天の川とホタルを撮りたい、そう願った1夜目。
空には雲。星はまったく見えなかった。
狙いを変え、ホタルと田んぼを撮る。
2夜目。
雲はない。
午後7時50分ごろから午後8時50分ごろまで、
ホタルを光跡をねらいにシャッターを切った。
そして、天の川が南南西の空に現れているであろう午後10時ごろ。
ガスが沸いている。昼間の暖かで、山間にこもった熱が水蒸気となり、
霧が発生してきた。
四万十川中流域は、台地でかつ盆地になるため、寒暖差が激しい時は年中、霧が湧く。
この日もお決まりの霧に、星の光は阻まれた。
断念。
そして、3夜目
雲も霧もない。
天の川が現れ始める時間は23時ごろ
方角は南南東。
最初のシャッターは、川のディテールが分かる程度にまだ明るさが残る
午後7時50分ごろ。
カメラは、Sony a7SⅢ
1台に、SEL20F18Gを着け、横位置にして映像を撮る。
1台に、SEL35F14GMを着け、縦位置にして写真を撮る。
ここからカメラは、固定したまま1ミリも動かさない。
午後8時ごろから、ホタルが飛び交い始める。
だんだんと夜の暗闇にあたりが支配されていく。
ホタルはだんたんと勢いが増していく。
シャッタースピード10秒、絞りF1.4、ISO1600
午後7時50分から午後8時47分まで、
61枚の写真を撮った。
午後8時台は、空はまだ明るく映るが、ホタルは最高潮。
この時間帯の目的、ホタル撮影は十二分で撮れた。
ここで一旦休憩に入る。
田んぼを背景にしたかったが、方角がずれるため
今夜はもっともホタルが多く飛翔している小川を中心に据える。
カメラが夜露で濡れないようタオルを上からそっとかける。
かけるのは、ビニールやレインカバーなどでもいいが、
その場合、カメラの放熱で、カバー内部が結露し、ボディやレンズが濡れることがあるので、僕はだいたいタオルを使う。
1時間後の午後10時ごろ、再び車外に出る。
空には、南南東の空に天の川。
ガスは出ていない。
肉眼でもくっきりと銀河系が見える。
3夜目。ようやく好条件に恵まれた。
午後10時から午後10時42分までの間に48枚撮った。
ホタル写真は、撮っただけでは終わらない。
ここからの画像処理が撮影時間以上にかかる。
もっとも美しく空が写ったカットを選ぶ。
次に、ホタルの光跡が美しい写真を選ぶ。
それらを比較明合成という手法で重ねていく。
その結果、写真が生まれた。