチくらい伸びている)
(但し、北側斜面と小道、小屋周辺は残る)
14:00~15:00 県の用地部 契約成立(口座と実印)
・2022年7月8日(木) 曇一時雨 28℃(24~29℃)
9:30~10:00 田んぼの様子見
(下の田には十分水が溜まっていたが、上の田の北側は少し水不足。用水路の水を石で調節し水を入れる)
共立の刈払い機の調子を見る。小屋に去年購入した土嚢袋あり
(後日、残りの草刈りと水止め用の袋を作り、交換すること)
・2022年7月11日(月) 曇 30℃(24~33℃)
9:10~9:20 御礼の品を届ける
9:20~10:00 田んぼの様子見
(上・下の田んぼに水が十分溜まっていたので、水尻の石、板を外し流す)
・2022年7月12日(火) 曇 26℃(24~27℃)
9:00~10:00 委託者にお礼 代替地の件で相談
・2022年7月13日(水) 曇 28℃(23~29℃)
9:00~11:00 草刈り
気温はまあまあだが、無風で蒸し暑い。
北側・東側の法面と小道(田の畔をもう一度、伸びた草のみ)
小道脇は、例年通り、葛が繁茂(上部のみ刈る)
共立製の新しい方の刈払機で今年初めて草刈り
(グリップハンド方式を忘れていた。気を抜いた時、キックバックに注意)
※向こう1週間は雨予報で、梅雨が戻ったような天気(戻り梅雨か)。
来週7月23日から晴になるとのこと。
・2022年7月20日(水) 晴 30℃(23~30℃)
10:30~11:00 田んぼの様子見(上の田の北側が少し水不足)
※1週間ぶりに晴れ。昨日は県内に大雨警報が出るほどに雨が降る。
・2022年7月26日(火) 晴 30℃(25~31℃)
9:30~10:30 公田の草刈り・立て札
開始後、30分過ぎ、アシナガバチに左手の人差し指のつけ根を刺される
(北寄りの畑との境西側にて)
途中で切り上げ、自宅でムヒS2a(ステロイド成分入り)を塗る
(夕方、少し腫れがひどい)
<注意>黒いゴム手袋をはめていたが、やはり黒い色に攻撃的になったか。
・2022年8月1日(月) 晴 33℃(28~37℃)
9:00~10:30 草刈り
今夏、一番の暑さか、午後には37℃記録。
畦と進入路のみとりあえず草刈り
10:30 車庫のかしら草刈り(土嚢袋にひっかけ、チップソーが歪み、回転がぶれる)
・2022年8月2日(火) 晴 33℃(26~36℃)
10:00~11:00 ホームセンターにてチップソーを購入
・2022年8月3日(水) 晴 31℃(27~33℃)
9:00~11:30 草刈り(共立の刈払機にて)
最初の1時間は日差しがきつく、熱中症に注意する
後半は少し曇り、風も時折吹く。それでもきつい。
北側の畦と小屋周辺と、小道の草刈り終了。~キックバックに注意
・2022年8月9日(火) 晴 33℃(26~35℃)
10:00~11:00 刈込鋏にて小屋に生えた雑草を刈る(カヤやツタが主)
田んぼの水は十分。上の田の畦付近に1本出穂していた!
・2022年8月18日(木) 晴 28℃(23~30℃)
10:30~11:00 田んぼの様子見~7割方出穂
ここ2~3日、県内に大雨警報が出るほど雨が降る。
7割方出穂が進んでいる。ただし、ヒエも勢いよく、下の田は稲よりも背丈が高く生長している。
・2022年8月29日(月) 晴 28℃(19~29℃)
8:15~8:30 ゼノアの刈払機のチップソー付け替え
(ゼノアはソケットレンチ13ミリで、共立は19ミリ)
8:50~10:00 畦を中心に草刈り(小道と法面以外)※くよすの煙浴びる
10:50~10:20 車庫のかしらの草刈り
<注意>
10:30帰宅すると胸のあたり痛くて苦しい。シャワーを浴び、休んでいると元に戻る
・2022年9月2日(金) 雨 25℃(20~26℃)
9:15~9:45 ポンプ場の固定資産税を支払いに行く(水路管理会の会計として)
10:00~10:30 水止め
(南側水路入口を土嚢袋で塞ぎ、北側の土嚢袋を取り除く)
※昨日、9月1日 梅雨明けを気象庁が修正
(中国地方、6月28日頃を7月26日頃に。平年は7月19日頃)
※来週9月6日には台風11号が通過予定、注意せよ。
【一口メモ】
・天候経過を事後的に検証し、7月半ばの天候不順を梅雨に含めるべきだと判断したようだ。
(7月半ばの天候不順は偏西風の蛇行に伴い、上空の寒気や前線などの影響で曇りや雨の日が予想外に10日間ほど続いた)
・梅雨明けと当初判断した6月下旬から7月初めにかけては、勢力の強い太平洋高気圧とチベット高気圧で二重に覆われ、極端な暑さが続いたという。
・2022年9月7日(水) 晴 26℃(19~27℃)
9:00~11:00 草刈り(北側、東側の畦の法面と小道、8月29日の残り)
昨日の台風11号の強風が心配であったが、田んぼにはさほど影響なく安心する。
(家では庭に裏山の太い古竹が落ちて来て大変だったが)
今日は、台風一過で、よく晴れてよい天気。
・2022年9月13日(火) 晴 26℃(24~29℃)
10:30~11:00 田んぼの様子見~ヒエ、雑草を除去すること
【稲の生長の様子(9月13日)】
・2022年9月20日(火) 曇 26℃(18~22℃)
10:30~11:00 田んぼの様子見
昨日、台風14号が通過したが、幸いに稲の倒伏は免れる
(しかし、水道みちの近くで、4枚ほど倒伏した田んぼがある)
※台風14号は、940hPaで鹿児島県では建設中のクレーンが倒れるほどの強風で心配したが、こちらを通過する時には、970hPaになっていた。
・2022年9月26日(月) 晴 26℃(18~28℃)
9:00~11:00 田んぼの草刈り(北側の法面以外)
11:00~11:30 車庫のかしらの草刈り
・2022年10月2日(日) 晴 25℃(15~27℃)
9:00~10:20 神社そうじ(本殿横の道祖神を中心に)
・2022年10月3日(月) 晴 27℃(18~29℃)
9:00~10:00 田んぼの草刈り(コンバインの進入路と北側の法面)
10:00~11:30 田んぼのヒエ・雑草取り
(20ℓの紙袋を片手に鋏でヒエを切っていく。足元を稲束にとられバランスを崩す)
今年は上の田にタウコギ(キク科センダングサ属)がよく生えていた。
中には1メートル近いものもあり、その周辺の稲が弱っていた。
【一口メモ:雑草タウコギ】
・センダングサの仲間で、水田などに生える。
・タウゴキ(田五加木)の名前は、樹木のウコギ(五加木)の葉に良く似ることに由来するが、余り似ていないそうだ。
・民間では、健胃や鎮咳、ことに明治37~38年頃に結核の特効薬として評判になったが、実際にはそれほどの効能がなかったらしく、ブームもすぐに去った。
・タウコギは養分や光競合によって稲を減収させるだけでなく、木化した茎が収穫時にコンバインに絡み付くなど、収穫作業時の障害も大きな問題となっているようだ。
〇田中修『雑草のはなし』中公新書
・2022年10月6日(木) 曇 19℃(16~21℃)
10:30~11:00 ホームセンターにて米袋購入
・2022年10月8日(土) 晴 19℃(14~21℃)
18:45 委託者から電話~明日夕方から雨だが、明日それまでに稲刈りをしてはどうかとのこと。晴れになる11日(火)か12日(水)にしてもらう。
・2022年10月11日(火) 曇 18℃(13~19℃)
9:30~11:30 四隅と手植えした畦際の稲を手刈り~上の田の北側はよく実っていた。(ただし、手刈りは、下の田の畔際は時間足りず)
【手刈りした稲の写真(上の田の北側)】
・2022年10月11日(火) 曇 18℃(11~19℃)
16:45 委託者より電話 明日午前10時~11時の間で稲刈りを始めるとのこと
(朝早くはまだ露がおりているから、10時半ぐらいから)
・2022年10月12日(水) 曇のち晴 20℃(11~21℃)
8:30~9:30 買い出し(昼ごはん寿司など)
9:15 昼ごはんと米袋(16枚)を届ける
10:00~10:30 手刈りの残り(下の田の畦際)
10:30~10:30 コンバインで刈ってもらう
※四隅の手刈りの面積が足りず(特に上の田の東側と北側)⇒3条×3メートル(8株分)
※コンバインで刈る時、特に上の田の畔側 バック時に注意
※下の田の東側は雑草ホタルイが繁茂して、絡み付く
【一口メモ:雑草ホタルイ】
・ホタルイは細長い草で、畦際に異常に生えるようだ。
・You Tubeでは、ホタルイ対策としてバサグラン粒剤を散布している人がいた。
・ホタルイは、中干のときに芽が出て、発芽適温は30℃。タネの寿命は20年だという。
【写真:コンバインでの稲刈りの様子】
・2022年10月14日(金) 晴 22℃(12~24℃)
16:30~17:00 米用冷蔵庫の掃除
・2022年10月15日(土) 晴 20℃(13~24℃)
9:30 委託者より電話 お米ができあがったので、今日搬入したいとのこと
11:30~12:00 お米搬入、お茶を出す
・2022年10月19日(水) 曇 17℃(12~19℃)
8:40~9:30 秋の耕作代金(刈取、乾燥)を支払いに行く
・2022年10月20日(木) 晴 17℃(9~20℃)
7:30~8:10 祭りの幟おろし(総代4名と委員2名)
9:00~10:30 公田(そば畑)の草刈り
10:30~11:00 刈取後の藁を均一にならす
・2022年10月27日(木) 曇 15℃(8~20℃)
9:30~9:45 そば畑の小作料を支払いに行く
・2022年10月28日(金) 晴 19℃(8~20℃)
10:00~13:30 父の同僚で友人のお宅に新米を届けに行く
お昼(出前のお寿司)をいただき歓談(農業や囲碁[結城聡氏の本]、息子さんの話題)、お土産まで頂いて帰宅
【一口メモ:「地球温暖化影響調査レポート」】
〇『農業共済新聞』(2022年10月1週号)によれば、農林水産省は、9月16日、2021年の「地球温暖化影響調査レポート」を公表した。
※地球温暖化による影響は、極端な高温や低温、大雨、干ばつなどの気象現象となり、農業生産に深刻な影響を与えている。
農林水産省は、2050年までに、農林水産業からの温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す「みどりの食料システム戦略」を推進、環境負荷低減を促すそうだ。
同時に温暖化がもたらす影響に対処する適応策を推進し、農業生産の安定確保に努めている。
「地球温暖化影響調査レポート」の概要では、
・水稲では、例年と同様に出穂期以降の高温による白未熟粒や胴割れ粒の発生が報告された。ほかに、登熟不良などの報告が増加した。
一方で、高温耐性品種の作付け拡大など適応策の取り組みも広がっているそうだ。
・温室効果ガスの排出を削減する緩和策と合わせ、農作物の安定生産、安定供給を可能とし、生産現場で取り組みやすい適応策の普及が求められるという。
・「地球温暖化影響調査レポート」によれば、具体的には、2021年は年平均気温が平年と比べて、0.61度高く、1898年の統計開始以来で3番目に高い値となった。
・水稲では、別表にあるように、「白未熟粒の発生」が31県から報告された。
・「胴割れ粒の発生」は14県、「粒の充実不足」は13県。
・「登熟不良」は10県で、11年以降で最多だった。
⇒いずれも出穂期(7月)以降の高温が主な原因とされた。
・「虫害の発生」は18県である。カメムシ類やニカメイチュウ、スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)など。
・適応策では、水管理の徹底を22県が実施。
適期移植・収穫、肥培管理、追肥など栽培技術の徹底も報告された。
・高温耐性品種の作付けは、35府県から報告があった。
・作付面積は、前年比5.1%(7775ヘクタール)増の16万999ヘクタールで、主食用作付面積に占める割合は同1.2ポイント増の12.4%となった。
西日本を中心に普及が進む「きぬむすめ」が2万2432ヘクタールで最も多かったそうだ。(『農業共済新聞』2022年10月1週号)
【表:水稲の主な影響の発生状況】