レーザープリンタは、インクジェットプリンタに比べて構造が複雑です。
レーザーを感光体に照射し静電気を帯びさせ、それで粉末状のトナーを感光体に付着させます。
搬送されてきた用紙に粉末状トナーを擦り付け、定着ユニット内部の高温&高圧ローラで粉末のトナーを溶かして張り付けているのです。
この為、使える用紙には制限があります。
用紙ミスでレーザプリンタをお客様が壊した実例を。
1.インクジェット用紙をセット
インクジェット用紙は薬品でコーティングしてあることがあります。
このコーティング材が印刷の最終段階、排紙直前の「定着ユニット」にて、紙&部品の焼きつきを生じることがあります。
2.裏紙を使っていた。
経費削減が騒がれる今日。
「社内資料には印刷失敗した用紙も裏を使えば!」
となることも多々あります。
ところが、既に表に一度印刷がなされていると、最後の定着処理にて以前のトナーが溶ける/焼けるなどし、焼きつきを生じることがあります。
※特に他機種レーザプリンタで印刷した裏紙の場合
3.極端に硬い紙/厚い紙
まずレーザープリンタは厚紙が苦手です。
特に定着ユニット部分の負担が高くなります。
トナーを溶かす高温が厚紙ではうまく伝わりませんし、高圧をかけるローラーも紙の厚さの分、抵抗が大きくなりますから。
仕様上想定された紙はともかく、それ以上となると用紙搬送ローラの故障や、定着ユニットの破損がありえます。
4.封筒
ちょっと注意が必要な例です。
封筒は紙を折って貼り合わせてあります。
これは、
・殆どの部分が紙2枚重ねである。
・貼り合わせ部分は、紙3枚分の厚みがある。
ということを意味します。
レーザプリンタは構造上「厚い紙」が苦手。
更に「重なった紙」と「厚みが部分的に異なる」為に、均一にローラーの圧力をかけることができません。
一部の封筒は封用の糊やテープがついているものがあります。
これがかなり危険!
内部でテープが剥がれることがありますし、糊が原因で詰まりや焼き付きの原因にもなりかねません。
5.一見普通のコピー用紙でもモノによっては。
一見するとどれも仕様上大差ないように見えるコピー用紙ですが、実は色々違うのです。
特に注意頂きたいのがこの2点
・両面印刷対応
・カラー対応
最近のプリンタは性能が上がってきましたので、上記2点に対応していないものでもある程度はなんとかなります。
しかし、安価優先コピー用紙や一部の再生紙では品質や紙の薄さから、レーザープリンタでの両面印刷/カラーに耐えられないものがあるのです。
<最近の故障事例 2011.10.13
レーザープリンタで、安価再生紙を使用して故障となる例>
コピー用紙を買う際には、A4などのサイズと価格だけでなく、「両面対応」「カラー対応」の説明があるかを確認してみてください。
故障原因になってもまずいので、用途に応じたそれなりの紙を選んだ方がいいですから。