遊月(ゆづき)の日々これ修行なり~

パワースポット研究家(おたる案内人)でセラピスト遊月のブログ
【パワースポットニッポン(VOICE)北海道担当】

祈りの朝にその5

2011-04-18 13:09:18 | 遊月作ファンタジー物語
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祈りの朝にその5
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セラピストさんの指示にしたがい、現実に戻ってきてからも、見せられたものの壮大さと、その突飛さに、わたしは夢が叶わないってことなのだろうかと思ったり、とにかく、あれは妄想だ、現実で起きるはずもない、と考えることにした。
サロンを出て外に出ると、2003年の12月の札幌の夕暮れは、いつもと同じ日常のままで、とても寒かった。

あれから何年たったのか。あの時教えられた3月に自分でも信じられないことが起きた。
すべてが嘘であってほしい。真実になってほしくないと今でも思っている。
ですが、その可能性がゼロじゃないことも否定できない。だから、物語にして伝えようと思った。

これはひとつの可能性に過ぎず予知などではない。
でも、いつまでも終わらない余震におびえ、世界が終わるかもしれないようなアヤシイ予言が出回り、何が起きるかわからなくて絶望する日々が続くのなら、ひとつの可能性として、これが最悪の場合どうなるのか、そして、それがどれくらいで終わりそのあとどうなるのかを、ひとつの物語としてイメージとして感じてもらうことは悪いことじゃないって。

形にしてしまうと実現してしまうかもしれない。
必要以上に恐怖をあおってしまうかもしれない。

そう思ったりしたけど、わたしが伝えたいことは、どんなことでも終わりがある。積み上げたものが一瞬で崩れ去ったとしても、それは終わりじゃなくてはじまりであると信じ、何度でも立ち上がり続けたい。

そういう勇気や光になれば、この物語も無駄じゃないって。

心が乱れ、悲しみに沈んだ3月が終わり、現実のわたしは、阪神大震災のときおなかにいた次男の中学卒業と、彼が望んだ高校への入学式などを経験してた。
シングルマザーと生きていくため、もっとがんばらなくてはと、いつ終わるともしれない不安との戦いの中にあった。そんな中、守らなくてはいけないこどもだと思っていた次男が、はやく大人になって母を楽にさせるのが目標だ、だけどあと少し苦労をかけますと、卒業のために書かされた手紙にしたためてわたしに送ってくれた。
出口のないように感じられた子育ても、やがて終わる日が来るとはじめて実感できた瞬間だった。

私の夢は、こどもたちと笑って日々を過ごすことだった。
だとしたら夢はとうの昔に叶っていた。ちゃんと生きたいように生きていたのだ。
そしてこれからは、成長したこどもたちの人生はこどもたちのものだと安心して、やっと自分のためだけに生きていける。

そのことがうれしくて、高校の入学式の帰りに、いつも行く神社に向かって歩いていた。それは、いつもと違うコースだった。
そして神社の手前で、わたしは信じられないものを目撃したのだ。

そこにあったのは、寒空に似つかわしくない、喫茶店の入り口いっぱいに咲き乱れるあの、ミカエルが渡した南の国に咲く赤い花だった。
あとから調べて知ったのだが、その花の花言葉は、「親からの自立」だった。
祈るべき場所は、ここだったのか…。

地球の中心。
それはつまり自分が生きる場所?

神社に入り祈った。
わたしが生きてきて知ったこと、経験したことが、誰かの役に立つのなら、どうかわたしを使ってください。わたしのこの先の人生は、神様のお使いとして生きていきます。
こんな微力なわたしですが、この星のためにわたしをお使いください。できることができるよう、どうか導いてください!

すると言葉が響いてきた気がした。

これからは、世界のために生きるのではなく、あなたのために生きなさい。
それがあなたに与えられた命の使い方です。
あなたにしあわせになってほしくてわたしたちはここにいます。
だから、思うがままに生きてください。
自分の人生を生きて、魂が輝くような経験を積んでいくことが、わたしたちの願いです。
それが、人々に伝えたい神々の願いです。

そう聞こえた気がした。
涙が溢れそうになる。私は神様に何度もお礼を言った。すると、静かに風が吹いてわたしの髪を揺らし、神社の奥で神様がほほ笑んだような気がした。



【了】

短編というよりは、体験したことの備忘録的なものになりましたが。
何かの役に立てたらいいなと書き残しておきます。






2011年4月18日

満月の朝にて
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