ひいらぎ通信

日常のささやかな幸せを拾い集ようと、ブログ、始めてみました。

コールドゲーム

2006年06月07日 | 本のハナシ
ああ、今日も暑かった。
今日は、本の紹介です。図書館で借りました。ずいぶんペースが落ちている私にとっては、「一気に」と言っていいペースで読みました。

コールドゲーム

講談社

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amazonの作品紹介を引用します。
出版社/著者からの内容紹介
17歳、まさかそんなに早く死ぬなんて思ってもいなかった。

甲子園に届かなかった夏、中学時代のクラスメートに次々事件が降りかかる。
切なすぎる結末。渾身の書下ろし長編小説

弁当を笑われ、プロレスの技をかけられ、教室でパンツを下ろされる。
クラスじゅうのイジメの標的にされていた小柄な少年、トロ吉。

「俺たち、そんなにひどいことしたかな。あの時は、しょうがなかったんだよ。自分だけやらないとクラスで立場がなくなっちゃうって感じで……」

中2から高3。4年あればずいぶん変わる。誰だって。


最初の文および最後の2文は、作中の文です。
「中2から高3。4年あればずいぶん変わる。誰だって。」というのは、作品を読み進む上で、キーポイントになる文かもしれません。
中2の時のいじめ。4年後、いじめられていた少年の報復が始まります。いじめには関らず野球少年の光也を中心に話が進んでいきます。途中途中で、野球を例えに出した表現が出てきます。そして、光也の呟きの一つ一つが、ちょっとずつ変化していく。光也の成長物語としても読めるのではないでしょうか。
いわゆるミステリとしての謎は、読みなれている人にとっては『大どんでん返し』とはならないと思います。伏線はあちこちに張られているし。読んでいて、辛くなる部分もあります。
最後まで読むと、いじめに積極的に関ったわけではない光也が何故主人公なのかが理解できます。人によって解釈は違ってくると思いますが、最後のほう、廣吉がノートに記した言葉は、彼の変質狂的な性格が書かせたものだとは私は思いませんでした。それこそが、光也の罪だったのだと、光也はちゃんと理解した、と私は思いました。が。感じ方は色々あるようで。
この本の感想を書いた方の文をいくつか読んでみましたが、本当に色々です。まあ、それはそれで面白いですが。

文庫も出ています。
コールドゲーム

新潮社

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文庫の方の本の紹介は、こんな感じ。
内容(「BOOK」データベースより)
高3の夏、復讐は突然はじまった。中2時代のクラスメートが、一人また一人と襲われていく…。犯行予告からトロ吉が浮び上がる。4年前クラス中のイジメの標的だったトロ吉こと廣吉。だが、転校したトロ吉の行方は誰も知らなかった。光也たち有志は、「北中防衛隊」をつくり、トロ吉を捜しはじめるのだが―。やるせない真実、驚愕の結末。高3の終らない夏休みを描く青春ミステリ。

装丁も紹介文も帯の言葉も、講談社の方が好みかな。
好みは分かれるかもしれませんが、私はとても興味深く読みました。

さて、昨日は夜9時ごろからお出かけしました。
その前日にいきなり旧友から電話があって。
「仕事で9時過ぎになるけど出ておいで。その時間に付き合ってくれるのって、ひいらぎくらいかと思ってさ、電話した」
ですと。
そうね。そうかもね。そうして、おっしゃるとおりに、出かけましたわ。
軽く食事をして、何年ぶりかで楽しくお話してきました。
他の子にも電話しましたが、急なことで都合つかず。
「せめて一週間前には電話するように」
とのJちゃんの伝言も伝えました。
「やっぱりそうよねえ」
と笑うあなたは相変わらず大物よ、Kちゃん。
コメント (2)
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