『重力ピエロ』 伊坂幸太郎
あれ?伊坂幸太郎は人気の作家では?と思うぐらい
あっけなく、目の前にあったので借りてきました。
ちょっと変わった性格の弟『春』と
弟を見守る兄の『泉水』、
入院中の父親、ストーカーの『夏子さん』が
多発する放火事件と落書きの犯人を捜すうち
過去の事件との関連を見つけ…
初めの方に出てくるエピソードがわかりにくいと感じるものの
家族の秘密と共にだんだん意味がわかってきて
なんだか悲しくなりました。
泉水の勤め先が遺伝子関連の会社であることから
DNAの塩基配列が出てきたりして
学生時代に覚えた記憶がよみがえり、妙に懐かしく感じたり。
以前読んだ『ラッシュライフ』の黒澤さんが
チョロッと出てきたのがうれしかったり、
これから読むつもりの『オーデュボンの祈り』に
関係しているような気配の部分があったり…
最後はカラッとした終わり方で…
ドロドロにならなくてよかったと、こっそりホッとしました。
タイトルは家族のエピソードに関係があります。
読めば、たぶん、納得です
満足度: